新型コロナウイルスに感染したミンクを殺す、殺さないというニュースに注目していますが、デンマークには人間の約3倍のミンクがいるそうですね。デンマークにおけるミンク感染の広がりは中々止めることができず、6月以来200以上の農場で感染が確認されたそうです。問題になっているのはミンクの中でSARS-CoV-2が変異していることで、これまでにヒトで確認されたウイルスのうち300の変異体がミンク由来であると考えられています。特にCluster-5と呼ばれている変異体は感染に重要なSpikeタンパクに3つのアミノ酸変異と2つの欠損を有するもので、この変異型ウイルスは抗体やワクチンに対する反応性が低い可能性が指摘されています。またY453Fという変異体はデンマークではヒトにも広がっていますが、市販のモノクローナル抗体に反応せず、したがって抗原検査が偽陰性になってしまうという問題があります。事ここに及んでデンマークでは1700万頭のミンクの殺傷処分が検討されているのですが、これまでミンクで見つかった変異体が必ずしも高い感染性や強毒性を示さないこともあり、大きな議論を呼んでいます。最後に筆者らは他の動物でもこのような例があるのではないかとしています。
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