
今日は新国立オペラ「魔笛」初日でオペラパレス。
午前中、演出家ウィリアム・ケントリッジが前回の公演2018年に書いたものなどを読んでいたらこんなくだりがあり
......このオペラには、権力とは先制政治とは慈愛とは何か、知とはどのような前提に基づいているものか、そんな問題がいっぱい詰まっている.....今なお我々をめぐる力関係の中心に存在する問題だ...
.....闇は闇と割り切れるというものではない。闇と光が結局非常に曖昧模糊としていて.....最後の場面に出てくるような、完全に光と闇で切り分けられるようなものではないところが魔笛の面白さだ....
一体どういう演出なのかと思いながら幕が開くのを見たが。
ケントリッジのこういった物言いが演出にどう反映しているのか。結局わからなかった。
宮本亜門・二期会魔笛などに比べればオーソドックスな演出ではないか。
だが彼のウリである映像技術を駆使した舞台は素晴らしかった。とりわけ2幕後半30分は見たことのないすごい映像舞台だった。
で、途中から演出の意図についてあれこれ考えるのをやめて、俄然この魔笛が楽しくなった。
鈴木准さん良かった。りっぱなタイトル(級)だ。声がいいし溌剌として。
砂川涼子さんももちろんうまかったが、それ以上に近藤圭さんが良かった。歌も頑張ってたしすごい芝居だった。
応援してる同郷の山下牧子さん、ホントに新国立の常連だ。今日はたっぷり出番があり歌も芝居も見せた聴かせた。
そしてやっぱり魔笛は音楽。オレグ・カエターニマエストロは丁寧な指揮で心地よいモーツァルトを奏でた。
今日の魔笛、この東フィルの美しいモーツァルト、すごい映像舞台、溌剌とした日本人歌手たちがぼくらを魅了した。













