回復期患者血漿(convalescent plasma)については、JAMA誌に中国から否定的なRCTの結果が報告されましたが、(https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2766943)、今週のNEJM誌にも重症のCovid-19肺炎の入院中の成人患者についてのランダム化比較試験において、臨床的有効性や30日後までの死亡の抑制効果がないことが報告されました。中和抗体の存在が確認されているのですからウイルス増殖に対する有効性はありそうなものですが、抗体の種類によってはインターフェロン作用を抑制して、かえって予後を悪くする可能性もあることが報告されていますので (https://science.sciencemag.org/content/370/6515/eabd4585 )、やはり抗体を用いるのであれば、このような絨毯爆撃的なものではなく、標的を絞ったモノクローナル抗体などを使用すべきだと思います。
Simonovich et al., A Randomized Trial of Convalescent Plasma in Covid-19 Severe Pneumonia. N Engl J Med. 2020 Nov 24. doi:10.1056/NEJMoa2031304.
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