hirako先生のIMRTについての記事第2弾です。
今回は、IMRTの実際、特に前立腺癌と頭頸部癌に対する治療についてです。
IMRTという方法は、現在のところ、主に前立腺癌や頭頸部癌を中心として行われています。
前立腺のすぐ背側には、直腸という放射線に比較的弱い構造があり、前立腺癌を根治させるだけの放射線の量を当てようとすると、どうしてもある一定の確率で直腸粘膜に障害を起こすため、直腸出血のコントロールに難渋することがあります。IMRTを用いれば、直腸への線量を低下させることができ、副作用の頻度を下げることができます。また、従来法では、直腸への副作用を懸念して、前立腺そのものへの線量もある程度加減していましたが(70Gy程度)、IMRTを用いれば、直腸への副作用の可能性が低下した分、前立腺への線量を増加することができます。(80Gy程度)
頭頸部癌の場合は、咽頭部や頸部リンパ節領域の近傍に耳下腺、顎下腺といった唾液腺があり、頭頸部癌を根治させるだけの放射線の量を当てると、唾液腺障害による唾液の低下は必発です。唾液が低下すると、口の渇きを自覚するだけでなく、味覚が変わる、嚥下が困難になる、虫歯になりやすいなどの色々な症状がでてきます。IMRTを用いれば、唾液腺への線量を低下することができて、副作用の頻度が下げることができます。

次回からは、IMRTのデメリットや難しさについてもふれていきます。
IMRT関連記事 その1はこちら→
http://blog.goo.ne.jp/sagarad2007/e/d3912274b82d637eb72bd76e94fe1792
今回は、IMRTの実際、特に前立腺癌と頭頸部癌に対する治療についてです。
IMRTという方法は、現在のところ、主に前立腺癌や頭頸部癌を中心として行われています。
前立腺のすぐ背側には、直腸という放射線に比較的弱い構造があり、前立腺癌を根治させるだけの放射線の量を当てようとすると、どうしてもある一定の確率で直腸粘膜に障害を起こすため、直腸出血のコントロールに難渋することがあります。IMRTを用いれば、直腸への線量を低下させることができ、副作用の頻度を下げることができます。また、従来法では、直腸への副作用を懸念して、前立腺そのものへの線量もある程度加減していましたが(70Gy程度)、IMRTを用いれば、直腸への副作用の可能性が低下した分、前立腺への線量を増加することができます。(80Gy程度)
頭頸部癌の場合は、咽頭部や頸部リンパ節領域の近傍に耳下腺、顎下腺といった唾液腺があり、頭頸部癌を根治させるだけの放射線の量を当てると、唾液腺障害による唾液の低下は必発です。唾液が低下すると、口の渇きを自覚するだけでなく、味覚が変わる、嚥下が困難になる、虫歯になりやすいなどの色々な症状がでてきます。IMRTを用いれば、唾液腺への線量を低下することができて、副作用の頻度が下げることができます。

次回からは、IMRTのデメリットや難しさについてもふれていきます。
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