性行為などの漫画規制、都条例が成立(読売新聞) - goo ニュース
15日、可決されたとのことで、ちょっと目の前が暗くなりました。。
6月に否決されたにも拘らず、改案が提出され、急浮上したこの条例。
背景を知ったり、条例文をよく読むと違和感を覚えること間違いなしなのですが、
報道などを見る限り、その辺りの詳細は全く報道されず、
ただただ額面通りの捉え方しかされてないのだなーと、悲しくなりました。
しかも「一見しただけでは問題点が分からない」というカラクリ。
“民主主義”は形だけか、とこの国の裏側を垣間見たような気がしました。
詳細はコチラのサイトが詳しいのですが、
私の頭を整理するためにも、色々と調べた情報・問題点を自分なりにまとめてみたいと思います。
もしどこか間違いなどがありましたら、指摘をお願いします。。
1.そもそもの発端と前案の経緯
元々は児童ポルノの撲滅から端を発したこの条例。
これはもちろん、実際に“被害者”となる子供のいる<実写>に焦点を当てたものです。
しかし、これを「東京都青少年健全育成条例」と絡め、
「青少年に悪影響を及ぼすと考えられる不健全図書の販売を規制する」という名目で、
「18歳未満もしくは18歳未満に見える“非実在青少年”との性行為等」を含んだ作品が
規制対象にされました。
この条例案の提出が今年の2月。
しかし、6月に「非実在青少年の定義が曖昧」とのことで否決となりました。
2.早急過ぎる採決
否決後、改訂を加えて再提出されたのが、今回可決した「青少年健全育成条例の改正案」。
前回の“非実在青少年”の単語は消去され、
「漫画、アニメなどの画像(実写を除く)」の中で
「露骨な性描写、強姦等を不当に賛美・誇張するような表現のある作品」を規制する、
といった内容に変更されました。
中身の問題点は後ほど語るとして、ここで言いたいのは時間。
当然、漫画やアニメが規制対象となるのですから、出版社やアニメ制作会社などへの
改案の説明、話し合いの場が必要となるはずです。
しかし、東京都が改案の内容を発表したのは11月末。そして採決は12月15日。
わずか3週間の間に充分な議論が出来るかどうか、というのは想像に容易いと思います。
(そもそも、議論の場もほぼ無いに等しかったわけですが)
3.民主主義??
改案を作成~提出するまでの間、東京都は都内のPTAや地域団体などに向けて
問題のありそうな漫画を持参して説明会をおこなったそうです。
そこで改案に「賛成する」と集まった票は約4万票。
一方、改案の動きを察知した反対派も署名運動を開始。集まった票は約15万票。
これを都議会へ提出しましたが、全く無視され、改案は議会提出へ。
提出された後も、否決を願う陳情書や手紙、メールを送る運動が盛んにおこなわれましたが、
それにも関わらず、法案は成立しました(私も陳情書を送らせて貰いました)。
「声なき(規制賛成の)多数派へ配慮した」との報道もありましたが、
「声をあげた反対者」の意見は丸無視…?
そもそも「声を上げてない」のに「賛成派の方が多い」とどうして分かる…?
また、PTAなどへの説明会はおこなっているのに、なぜ出版社や漫画家、制作会社への
説明会や議論の席は設けなかったのか…?
4.内容の曖昧さ、不可思議さ
改案はされているものの、依然として曖昧さが目立ちます。
「不当に賛美・誇張する」とは具体的にどんなものか?
作品の可否は諮問機関にて判断するらしいが、「性描写が○ページ以上」などの
明確な判断基準が設けられるのか?いつ設けるのか?
「刑罰法に触れるもの」との記述もあるが、刑罰法規が改訂された場合は
既にOKが出て出版・放送された原稿・脚本を書き直さないと重版・再放送できないのか?
そもそもそれは「漫画やアニメの中の人々も現実の法令を守れ」と遠回しに言ってるわけで、
改案前の「非実在青少年」と変わらないのでは?
『源氏物語』や歴史上の人物の伝記を漫画・アニメ化した場合、
条例に引っかかるものも出てくるのではないか?
性的虐待などの被害からの立ち直りなどを題材としたものでも規制対象になるのか?
(実際に図書館で読んだことあり。“不当に賛美”はしていないと思われるが、
5~6ケースがオムニバス形式で描かれていたため、描写は多かった)
不可思議な点も続々。
なぜ規制対象が「漫画・アニメ」に限定されていて「実写を含まない」のか?
6月否決された案では小説も含まれていたが、除外した理由は?
(小説などの文章は「想像で読むものなので解釈はひとつではない」が、
漫画やアニメなどの画像は「解釈がひとつしかない」ため、という説明があったらしいが…。
思わず、んなわけあるかい!!とツッコミ入れました。。。)
5.今後の懸念
ここが一番なんですけど、今回の改案は「性描写」に限定され、可決されたわけです。
性というのは一種タブー視されている面もあるので、可決に持っていきやすかったのではないかと。
(冒頭で「額面どおりに~」と言ったのはこのことです)
しかし、そもそもの目的は「青少年健全育成」であるわけで、
そして今回「○○は健全育成に不適当だから規制する」という“前例”を作ってしまった、
という見方もできます。
すると、これをキッカケに今後、様々な方面に拡大する恐れもあるのではないでしょうか。
例えば「暴力的だから~」→戦争や他人との対戦(バトル)を扱ったものの規制。
「犯罪を賛美しているから~」→怪盗もの、任侠もの、犯罪者が主人公のものなどの規制。
などなど、どこまでも拡大されていく危険性を懸念しています。
もちろん、漫画・アニメのみならず、実写、小説、TV番組、音楽などに範囲を広げていく危険性も
忘れてはいけないと感じます。
声を大にして言いたいのが、反対している人たちは
「過激な性描写の入った漫画・アニメが野放しになってもいい」と考えているわけではないということです。
何か報道を見てると、そんな印象を持たれているような気がしてならない。。。
今回の改案では「青少年への販売の規制」となっていますが、
実際問題として「不健全図書」に設定されたものは「成人指定」となってしまうわけです。
この「不健全図書」は取り扱わない書店も多く、従って販売数も大幅に減少します。
となると、販売側は規制に引っかからないような作品作りをするしかないわけで、
これが結果的に“表現の自由”を侵害する行為ではないのか、というのが反対派の主張です。
そして、今でこそ「性描写」だけが規制範囲ですが、これが拡大していく危険性がある以上、
そんな条例は認められません、と言いたいわけです。
ただし、事実 過激な描写を含む漫画が一般図書として売られている現実もあります。そこは否定はしません。
でもそれを“表現の自由の侵害”で阻止しようとするのではなく、
出版社への注意喚起、ゾーニングの徹底や販売対象年齢(R18、R15、R12など)の明確化などで
解決できるのではないかなあと感じます
もちろん問題点も沢山ありますから、
(コンビニや個人書店などは敷地面積が狭くて充分なゾーニングができないことなど)
その問題点の洗い出しと解決策を話し合うことが大事だと考えます。
そしてそれは、現行の法案でも可能だったこと。
それをやった上で「どうしても改善しない!次は販売規制だ!」という順番ならまだ分かるのですが、
いきなり「販売を規制する!」では順番がめちゃくちゃです。
また、「不健全な漫画やアニメを見ているから犯罪が増える」という主張の科学的根拠は
どこにも無いですしね。。。
(現に犯罪件数は減少しているとのこと)
そもそも、何をもってして「健全」なのか、その言葉自体も曖昧なのが気になります。。
条例の中に「健全」の定義ってされてるんでしょうか…?
「有害な情報」から隔離されて育てられた子供が「健全」なのか?
セクシャルマイノリティーを扱った漫画も今回の規制対象に入ると思いますが、
現実にマイノリティーにカテゴライズされる方々は私たちの周りにも居る訳で。
なので、一緒に生きていく以上、お互いをある程度理解することも必要だと考えます。
その取っ掛かりとして、マイノリティーを取り上げた漫画・アニメってとても良い教材だと思うのですが。
私も“GID”や“IS”が何かということを知ったのは、これらを題材にした漫画を読んだことからですし。
私が思う「健全」の中のひとつに、
「他者との違いを知り、理解して、共存することができる」ことがあります。
先日、都知事は公の場でマイノリティーの方々に対する差別的ともとれる発言をされたようですが、
そういうことを臆面もなく口にできる方が、何を持ってして「子供の健全育成」を唱えられるのか。
(個人的にどう思うか、というのは自由だと思う。でも都民の代表が公の場で口にすることではない)
とても疑問に思います。
先日、久しぶりに『バトルロワイヤル』を読み返しました。
数年前に話題になった“中学生のクラスメイト同士が殺し合いをする”小説です。
こういう短いあらすじだけ書くとけしからん小説のように思われそうですが、
実際にはその向こう側に色んな感情を読み解くことができる作品だと思います。
なので、私は結構好きな小説なんですけど。
そして、この小説は「太平洋戦争に勝った日本」という時代設定があり、
総統がいて、言論など色々なことに規制がある世界になっています。
登場キャラクターがギターを持つ場面もあるんですが、
「ロックは退廃音楽」なので「弾いてはいけない」のだとか。
ちょっと今回の改案を思い出して、もしかしてこの先規制が進んで
将来こんな世界になってしまうのかなぁ…と思ったり。。
ただ、可決されてしまったとはいえ、まだまだ希望は捨ててはいません。
大手出版会社は改案に強い反対姿勢を示しているようですし。
また、ツイッターを見ていると改案に反対する漫画家さんから
「ふるさと納税の推進」が提案されているようです。
東京都以外の都道府県に納税しようという、簡単だけど都へのダメージは大きいというこの案(笑)
すごいなぁ。。。
まずは知ること。
そして行動すること。
私は漫画が好きなので、それに関わるものは守りたいと思っています。
否決して欲しいという陳情書も都議会議員さん宛に送らせていただきました。
めちゃめちゃ真剣に書いたものだから、腱鞘炎になるかと思ったよ…(爆)
本来なら採決前にここでもこうやって改案の問題点とか書ければよかったのですがね。。すみません。
充分議論されて結論が出されたものならまだしも、こんなものは納得できない。
今後の動向にも注目していきたいと思います。
しかし、採決前は海○蔵一色だったワイドショーやニュースも、
可決されたらいきなり取り上げるようになりましたね。。。
何か変な裏工作があったのかと勘ぐってしまう(-_-;)
なお、今回の一連の流れは条例の「改正」と言われていますが、
どこが「改“正”」かという個人的見解から
表記を「改案」で統一させていただきました。
この記事を書くにあたって参考にさせていただいたHP、記事は以下のとおり。
とても勉強になるので、興味のある方は見てみてください。
※一部、mixiアカウントが無いと読めないものがあります。
<東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト>
<3分でわかる、都条例の改正案(漫画規制)の3月→11月の比較資料>
<<都青少年条例>民主「世論」に配慮 出版業界、根強い反発>
<不安を抑えて都条例の現状とこれからを考えてみました>
<各地で反対声明や意見表明が勃発!東京都青少年健全育成条例改正案についての各種コメント>
15日、可決されたとのことで、ちょっと目の前が暗くなりました。。
6月に否決されたにも拘らず、改案が提出され、急浮上したこの条例。
背景を知ったり、条例文をよく読むと違和感を覚えること間違いなしなのですが、
報道などを見る限り、その辺りの詳細は全く報道されず、
ただただ額面通りの捉え方しかされてないのだなーと、悲しくなりました。
しかも「一見しただけでは問題点が分からない」というカラクリ。
“民主主義”は形だけか、とこの国の裏側を垣間見たような気がしました。
詳細はコチラのサイトが詳しいのですが、
私の頭を整理するためにも、色々と調べた情報・問題点を自分なりにまとめてみたいと思います。
もしどこか間違いなどがありましたら、指摘をお願いします。。
1.そもそもの発端と前案の経緯
元々は児童ポルノの撲滅から端を発したこの条例。
これはもちろん、実際に“被害者”となる子供のいる<実写>に焦点を当てたものです。
しかし、これを「東京都青少年健全育成条例」と絡め、
「青少年に悪影響を及ぼすと考えられる不健全図書の販売を規制する」という名目で、
「18歳未満もしくは18歳未満に見える“非実在青少年”との性行為等」を含んだ作品が
規制対象にされました。
この条例案の提出が今年の2月。
しかし、6月に「非実在青少年の定義が曖昧」とのことで否決となりました。
2.早急過ぎる採決
否決後、改訂を加えて再提出されたのが、今回可決した「青少年健全育成条例の改正案」。
前回の“非実在青少年”の単語は消去され、
「漫画、アニメなどの画像(実写を除く)」の中で
「露骨な性描写、強姦等を不当に賛美・誇張するような表現のある作品」を規制する、
といった内容に変更されました。
中身の問題点は後ほど語るとして、ここで言いたいのは時間。
当然、漫画やアニメが規制対象となるのですから、出版社やアニメ制作会社などへの
改案の説明、話し合いの場が必要となるはずです。
しかし、東京都が改案の内容を発表したのは11月末。そして採決は12月15日。
わずか3週間の間に充分な議論が出来るかどうか、というのは想像に容易いと思います。
(そもそも、議論の場もほぼ無いに等しかったわけですが)
3.民主主義??
改案を作成~提出するまでの間、東京都は都内のPTAや地域団体などに向けて
問題のありそうな漫画を持参して説明会をおこなったそうです。
そこで改案に「賛成する」と集まった票は約4万票。
一方、改案の動きを察知した反対派も署名運動を開始。集まった票は約15万票。
これを都議会へ提出しましたが、全く無視され、改案は議会提出へ。
提出された後も、否決を願う陳情書や手紙、メールを送る運動が盛んにおこなわれましたが、
それにも関わらず、法案は成立しました(私も陳情書を送らせて貰いました)。
「声なき(規制賛成の)多数派へ配慮した」との報道もありましたが、
「声をあげた反対者」の意見は丸無視…?
そもそも「声を上げてない」のに「賛成派の方が多い」とどうして分かる…?
また、PTAなどへの説明会はおこなっているのに、なぜ出版社や漫画家、制作会社への
説明会や議論の席は設けなかったのか…?
4.内容の曖昧さ、不可思議さ
改案はされているものの、依然として曖昧さが目立ちます。
「不当に賛美・誇張する」とは具体的にどんなものか?
作品の可否は諮問機関にて判断するらしいが、「性描写が○ページ以上」などの
明確な判断基準が設けられるのか?いつ設けるのか?
「刑罰法に触れるもの」との記述もあるが、刑罰法規が改訂された場合は
既にOKが出て出版・放送された原稿・脚本を書き直さないと重版・再放送できないのか?
そもそもそれは「漫画やアニメの中の人々も現実の法令を守れ」と遠回しに言ってるわけで、
改案前の「非実在青少年」と変わらないのでは?
『源氏物語』や歴史上の人物の伝記を漫画・アニメ化した場合、
条例に引っかかるものも出てくるのではないか?
性的虐待などの被害からの立ち直りなどを題材としたものでも規制対象になるのか?
(実際に図書館で読んだことあり。“不当に賛美”はしていないと思われるが、
5~6ケースがオムニバス形式で描かれていたため、描写は多かった)
不可思議な点も続々。
なぜ規制対象が「漫画・アニメ」に限定されていて「実写を含まない」のか?
6月否決された案では小説も含まれていたが、除外した理由は?
(小説などの文章は「想像で読むものなので解釈はひとつではない」が、
漫画やアニメなどの画像は「解釈がひとつしかない」ため、という説明があったらしいが…。
思わず、んなわけあるかい!!とツッコミ入れました。。。)
5.今後の懸念
ここが一番なんですけど、今回の改案は「性描写」に限定され、可決されたわけです。
性というのは一種タブー視されている面もあるので、可決に持っていきやすかったのではないかと。
(冒頭で「額面どおりに~」と言ったのはこのことです)
しかし、そもそもの目的は「青少年健全育成」であるわけで、
そして今回「○○は健全育成に不適当だから規制する」という“前例”を作ってしまった、
という見方もできます。
すると、これをキッカケに今後、様々な方面に拡大する恐れもあるのではないでしょうか。
例えば「暴力的だから~」→戦争や他人との対戦(バトル)を扱ったものの規制。
「犯罪を賛美しているから~」→怪盗もの、任侠もの、犯罪者が主人公のものなどの規制。
などなど、どこまでも拡大されていく危険性を懸念しています。
もちろん、漫画・アニメのみならず、実写、小説、TV番組、音楽などに範囲を広げていく危険性も
忘れてはいけないと感じます。
声を大にして言いたいのが、反対している人たちは
「過激な性描写の入った漫画・アニメが野放しになってもいい」と考えているわけではないということです。
何か報道を見てると、そんな印象を持たれているような気がしてならない。。。
今回の改案では「青少年への販売の規制」となっていますが、
実際問題として「不健全図書」に設定されたものは「成人指定」となってしまうわけです。
この「不健全図書」は取り扱わない書店も多く、従って販売数も大幅に減少します。
となると、販売側は規制に引っかからないような作品作りをするしかないわけで、
これが結果的に“表現の自由”を侵害する行為ではないのか、というのが反対派の主張です。
そして、今でこそ「性描写」だけが規制範囲ですが、これが拡大していく危険性がある以上、
そんな条例は認められません、と言いたいわけです。
ただし、事実 過激な描写を含む漫画が一般図書として売られている現実もあります。そこは否定はしません。
でもそれを“表現の自由の侵害”で阻止しようとするのではなく、
出版社への注意喚起、ゾーニングの徹底や販売対象年齢(R18、R15、R12など)の明確化などで
解決できるのではないかなあと感じます
もちろん問題点も沢山ありますから、
(コンビニや個人書店などは敷地面積が狭くて充分なゾーニングができないことなど)
その問題点の洗い出しと解決策を話し合うことが大事だと考えます。
そしてそれは、現行の法案でも可能だったこと。
それをやった上で「どうしても改善しない!次は販売規制だ!」という順番ならまだ分かるのですが、
いきなり「販売を規制する!」では順番がめちゃくちゃです。
また、「不健全な漫画やアニメを見ているから犯罪が増える」という主張の科学的根拠は
どこにも無いですしね。。。
(現に犯罪件数は減少しているとのこと)
そもそも、何をもってして「健全」なのか、その言葉自体も曖昧なのが気になります。。
条例の中に「健全」の定義ってされてるんでしょうか…?
「有害な情報」から隔離されて育てられた子供が「健全」なのか?
セクシャルマイノリティーを扱った漫画も今回の規制対象に入ると思いますが、
現実にマイノリティーにカテゴライズされる方々は私たちの周りにも居る訳で。
なので、一緒に生きていく以上、お互いをある程度理解することも必要だと考えます。
その取っ掛かりとして、マイノリティーを取り上げた漫画・アニメってとても良い教材だと思うのですが。
私も“GID”や“IS”が何かということを知ったのは、これらを題材にした漫画を読んだことからですし。
私が思う「健全」の中のひとつに、
「他者との違いを知り、理解して、共存することができる」ことがあります。
先日、都知事は公の場でマイノリティーの方々に対する差別的ともとれる発言をされたようですが、
そういうことを臆面もなく口にできる方が、何を持ってして「子供の健全育成」を唱えられるのか。
(個人的にどう思うか、というのは自由だと思う。でも都民の代表が公の場で口にすることではない)
とても疑問に思います。
先日、久しぶりに『バトルロワイヤル』を読み返しました。
数年前に話題になった“中学生のクラスメイト同士が殺し合いをする”小説です。
こういう短いあらすじだけ書くとけしからん小説のように思われそうですが、
実際にはその向こう側に色んな感情を読み解くことができる作品だと思います。
なので、私は結構好きな小説なんですけど。
そして、この小説は「太平洋戦争に勝った日本」という時代設定があり、
総統がいて、言論など色々なことに規制がある世界になっています。
登場キャラクターがギターを持つ場面もあるんですが、
「ロックは退廃音楽」なので「弾いてはいけない」のだとか。
ちょっと今回の改案を思い出して、もしかしてこの先規制が進んで
将来こんな世界になってしまうのかなぁ…と思ったり。。
ただ、可決されてしまったとはいえ、まだまだ希望は捨ててはいません。
大手出版会社は改案に強い反対姿勢を示しているようですし。
また、ツイッターを見ていると改案に反対する漫画家さんから
「ふるさと納税の推進」が提案されているようです。
東京都以外の都道府県に納税しようという、簡単だけど都へのダメージは大きいというこの案(笑)
すごいなぁ。。。
まずは知ること。
そして行動すること。
私は漫画が好きなので、それに関わるものは守りたいと思っています。
否決して欲しいという陳情書も都議会議員さん宛に送らせていただきました。
めちゃめちゃ真剣に書いたものだから、腱鞘炎になるかと思ったよ…(爆)
本来なら採決前にここでもこうやって改案の問題点とか書ければよかったのですがね。。すみません。
充分議論されて結論が出されたものならまだしも、こんなものは納得できない。
今後の動向にも注目していきたいと思います。
しかし、採決前は海○蔵一色だったワイドショーやニュースも、
可決されたらいきなり取り上げるようになりましたね。。。
何か変な裏工作があったのかと勘ぐってしまう(-_-;)
なお、今回の一連の流れは条例の「改正」と言われていますが、
どこが「改“正”」かという個人的見解から
表記を「改案」で統一させていただきました。
この記事を書くにあたって参考にさせていただいたHP、記事は以下のとおり。
とても勉強になるので、興味のある方は見てみてください。
※一部、mixiアカウントが無いと読めないものがあります。
<東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト>
<3分でわかる、都条例の改正案(漫画規制)の3月→11月の比較資料>
<<都青少年条例>民主「世論」に配慮 出版業界、根強い反発>
<不安を抑えて都条例の現状とこれからを考えてみました>
<各地で反対声明や意見表明が勃発!東京都青少年健全育成条例改正案についての各種コメント>
表現者なら分かっていたはずなのに何が悲しいか…成人漫画家ではなく少年漫画家の中堅がエロがないと漫画が書けないと公の場で当たり前なように言うレベルの低さに呆れた。
こんな表現者達を見たのは始めてだったし衝撃的だった。
同じ表現規制について思うが都の規制は騒ぐのにAppleの表現規制での漫画家の発言…Appleだから良いだとか意味不明な事を言う、編集者もAppleの事になると口ごもる。
同じ規制なのに片方は騒ぎ片方は見ようとしない。
ツイッター上で一部のファンがその事を質問しても無視をする編集者と漫画家…何が圧力でもあるのだろうか?
結局、表現者の表現規制の選択と言う新しい時代なんでしょうな…。
>少年漫画家の中堅がエロがないと漫画が書けないと公の場で当たり前なように言うレベルの低さに呆れた。
ソースが分からないため、何とも申し上げにくいのですが、
ツイッターでの発言か何かでしょうか?
私も何人か漫画家さんをフォローしており、
12月は特にこの法案についての発言をたくさん目にしました。
しかし、「エロが無いと書けない」とおっしゃっていた方は、
少なくとも私がフォローさせていただいている中ではいらっしゃいませんでした。
RTでも目にしていません。
私が見ていたツイートでの範囲で推測するに、多くの漫画家さんが懸念していらっしゃるのは、
今回の法案は「エロ」の範囲が限りなく曖昧であり、
漫画を書いていく中で「どこまでがOKなのか、どこからがNGなのか」を判断する基準が無く、
結果的に「無難な方へと表現の幅が萎縮されていくのでは」ということだと私は解釈しています。
漫画家さんも出版社も、本を売って仕事をしているわけですから、出版できないかもしれない本はGOサインが出せないわけで。
しかし、「こういう風に描きたい」「こんな表現の方が読者に伝わるはずだ」など、
漫画家さんにとって表現者としての思いや葛藤があるのでしょう。
それが条例によって規制されてしまい、萎縮していくことが容易に想像できるのであれば反対するのも当然かと思います。
確かに「行き過ぎた表現」はあるのかもしれません。
成人指定でもおかしくない本が少女漫画・少年漫画と一緒に並んでたりしますし。。
しかし、それは厳密な区画分けで対応可能と考えられますので、
一足飛びに表現規制に持って行くのはおかしいと感じます。
>同じ表現規制について思うが都の規制は騒ぐのにAppleの表現規制での漫画家の発言…Appleだから良いだとか意味不明な事を言う、編集者もAppleの事になると口ごもる。
アップル社の表現規制と言うのは、森山直太朗さんの曲タイトルのことでしょうか?
こちらもソースが分からないので何とも言えないのですが、
私個人の意見としては、このニュースを見た際「伏せ字にする意味あるのか?」と思いました。
曲も聴いてはおりませんが、アップル社が何を持ってして規制に至ったのか経緯も不明ですし。。
ただ、アップル社は米国の会社ですので、そちらに基準を置いた判断になるのだと思います。
その会社のシステムを用いて曲を配信する以上、規制されてしまうのは必然となってしまうと思います。
その件に対して「良い」「悪い」を判断するのはレコード会社とミュージシャン本人であると感じます。
(少なくとも現在も配信されているので、「良い」と判断したのでしょう)
また、この規制が今回の都条例と違う点は、日本国内の会社では曲が伏せ字になることもなく発売・配信で来ていることと、
iTunes Storeでも規制されているのはタイトルだけで、曲自体は問題なく配信されていることだと思います。
都条例に関しては、大半の出版社が東京にあるため条例を守らざるをえず、しかも事実上「出版できない」事態に陥ってしまいます。
根本にある“規制”という点では共通するのかもしれませんが、
規制を作っているところが国内・国外で違うこと、
世に出せるか・出せないかの基準が違うことなど、
相違点も多く、それを漫画家さんや出版社に問うたところで一概に答えが出せるものではないのでは、と思います。
長々と返信してしまい申し訳ありません。
もうひとつ、このブログの管理人としてのお願いですが、
コメント記入の際にはHNの入力をお願いいたします。
匿名掲示板ではありませんので、なるべく返信先を明確にした上で返信をしたいと思いますので。
どうぞよろしくお願いいたします。