Usefulness of diffusion-weighted MR imaging in the evaluation of pulmonary lesions
Eur Radiol (2010) 20: 807-815
Haidong Liu et al.
<Abstract>
◎目的:
肺悪性腫瘍と充実性の良性病変の鑑別におけるDWIの役割を調査
◎方法:
1.5T MRIで62症例の66病変についてDWI(b=0,500s/mm2)を撮像
信号強度、ADC値を測定し、検定を行った。
◎結果:
信号強度の差はなかったが、良性病変のADC値は有意に高かった。ROC解析では、ADC値の閾値を1.400×10-3mm2/sとすると感度83.3%、特異度74.1%となった。小細胞癌と非小細胞癌でも差があり、前者が有意に低値を示した。
◎結論:
肺結節の鑑別診断において、DWIは有用である。
<本文>
◎方法
・患者群 62症例 66結節
充実性の腫瘤で、含気のある領域を持たない
病理学的、あるいは臨床データから組織が確定された結節
最小径は1.4cm
MRIの禁忌なし
・MRI:GE製1.5T Twin-Speed Infinity with ExciteⅡ
8チャンネル Body phased-array coil
T1WI(fast SPGR),呼吸同期T2WI
DWI:シングルショットEPI、ASSET併用(R factor=2)、b値0,500、read, phase, section方向に印加 TR/TE=4000/48.9, FOV=36cm, matrix=128x128, thickness=6mm, gap=1mm
・画像評価
2名の放射線科医の合議
DWIの信号強度(骨格筋と比べ、hypo, moderate, high intensity)を視覚評価
ADC maps(AW4.0で作成)
○ROI:
円形、あるいは楕円形のROI
病変の充実部分に置き、壊死領域は除く。壊死領域がないようならば、病変の中心部にできるだけ大きなサイズで置く。
3回施行し、平均のADC値を得る。
・統計解析:
SPSS ver.13.0を使用
DWIでの信号強度と良悪性の比較:Pearson’s chi-square test
平均ADC値と良悪性の比較、SCLCとNSCLC、NSCLCと良性病変:independent samples t test
良悪性の鑑別におけるADC値の診断能:ROC解析
P<0.05を有意差とする
◎結果
・DWIの信号強度についてTable.2:
悪性病変は骨格筋と比較して高い信号強度を呈する。Fig.2cには無気肺+肺癌のMRIあり
・ADC値の良悪性の比較:
良性1.648±0.416×10-3mm2/s
悪性1.256±0.320×10-3mm2/s 前者が有意に高値を示す(t=-3.637, p=0.001)
ADC値の閾値を1.400×10-3mm2/sとすると、感度83.3%、特異度74.1%
・ADC値とSCLC(9例), NSCLC(35例)の比較:
SCLCは1.064±0.196×10-3mm2/s
NSCLCは1.321±0.335×10-3mm2/s 有意差がある(t=2.967, p=0.007)
NSCLCは良性病変より有意にADC値が低い(t=-2.744, p=0.009)
◎考察:
・撮像法について:自由呼吸撮像は、息止めと比較してSNRが高い(13)
・DWI診断の定性的な評価:(11)、(15)
・無気肺と肺門部肺癌の分離:(10)
・ADC値の測定による定量的な評価:細胞内腔と細胞外腔の比率(16)、細胞密度の増加による細胞外腔の低下(17)、細胞内の細胞骨格、小器官、可溶性の大分子などが影響する(18)
・ADC値を測定することは、良悪性の鑑別、NSCLC, SCLCの鑑別に有用かもしれない。
○limitation:
・肺領域での磁化率アーチファクト
・EPI法に基づくアーチファクト、巨視的な動きによる画像の歪み
→今回の撮像では、診断の妨げになるほどではなかった
・良性病変の数が少なく、病理診断ができていない
Eur Radiol (2010) 20: 807-815
Haidong Liu et al.
<Abstract>
◎目的:
肺悪性腫瘍と充実性の良性病変の鑑別におけるDWIの役割を調査
◎方法:
1.5T MRIで62症例の66病変についてDWI(b=0,500s/mm2)を撮像
信号強度、ADC値を測定し、検定を行った。
◎結果:
信号強度の差はなかったが、良性病変のADC値は有意に高かった。ROC解析では、ADC値の閾値を1.400×10-3mm2/sとすると感度83.3%、特異度74.1%となった。小細胞癌と非小細胞癌でも差があり、前者が有意に低値を示した。
◎結論:
肺結節の鑑別診断において、DWIは有用である。
<本文>
◎方法
・患者群 62症例 66結節
充実性の腫瘤で、含気のある領域を持たない
病理学的、あるいは臨床データから組織が確定された結節
最小径は1.4cm
MRIの禁忌なし
・MRI:GE製1.5T Twin-Speed Infinity with ExciteⅡ
8チャンネル Body phased-array coil
T1WI(fast SPGR),呼吸同期T2WI
DWI:シングルショットEPI、ASSET併用(R factor=2)、b値0,500、read, phase, section方向に印加 TR/TE=4000/48.9, FOV=36cm, matrix=128x128, thickness=6mm, gap=1mm
・画像評価
2名の放射線科医の合議
DWIの信号強度(骨格筋と比べ、hypo, moderate, high intensity)を視覚評価
ADC maps(AW4.0で作成)
○ROI:
円形、あるいは楕円形のROI
病変の充実部分に置き、壊死領域は除く。壊死領域がないようならば、病変の中心部にできるだけ大きなサイズで置く。
3回施行し、平均のADC値を得る。
・統計解析:
SPSS ver.13.0を使用
DWIでの信号強度と良悪性の比較:Pearson’s chi-square test
平均ADC値と良悪性の比較、SCLCとNSCLC、NSCLCと良性病変:independent samples t test
良悪性の鑑別におけるADC値の診断能:ROC解析
P<0.05を有意差とする
◎結果
・DWIの信号強度についてTable.2:
悪性病変は骨格筋と比較して高い信号強度を呈する。Fig.2cには無気肺+肺癌のMRIあり
・ADC値の良悪性の比較:
良性1.648±0.416×10-3mm2/s
悪性1.256±0.320×10-3mm2/s 前者が有意に高値を示す(t=-3.637, p=0.001)
ADC値の閾値を1.400×10-3mm2/sとすると、感度83.3%、特異度74.1%
・ADC値とSCLC(9例), NSCLC(35例)の比較:
SCLCは1.064±0.196×10-3mm2/s
NSCLCは1.321±0.335×10-3mm2/s 有意差がある(t=2.967, p=0.007)
NSCLCは良性病変より有意にADC値が低い(t=-2.744, p=0.009)
◎考察:
・撮像法について:自由呼吸撮像は、息止めと比較してSNRが高い(13)
・DWI診断の定性的な評価:(11)、(15)
・無気肺と肺門部肺癌の分離:(10)
・ADC値の測定による定量的な評価:細胞内腔と細胞外腔の比率(16)、細胞密度の増加による細胞外腔の低下(17)、細胞内の細胞骨格、小器官、可溶性の大分子などが影響する(18)
・ADC値を測定することは、良悪性の鑑別、NSCLC, SCLCの鑑別に有用かもしれない。
○limitation:
・肺領域での磁化率アーチファクト
・EPI法に基づくアーチファクト、巨視的な動きによる画像の歪み
→今回の撮像では、診断の妨げになるほどではなかった
・良性病変の数が少なく、病理診断ができていない
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