この10月に回ってくれた研修医の先生は(久々に)ルーチンワークだけじゃなく一生懸命、勉強してくれていました。
病理医を目指すということを聞いて、ぜひ後輩たちに向けてメッセージをお願い、と頼むと快く文章を書いてくれました。
スーパーローテート研修が始まって、以前よりも基礎系や僕らみたいに直接患者と接することの無いあるいは少ない科に進むという決定をするのは、難しくなっているのではないかな?と常々思っているのが理由です。
病理などの基礎系に進みたくても、情報は少ないだろうし、臨床の現場にいると医者なんだから、患者を診ないと…という雰囲気も少なからずあるし。
そして、研修医になる前の(基礎にも興味のある)学生さんにとっては、研修はしたほうがよいのか、せずに直接進んだほうがよいのか、という悩みもあるかもしれません。
と、いうわけで書いてもらった文章を以下に掲載します。
研修医2年目の山本美保子です。
CXPの読影では、臓器の影の奥深さを感じておもしろかったです。
水口先生との最終チェックも詳しく指導していただいて、苦手意識も解消されました。
1ヶ月間本当にありがとうございました!
私は3年目から病理医になるために大学院進学します。
もし病理医を目指している学生さんや初期臨床研修医の方に、
私の意見が少しでも参考になれば幸いです。
☆きっかけ☆
病理学を意識しだしたのは、大学の顕微鏡実習で組織を見た時、
きれいで機能的な構造に感動したからです。「人の身体ってやっぱりすごい。」みたいな感じです。
また、臨床を経験してみて、病因・病態に関しては、分からないことの方が多いというのを実感しました。
疾患の根本的なことが知りたいという気持ちが強く、最小単位である細胞を研究することで
小さなことでも何か分かれば、私も役に立てるかもしれないなぁと思いました。
(私が行く病理学教室は細胞培養の研究がメインだからです。)
こういえばかっこいいですが、実は臨床での即決力や行動力に自信がなかったのもひとつです。
適材適所。仕事もずっと続けて行きたいと思いますし。
☆不安だったこと☆
佐賀大学の病理部は初めから病理を専門にする先生より、
専門内科or外科を何年か経験し転向する先生が多いです。
そんな先生方はやはり得意臓器ができると思います。
私はスーパーローテイトのみで、より専門的な臨床経験していないのは不安ではありました。
「えー最初から病理いくの???」と、ふしぎに思われることも多かったので。
でも、鈴木先生の「全体的に見ることができる病理医も必要だろうし、大丈夫だよ」的な一言もいただいて
自信を持って頑張るか、と思いました。
実は、医師の中で病理医が一番少ないという事実を知っていてか、
逆に「大事な仕事だから頑張って」と応援してくれる先生もいらっしゃいました。
悩んでいても解決しないので不安なときは、冷静な意見を聞くこと、仕事をして自分が向いているのか体験してみることが大事ですね。いつでも。病理に進んだそのあとは結局自分次第ですし。
☆実際の病理部研修☆
臓器を切り出ししたり、佐賀県内から集まる標本を期限内によんだり、
解剖をしたり、スタッフの先生方は講義もしたり、その中で研究もされているし。。
やっぱり仕事は地味に沢山ありました。
でもある程度自分のペースでできること、ON/OFFがはっきりしていることはいいところだと思います。
お子さんがいらっしゃる男性医師も、一旦お子さんをお風呂にいれに帰って、また仕事しに来る、
といった風にけっこう自由な感じでした。
私は、解剖のとき気分が悪くなることもありましたが、慣れたら大丈夫でしょう。と思っています。
尊敬できる指導者、研究者に出会えたことも大きいです。
九州の病理医は、3ヶ月に1度くらい、主な施設の病理部で珍しい症例を持ち寄る
スライドカンファレンスがあります。研修2年目で病理選択の期間に参加させてもらいました。
そういった勉強会があって、他の大学の先生方と頻繁に交流できそうでした。
九州の病理医は仲がいいらしいです。全国的にも人数は少ないので、交流しやすそうな雰囲気。
☆臨床研修☆
私は内科・外科・救急部・小児科・産婦人科などの臨床現場を見ましたが、
スーパーローテイトは経験できるなら経験した方がいいと思います。
病理は標本の中で、結果、あるポイントしか見れないです。疾患の動的な部分は臨床でしか体験できません。
患者さんの剖検前の経過を想像しなければいけないので、日々の病勢、治療効果、流れの観察は
大事だと思います。これは当たり前かもしれませんが。
また臨床医の要求、検体採取の苦労、剖検同意をとる臨床医の苦労、
レポートがどれくらい反映されているか、など、感じることは山ほどありました。
今の臨床研修制度は一つの科を回る期間が短くて技術が身につかないというデメリットもあるかもしれませんが、
私にとっては、どの臓器に限らないでいろいろな科で体験させてもらったことは、
病理レポートを書く上で役に立つと思っています。
これから初期臨床研修制度がどうなっていくのかは分からないですが、
もし病理学に進もうと考えているならば、できるだけ全ての臓器を網羅できるように回るのがいいのかなと
思いました。仕事を経験していない臓器は臨床像をやはり想像しにくいからです。
私が未熟なだけかもですが。。
自分の経験不足分の勉強やフィードバックのためにも、臨床とのカンファレンスへの参加は
大事にしたいと思います。
それと、臨床で一緒に働いた同期、先輩Drは相談しやすくて頼りになるし、これからも大切な存在です。
病理に行くのが決定ならば、病理のことは置いておいて、臨床の場を大切にすることが大事かなぁと思ったので
残りの期間も、後々振り返って貴重な時間になるように過ごしたいです。
あまり具体的なアドバイスは書けなくてすみません。
稀な存在みたいなので、いろいろ言われることも多いと思うけど、好きならやっていけると思っています。
悩んでいる人たちの参考になればっ!嬉しいです。
忙しい中、いっぱい書いてくれてありがとうございました。
いつか”radiological-pathological correlation of・・”というような仕事を一緒にできたらいいですね!
残りの研修も頑張ってください
病理医を目指すということを聞いて、ぜひ後輩たちに向けてメッセージをお願い、と頼むと快く文章を書いてくれました。
スーパーローテート研修が始まって、以前よりも基礎系や僕らみたいに直接患者と接することの無いあるいは少ない科に進むという決定をするのは、難しくなっているのではないかな?と常々思っているのが理由です。
病理などの基礎系に進みたくても、情報は少ないだろうし、臨床の現場にいると医者なんだから、患者を診ないと…という雰囲気も少なからずあるし。
そして、研修医になる前の(基礎にも興味のある)学生さんにとっては、研修はしたほうがよいのか、せずに直接進んだほうがよいのか、という悩みもあるかもしれません。
と、いうわけで書いてもらった文章を以下に掲載します。
研修医2年目の山本美保子です。
CXPの読影では、臓器の影の奥深さを感じておもしろかったです。
水口先生との最終チェックも詳しく指導していただいて、苦手意識も解消されました。
1ヶ月間本当にありがとうございました!
私は3年目から病理医になるために大学院進学します。
もし病理医を目指している学生さんや初期臨床研修医の方に、
私の意見が少しでも参考になれば幸いです。
☆きっかけ☆
病理学を意識しだしたのは、大学の顕微鏡実習で組織を見た時、
きれいで機能的な構造に感動したからです。「人の身体ってやっぱりすごい。」みたいな感じです。
また、臨床を経験してみて、病因・病態に関しては、分からないことの方が多いというのを実感しました。
疾患の根本的なことが知りたいという気持ちが強く、最小単位である細胞を研究することで
小さなことでも何か分かれば、私も役に立てるかもしれないなぁと思いました。
(私が行く病理学教室は細胞培養の研究がメインだからです。)
こういえばかっこいいですが、実は臨床での即決力や行動力に自信がなかったのもひとつです。
適材適所。仕事もずっと続けて行きたいと思いますし。
☆不安だったこと☆
佐賀大学の病理部は初めから病理を専門にする先生より、
専門内科or外科を何年か経験し転向する先生が多いです。
そんな先生方はやはり得意臓器ができると思います。
私はスーパーローテイトのみで、より専門的な臨床経験していないのは不安ではありました。
「えー最初から病理いくの???」と、ふしぎに思われることも多かったので。
でも、鈴木先生の「全体的に見ることができる病理医も必要だろうし、大丈夫だよ」的な一言もいただいて
自信を持って頑張るか、と思いました。
実は、医師の中で病理医が一番少ないという事実を知っていてか、
逆に「大事な仕事だから頑張って」と応援してくれる先生もいらっしゃいました。
悩んでいても解決しないので不安なときは、冷静な意見を聞くこと、仕事をして自分が向いているのか体験してみることが大事ですね。いつでも。病理に進んだそのあとは結局自分次第ですし。
☆実際の病理部研修☆
臓器を切り出ししたり、佐賀県内から集まる標本を期限内によんだり、
解剖をしたり、スタッフの先生方は講義もしたり、その中で研究もされているし。。
やっぱり仕事は地味に沢山ありました。
でもある程度自分のペースでできること、ON/OFFがはっきりしていることはいいところだと思います。
お子さんがいらっしゃる男性医師も、一旦お子さんをお風呂にいれに帰って、また仕事しに来る、
といった風にけっこう自由な感じでした。
私は、解剖のとき気分が悪くなることもありましたが、慣れたら大丈夫でしょう。と思っています。
尊敬できる指導者、研究者に出会えたことも大きいです。
九州の病理医は、3ヶ月に1度くらい、主な施設の病理部で珍しい症例を持ち寄る
スライドカンファレンスがあります。研修2年目で病理選択の期間に参加させてもらいました。
そういった勉強会があって、他の大学の先生方と頻繁に交流できそうでした。
九州の病理医は仲がいいらしいです。全国的にも人数は少ないので、交流しやすそうな雰囲気。
☆臨床研修☆
私は内科・外科・救急部・小児科・産婦人科などの臨床現場を見ましたが、
スーパーローテイトは経験できるなら経験した方がいいと思います。
病理は標本の中で、結果、あるポイントしか見れないです。疾患の動的な部分は臨床でしか体験できません。
患者さんの剖検前の経過を想像しなければいけないので、日々の病勢、治療効果、流れの観察は
大事だと思います。これは当たり前かもしれませんが。
また臨床医の要求、検体採取の苦労、剖検同意をとる臨床医の苦労、
レポートがどれくらい反映されているか、など、感じることは山ほどありました。
今の臨床研修制度は一つの科を回る期間が短くて技術が身につかないというデメリットもあるかもしれませんが、
私にとっては、どの臓器に限らないでいろいろな科で体験させてもらったことは、
病理レポートを書く上で役に立つと思っています。
これから初期臨床研修制度がどうなっていくのかは分からないですが、
もし病理学に進もうと考えているならば、できるだけ全ての臓器を網羅できるように回るのがいいのかなと
思いました。仕事を経験していない臓器は臨床像をやはり想像しにくいからです。
私が未熟なだけかもですが。。
自分の経験不足分の勉強やフィードバックのためにも、臨床とのカンファレンスへの参加は
大事にしたいと思います。
それと、臨床で一緒に働いた同期、先輩Drは相談しやすくて頼りになるし、これからも大切な存在です。
病理に行くのが決定ならば、病理のことは置いておいて、臨床の場を大切にすることが大事かなぁと思ったので
残りの期間も、後々振り返って貴重な時間になるように過ごしたいです。
あまり具体的なアドバイスは書けなくてすみません。
稀な存在みたいなので、いろいろ言われることも多いと思うけど、好きならやっていけると思っています。
悩んでいる人たちの参考になればっ!嬉しいです。
忙しい中、いっぱい書いてくれてありがとうございました。
いつか”radiological-pathological correlation of・・”というような仕事を一緒にできたらいいですね!
残りの研修も頑張ってください

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