「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

●小説「傾国のラヴァーズ」その66・聖名ではなく…

2023-09-10 23:24:00 | 傾国のラヴァーズその61~70
 家に着いても、俺はス一ツのままでいた。
 聖名、ではなく、鈴崎社長にしっかり話をしたいと思ったからだ。
 
 聖名のスマホの電源は入らない。

 結局、言っていた通り、二時間ほどして聖名は帰ってきた。

「ただいまー…」

 玄関のドアが開き、聖名の声がした。

 意外にも聖名はしらふだった。

「ごめんね。断れなくて…あれ? 着替えないの? 」

 声は軽かったが、聖名は顔色が悪かった。
 
 しかし、俺は立ち上がり、
「鈴崎社長、お話しがあります」
 すると聖名は驚いたように、
「ちょっとごめんね。シャワー浴びてから聞かせて 」
 何とも軽い言い方に、俺はますます怒りを覚えてしまった。

 
 ふっ、と聖名のものではないような香りがした。


 それにも俺はどうしてか怒りを覚え、固まった一瞬の隙に、聖名は着替えに自分の部屋に向かってしまい、更には俺の方を見ず、さっさと浴室に向かってしまった。
 




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。