MedScapeでも紹介されていましたので、読んだ方も多いかと思います。デノスマブ(Dmab)投与中断後に急速な骨代謝マーカー上昇および骨密度低下が生じ、多発椎体骨折を生じる患者がいることが知られており、中断後にはビスホスホネート投与が推奨されていますが、その有効性について最近いくつかのグループから報告がなされています(Reid 2017; Lehman 2017; Horne 2018; Everts-Graber 2020; Anastasilakis 2019)が、骨密度維持効果や投与のタイミングなどについて、必ずしも一定した見解は示せていません。この論文は、59名のDmab中断患者を中断6カ月後(6M group)、9カ月後(9M group)、骨代謝マーカー上昇時(OBS group)にゾレドロン酸(ZOL)投与群にランダムに割り付け、投与後12カ月までの骨密度の変化などを検討したものです。
(結果)ZOL投与から6カ月後の腰椎骨密度の減少は、6M, 9M, OBS groupそれぞれで2.1 ± 0.9% (mean ± SEM), 4.3 ± 1.1%, 3.0 ± 1.1%、12カ月後は4.8 ± 0.7%, 4.1 ± 1.1%, 4.7 ± 1.2% であり、各群とも有意に減少しており、群間の有意差はありませんでした。ZOL投与後6カ月目の大腿骨頚部の骨密度低下は6M groupで有意に少なかったものの(1.3% vs 4.2% vs 2.7%)、12カ月後には群間差はなくなりました(3.0% vs 4.5% vs 4.6%)。骨代謝マーカーについては6 M groupでp-cross-linked C-terminal telopeptide (p‐CTX)が投与1カ月後に低下した以外はいずれのグループも骨形成・骨吸収マーカーともに急速な上昇が見られました。骨折は4例に見られ、それぞれ上腕骨骨折(高エネルギー外傷, 6M group, ZOL投与9カ月後)、肋骨骨折(低エネルギー外傷, OBS group ZOL投与10カ月後)、臨床L1骨折(低エネルギー骨折, 9M group, ZOL投与9カ月時)、臨床 L1骨折(低エネルギー骨折, 9M group, ZOL投与9カ月時)でした。以上の結果から、Dmab中断後のZOL投与では十分な骨密度低下抑制作用は期待できないと結論しています。
(結果)ZOL投与から6カ月後の腰椎骨密度の減少は、6M, 9M, OBS groupそれぞれで2.1 ± 0.9% (mean ± SEM), 4.3 ± 1.1%, 3.0 ± 1.1%、12カ月後は4.8 ± 0.7%, 4.1 ± 1.1%, 4.7 ± 1.2% であり、各群とも有意に減少しており、群間の有意差はありませんでした。ZOL投与後6カ月目の大腿骨頚部の骨密度低下は6M groupで有意に少なかったものの(1.3% vs 4.2% vs 2.7%)、12カ月後には群間差はなくなりました(3.0% vs 4.5% vs 4.6%)。骨代謝マーカーについては6 M groupでp-cross-linked C-terminal telopeptide (p‐CTX)が投与1カ月後に低下した以外はいずれのグループも骨形成・骨吸収マーカーともに急速な上昇が見られました。骨折は4例に見られ、それぞれ上腕骨骨折(高エネルギー外傷, 6M group, ZOL投与9カ月後)、肋骨骨折(低エネルギー外傷, OBS group ZOL投与10カ月後)、臨床L1骨折(低エネルギー骨折, 9M group, ZOL投与9カ月時)、臨床 L1骨折(低エネルギー骨折, 9M group, ZOL投与9カ月時)でした。以上の結果から、Dmab中断後のZOL投与では十分な骨密度低下抑制作用は期待できないと結論しています。
Anne Sophie Sølling et al., Treatment with zoledronate subsequent to denosumab in osteoporosis: a randomized trial. J Bone Miner Res. 2020 May 27. doi: 10.1002/jbmr.4098.
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