ヒトが2足歩行を行うにあたって、様々な解剖学的な変化が下肢に生じましたが、その変化の一つが中足骨MTPJ関節面の背屈による足趾のMTP関節の背屈です。歩行時にはMTPJがさらに背屈することで巻き上げ作用(windlass mechanism)によって足底腱膜の緊張を高め、足底アーチを保つのに役立つとされています。靴の先端が反っている(toe spring)はそのような足の動きをアシストし、歩行やランニングを楽にすると考えられています。この論文で著者らは様々な角度(10度~40度)のtoe springを有するサンダルを用いて、靴の背屈角度は足底腱膜の緊張にあまり影響しないが、toe springの角度が大きくなると歩行時に足部が必要とする仕事量が減少し、負担が減る可能性を示しています。一方これによって内在筋にかかる負荷が減少し、内在筋が萎縮することで足底腱膜への負担が増加し、足底腱膜炎の発症につながる可能性があるとしています。靴のデザインも奥が深いです。
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