先日に引き続き、ローテーター研修医の感想です。
とても嬉しいことに、今回は2名も文章を書いてくれました。この先生も病理志望です。
特に、選択で来てくれていた期間は、フォローの出来ていなかった症例の病理を掘り起こして貰ったりして、こちらも勉強になりました。
病理医という選択に当たって
小西 舞
病理学とは、病気の原因とメカニズムを明らかにすることを目的とする学問と定義されています。
私は初期研修後、病理に進みたいと思っていますが、学生の時から病理医になりたいと決めていたわけではありません。大学3年生のときに病理学を学び、以降顕微鏡や病理像を見ることはおもしろかったのですが、医者=臨床医というイメージが強く、また、臨床医になりたいという気持ちがありました。しかし、研修中に症例検討や学会発表の機会、そして日々の診療の中で病態について考えていくことが非常に興味深く、組織を通してその患者さんに何が起こっているのかを知りたいと思うようになりました。
もし病理医になりたいと決めた上で学生実習や初期研修を行っていれば、また別の観点から学ぶことができていたかもしれません。しかし、初期研修を行って患者さんを診ることは病理に進むにあたって、患者さんはどうしてこのような病気になったのか、あるいは、患者さんの体の変化は病気がどのように影響を与えているのかということについて考える上で重要であったと考えます。放射線科を研修する時点では病理に進むと決めていたので、画像と病理像がどのように一致するのか、CTやMRIと実際に生検・摘出された標本を見比べながら学ぶことができ、また、興味深い症例に接することができて、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
患者さんたちは通常、直接病理医と接する機会はありませんが、治療方針は病理診断に基づいて立てられます。病変が良性であるか悪性であるか、悪性である場合はその悪性度、また病変の広がり(直接浸潤やリンパ節転移等)によって治療方針は大きく異なります。特に悪性腫瘍であった場合、手術、放射線治療、化学療法などの治療法が選択されますが、治療が患者さんの心身に与える影響は大きいため、“十分に必要ではあるものの過剰ではない治療”が必要となります。適切な治療を行う上で、病理診断は不可欠だと思います。病理医の診断が患者さんの治療方針に大きな影響を与えるため、チーム医療の一員として顕微鏡越しに患者さんを診ることができるようになりたいと思います。
2ヶ月間放射線科での研修中に今後のことについて考え、学ぶ機会を持つことができて良かったです。ありがとうございました。
学会発表や、論文執筆なども積極的に行っている姿はとても感心しました。僕は、研修医の頃、上級医から発表を勧められても逃げ回っていたのに。
特に、彼女が勉強していた肺胞たんぱく症に関しては、臨床や病理学的なアップデートされた知見を教えてもらいました。今後の画像診断に役立つことと思います。
2ヶ月間お疲れさまでした。また読影室に遊びに来てくださいね!そのうち一緒に仕事しましょう。
とても嬉しいことに、今回は2名も文章を書いてくれました。この先生も病理志望です。
特に、選択で来てくれていた期間は、フォローの出来ていなかった症例の病理を掘り起こして貰ったりして、こちらも勉強になりました。
病理医という選択に当たって
小西 舞
病理学とは、病気の原因とメカニズムを明らかにすることを目的とする学問と定義されています。
私は初期研修後、病理に進みたいと思っていますが、学生の時から病理医になりたいと決めていたわけではありません。大学3年生のときに病理学を学び、以降顕微鏡や病理像を見ることはおもしろかったのですが、医者=臨床医というイメージが強く、また、臨床医になりたいという気持ちがありました。しかし、研修中に症例検討や学会発表の機会、そして日々の診療の中で病態について考えていくことが非常に興味深く、組織を通してその患者さんに何が起こっているのかを知りたいと思うようになりました。
もし病理医になりたいと決めた上で学生実習や初期研修を行っていれば、また別の観点から学ぶことができていたかもしれません。しかし、初期研修を行って患者さんを診ることは病理に進むにあたって、患者さんはどうしてこのような病気になったのか、あるいは、患者さんの体の変化は病気がどのように影響を与えているのかということについて考える上で重要であったと考えます。放射線科を研修する時点では病理に進むと決めていたので、画像と病理像がどのように一致するのか、CTやMRIと実際に生検・摘出された標本を見比べながら学ぶことができ、また、興味深い症例に接することができて、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
患者さんたちは通常、直接病理医と接する機会はありませんが、治療方針は病理診断に基づいて立てられます。病変が良性であるか悪性であるか、悪性である場合はその悪性度、また病変の広がり(直接浸潤やリンパ節転移等)によって治療方針は大きく異なります。特に悪性腫瘍であった場合、手術、放射線治療、化学療法などの治療法が選択されますが、治療が患者さんの心身に与える影響は大きいため、“十分に必要ではあるものの過剰ではない治療”が必要となります。適切な治療を行う上で、病理診断は不可欠だと思います。病理医の診断が患者さんの治療方針に大きな影響を与えるため、チーム医療の一員として顕微鏡越しに患者さんを診ることができるようになりたいと思います。
2ヶ月間放射線科での研修中に今後のことについて考え、学ぶ機会を持つことができて良かったです。ありがとうございました。
学会発表や、論文執筆なども積極的に行っている姿はとても感心しました。僕は、研修医の頃、上級医から発表を勧められても逃げ回っていたのに。
特に、彼女が勉強していた肺胞たんぱく症に関しては、臨床や病理学的なアップデートされた知見を教えてもらいました。今後の画像診断に役立つことと思います。
2ヶ月間お疲れさまでした。また読影室に遊びに来てくださいね!そのうち一緒に仕事しましょう。
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