「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

小説「傾国のラヴァーズ」その20・夜中の電話に期待する

2022-11-20 23:51:00 | 傾国のラヴァーズその11~20
 でも俺はどうにか、
「誰にも言いませんが、もし、僕ができることがあったらいつでも連絡してください。今みたいに話を聞いてほしい、っていうのでもかまいません」
 夜中でも大丈夫ですから、とまで言うと、彼の横顔が少しほころんだように見えた。

 大変なことに巻き込まれたら面倒だな、とは思ったが、夜中に彼の声を聞けたら嬉しいかもしれない、などとおかしなことが頭をよぎる。

「それじゃあよろしく頼みます」
と、彼はものすごく神妙な顔で俺に頭を下げると、駐車場へと降り立った。

「…社長、皮膚科に行った方がいいですよ。畑に行った時とか、外来種の虫でも連れてきたんじゃないですか?」
 
 社長室で高橋専務に言われると、彼は、
「僕もそう思うんだよ」
と、さっきとは打って変わって落ち着いた様子で答えていた…



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