とはずがたり

論文の紹介や日々感じたことをつづります

足底胼胝と皮膚感覚

2020-03-13 18:34:32 | 整形外科・手術
足底部にできる胼胝(タコ)は皮膚の高摩擦部位におけるkeratinocyte hyperproliferationによって生じる生体反応であり、皮膚を保護するのに役立つ。著者らは胼胝部位では皮膚が肥厚しているにもかかわらず皮膚感覚には鈍化がみられないことを明らかにした。これは足底部の皮膚感覚がバランスをとったり、歩いたりするのに重要であり、胼胝ができてもそのような感覚を失わないような仕組みがある(trade-offがない)ものと考えられる。一方で靴などのfootwearを履くことによって胼胝部位の皮膚厚は減少するが、足底部の感覚は鈍くなる(trade-offがある)ことを考えると、我々ははだしの生活を選択肢として考えても良いのかもしれない。 
シンプルで興味深い論文です。時々Natureはこの類の論文を掲載します。 
Nature. 2019 Jul;571(7764):261-264. doi: 10.1038/s41586-019-1345-6. Epub 2019 Jun 26.
Foot callus thickness does not trade off protection for tactile sensitivity during walking.


最新の画像もっと見る

コメントを投稿