とはずがたり

論文の紹介や日々感じたことをつづります

THAのアプローチは前方が・・

2020-03-18 08:11:01 | 整形外科・手術
人工股関節全置換術のアプローチについては色々な比較が行われていますが、この後方視的研究では背景をマッチさせた症例群で前方(2993例) vs 側方(2326例)or
後方アプローチ(66例)で合併症を比較しています。結果としては前方アプローチの方が在院日数は少なかったものの、外科治療が必要な深部感染、脱臼(!)、再置換が多かったということです。前方アプローチ大好きな外科医もたくさんいますので色々と文句もあるかと思いますが、やはりラーニングカーブの問題はありそうです。特に脱臼が多いというのはコンポーネントの設置位置不良が疑われますので、経験豊富な外科医であればそのようなことはないでしょう。日本のようにある程度しっかりとトレーニングを積んだ外科医が行えば、前方アプローチの方が脱臼が少なく成績も良好なのではないかと思います。でもこの論文に反論するためにはそれをしっかりとしたスタディで証明しなければいけないでしょうね。
Association Between Surgical Approach and Major Surgical Complications in Patients Undergoing Total Hip Arthroplasty
JAMA. 2020;323(11):1070-1076.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2762906