皆さんと一緒に考えましょう

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さとは

2021-08-03 08:30:00 | 日記

下記の記事は東洋経済オンラインからの借用(コピー)です

iTunesの健康関連ポッドキャストでナンバーワンとなった番組「The Genius Life」のホストを務めるマックス・ルガヴェア氏が、現代生活に疲れた私たちのために、新しい健康指南書『ジーニアス・ライフ』を上梓した。
食生活のみならず、エクササイズや自然との関わりなど生活全般についてまとめられ、万全の体調で生き抜く力を高めることを意図した本書から、脳や心臓、免疫系、そして老化の進行速度に影響を及ぼすとされるビタミンDの力について見ていこう。
慌ただしい都会生活は心の健康によくない
私はニューヨーク市で生まれ育った。都会で過ごす少年時代は楽しかった。だが10代になると、都会の慌ただしい生活が心の健康にあまりよくないことを感じていた。
『GENIUS LIFE ジーニアス・ライフ: 万全の体調で生き抜く力』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら)
自然に触れる機会が少ないために、いつも自分が自然と切り離されているように感じ、長い冬には季節性のうつ症状にも悩まされた。
幸い、私の両親は都会を離れて過ごす時間を大切にしてくれ、まだ私が幼い頃に、ロングアイランドの東端に位置するレムセンバーグという小さな町に一軒家を購入した。週末はたいてい家族揃ってその家へ出かけ、松林のなかで遊んだ。
当時はまだぼんやりと感じていただけだったが、現代の科学は、自然との触れ合いが心身の健康に重要であることを証明しはじめている。
ここでは、日光を浴びてビタミンDを合成することが健康にすぐれた効果をもたらし、私たちのあらゆる器官に影響を及ぼすことを述べよう。
◆ビタミンDは老化の進行速度を遅らせる?
充分な量のビタミンDを合成するのは簡単だと思うだろう。ところが実際、アメリカ人の42%はビタミンD不足だという。それには、日焼け止めの使いすぎや、1日の93%の時間を屋内や車内で過ごすといった理由などもある。
老化の具体的な原因は誰にもわからない。だが最近では、過剰な炎症にあるというのが定説となっている。
もちろん炎症のレベルにはさまざまな要素が関係している。たとえば、社会的なきずなを築いている、健康的な食事や活動的な生活を心がけている、生きがいのある人生を送っている、といったことが指摘されている。だがさらに、ビタミンDもそれと密接に関係している可能性が高い。
米英の研究者が、2160人の女性の双子を対象にビタミンD濃度と炎症との関係を調べたところ、同じ双子であっても、ビタミンD濃度が高いほうが炎症レベルは低かったという。言い換えれば、同じDNAを持つ、同じ年齢の成人であっても、ビタミンD濃度が低いと老化が早く進むということだ。
とはいえ人間の老化の研究は明らかに難しく、これだけではなんとも言えないし、決定打ということもない。ビタミンDという変数が寿命に及ぼす影響を確かめるときには、人間と似ているが、もっと寿命の短い生物を対象に選ぶ必要がある。
その理想的な対象とされているのが線虫だ。体調約1ミリメートルで、寿命は2週間ほど。バック老化調査研究所の専門家は、充分に成長した線虫にビタミンDを投与し、驚くような発見をした。平均寿命がなんと33%も延びたというのだ。
ビタミンDはアルツハイマー病に効果あり?
ビタミンDは血液中に入ると、体細胞の受容体と結合する。この受容体は、すべての遺伝子の5%に当たる約1000の遺伝子発現に影響を与える。がんや心臓疾患の予防から免疫系の正常な機能まで、心身の健康と幸せな生活のほとんどに関係がある遺伝子だ。
誰も、エンジンの5%が不具合の飛行機には乗らないだろう。あなたのエンジンを、そんな欠陥状態のままにしておくべきでもない。
脳にもたくさんのビタミンD受容体がある。ビタミンDは脳内で抗酸化レベルを調節し、酸化ストレスを中和して緩和する。アルツハイマー病やALS(筋萎縮性側索硬化症)に伴う、神経細胞の過剰な活動も抑制する。また、免疫細胞を刺激して、アミロイドβを除去する。これは、アルツハイマー病を引き起こすとされているタンパク質だ。
最近のメタ分析のひとつは、アルツハイマー病の最大の環境リスク要因として、ビタミンD不足をあげている。健康で血中ビタミンD濃度が正常な人の場合、歳を重ねても認知能力が高く、その低下速度も2〜3倍遅いという。
さらに詳しい研究が必要だろうが、プラセボを用いた少人数の実験では、血中ビタミンD濃度の低いアルツハイマー病患者に、1日わずか800IU(IUは国際単位)のサプリを12カ月間処方しただけで、症状の進行を妨げたという研究結果もある。
自己免疫疾患とビタミンDの関係
最近、自己免疫と呼ばれる免疫系の異常が増えている。自己免疫とは、免疫系が変調をきたし、あなた自身の細胞や臓器を攻撃するというからだの反応で、世界中で何百万人もの人たちが、多発性硬化症や炎症性腸疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患に苦しんでいる。
これらの原因は、正確にはわかっていない。しかしこのところ注目されている説は、人生の早い時期に土や泥と親しむことが減って、体内の免疫系と土壌のバクテリアとが充分に相互作用しなくなったからだというものだ。
そしてもうひとつは、私たちが充分に日光を浴びていないという指摘である。自己免疫疾患の患者は、たいていビタミンDの濃度が低いという。
ビタミンDと自己免疫との関係については、さらなる研究が待たれるが、一部の自己免疫疾患に対して、ビタミンDは治療手段となるか、少なくとも進行を抑える役には立ちそうだ。
◆ビタミンDは抑うつを防ぐのか
約4000人の成人を対象にしたある大規模な調査では、ビタミンDが不足すると、その後の4年間で抑うつの発症リスクが75%も増加することがわかったという。
相関関係は必ずしも因果関係を意味するものではないが、薬物治療、慢性疾患、身体活動などほかの関連を調整したあとでも、やはりビタミンD不足と抑うつとのあいだには、深い関係が見られた。
ビタミンDは神経伝達物質の生成と調達を助ける。そのうちのひとつがセロトニンだ。この神経伝達物質が不足すると、抑うつ症状が現れる。
薬に頼るのもひとつの方法だが、抗うつ薬はセロトニンの量を増やしてくれるいっぽう、副作用があって服用の中止が難しく、過剰処方されやす
気分が落ち込むようなら、適度に太陽の光を浴びることをおすすめしたい。太陽の光は、体内時計を整えてくれると同時に、あなたの皮膚でビタミンDを合成してくれるからだ。
どのくらいビタミンDをとればいいか
1日にどのくらいのビタミンDをとればいいのか。この問いに答える際には、まず適切な血中濃度の範囲を定義する必要があるが、残念ながら広く確立された最適な濃度というものはない。
2014年に32件の研究をメタ分析したところ、次のような発見があった。がんや心臓疾患など、さまざまな原因による早期死亡のリスクが最も低かったのは、ビタミンDの血清25(OH)D濃度が40〜60‌ng/mlの時だった。50‌ng/mlに達すると、認知能力にも効果があったという。
これをビタミンDの摂取量に換算すると、ほとんどの人にとって1日2000〜5000IUが、先の範囲をクリアすることになる(日本では4000IUまでとされる)。
太陽の光を浴びるのは、ビタミンDを増やす理想的な方法だ。日光はビタミンDを生成する自然な経路に働きかけるだけでなく、一酸化窒素を生成して血圧を下げてくれ、体内時計も調整してくれる。
ただし、適切なビタミンD濃度を保つために必要な日光を浴びる時間は、季節や年齢、地域、大気の状態、肌を露出しているかしていないか、また肌の色などによって異なる。またDNAを損傷してしまわないよう、日焼けには十分気をつけて。
サプリで摂取する時には、ビタミンD3を選ぶこと。日光を浴びて皮膚で合成するものと化学的に同じだからだ。もちろん、サプリをとったからといって、偏った食生活や不健康なライフスタイルを解決してくれるわけではないが。
なお、生物学では常に「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」だ。日光の浴びすぎには気をつけよう。また、サプリなどでのビタミンDのとりすぎは高カルシウム血症を招いてしまう。
先にも述べたように、広く確立された最適な濃度というものはない。サプリで摂取するのであれば、定期的に簡単な血液検査を受けて、あなた自身のビタミンDの血中濃度を医師にチェックしてもらおう。
(構成 笹幸恵)
マックス・ルガヴェア : 映画製作者、健康・科学専門ジャーナリスト

 

下記の記事は日刊薬業オンラインからの借用(コピー)です

活性型ビタミンD3製剤の品薄に「危機感」  骨粗鬆症学会・竹内副理事長、“追加策”打ち出す可能性も
 日本骨粗鬆症学会の竹内靖博副理事長(虎の門病院副院長)は日刊薬業の取材に応じ、活性型ビタミンD3製剤全体が品薄となっている問題について「医療上の必要性が高いアルファカルシドールも品薄となっており、危機感を持っている」と述べ、関係学会と共に必要な治療が途絶えないようにするための対応に力を注ぐ考えを示した。アルファカルシドールについては、副甲状腺機能低下症など医療上の必要性が高い疾患の患者に優先して使用されるようにするための対応策をすでに提言しているが、今後の状況次第で成人よりも小児の患者を優先する、医師会などを通じて同剤を骨粗鬆症の患者に使うことが多い診療所の医師に協力を要請するなどの追加策を打ち出す可能性もあるとした。
●後発品普及の中で問題発生「重く受け止めを」
 今回の問題は、骨粗鬆症のみを適応とするエルデカルシトールの後発医薬品を販売する日医工や沢井製薬がそれぞれ異なる製造上の問題で供給を制限したのが発端で、中外製薬の先発医薬品「エディロール」も出荷調整となった。そのあおりを受けて、骨粗鬆症以外の適応も併せ持つアルファカルシドールやカルシトリオールの先発品と後発品も出荷調整に追い込まれた。アルファカルシドールは、先発品では中外の「アルファロール」と帝人ファーマの「ワンアルファ」が、後発品では沢井、東和薬品、日本ジェネリック、日医工の製品が出荷調整や供給遅延などとなっているが、これらに続き共和薬品工業の製品が供給を一時停止することになった。多くの場合は他社の出荷調整の影響に伴う需要増などが理由だが、共和薬品は承認書と製造実態の齟齬が原因のため、一変申請を行う方針。竹内氏は「今回の問題が、ジェネリックを普及させていこうという中で生じた事態であることを重く受け止めねばならない」と述べ、後発品企業に早期改善と再発防止を求めた。
 アルファカルシドールは、副甲状腺機能低下症や腎不全に伴う続発性副甲状腺機能亢進症、くる病・骨軟化症の治療で極めて必要性の高い薬剤とされている。今回の問題を受けて日本骨代謝学会と骨粗鬆症学会の2学会は19日に、これら疾患の患者に同剤が優先して使用されるようにするため、骨粗鬆症治療で供給不足への対応としてエルデカルシトールからアルファカルシドールへの切り替えを行うのを避けるように促す文書を出した。また骨代謝学会、日本内分泌外科学会、日本小児内分泌学会、日本内分泌学会の4学会も同日付の文書で、アルファカルシドールの供給不足への対応策を関係学会で協議中であることを明らかにした。厚生労働省も同日、都道府県などを通じて、関係各方面に学会の提言内容を周知。竹内氏は骨代謝学会や内分泌学会の理事も務めており、これら文書の作成に関わった。
●アルファカルシドール、副甲状腺機能低下症などへの供給が最優先
 竹内氏は、今回の問題への学会の対応について「活性型ビタミンD3製剤は院外処方が中心のため現在、調剤薬局で在庫の確保に苦労している状況だ。限られた在庫を医療上の必要性が高い疾患に優先順位を付けて処方していくしかないが多数の領域で使われているため、特定の専門医、診療科だけにお願いすれば解決できるものではない。われわれは危機感を持ち関係学会や国に相談して対応している」と説明した。
 2学会の提言でエルデカルシトールの代替薬として骨粗鬆症患者にアルファカルシドールを処方するのは避けるべきとした意図については「副甲状腺機能低下症や腎不全に伴う続発性副甲状腺機能亢進症、くる病・骨軟化症の患者へのアルファカルシドールの供給を最優先に置いているためだ。これら適応の患者数は骨粗鬆症と比べて少ないが、薬剤の必要度、依存度から考え医療上の優先順位が極めて高い」と述べた。さらにこれら適応症に対する同剤の代替薬としてカルシトリオールとファレカルシトリオールがあるが不足分を補えるほどの供給量がないことも背景にあるとした。
●供給再開遅れれば小児優先や診療所医師への協力要請も検討
 竹内氏によると、アルファカルシドールは後発品への置き換えが80%に達しており、一時供給停止の共和薬品のシェアが一番大きい。つまり同社製品の供給再開の時期が、アルファカルシドールの供給問題を大きく左右するということだが、その時期は現時点では示されていない。竹内氏は、4学会が協議中とした対応策について「承認書と製造実態の齟齬を解消するための一変申請を巡る共和薬品と厚労省の協議の状況によって、同社のアルファカルシドールの供給再開が遅れるようなら、現在の対応に加え、医療上の必要性が高い疾患で小児への処方を優先し、成人は病状に即して適切に代替策を講じることを主治医に要請するなどの新たな対応を関係学会で検討する必要が出てくる」とした。また、そうした状況になった場合には、医師会などを通じて同剤を骨粗鬆症の患者に使うことが多い診療所の医師に協力を要請することを検討する可能性もあるとした。
●骨粗鬆症治療「代替薬で乗り切るしかない」 
 2学会の提言では、新規に骨粗鬆症治療を開始する場合にエルデカルシトールやアルファカルシドールの処方を避けることや、服用患者でも単剤で処方している場合はほかの薬剤への変更を検討することも要請している。
 竹内氏は、骨粗鬆症治療の代替品について「一般的な骨粗鬆症患者にはビスホスホネート製剤、エルデカルシトールを単剤で使っている閉経後の女性患者にはラロキシフェンとバゼドキシフェンが選択肢になる。ビタミンD欠乏への対策としてはサプリメントとして天然型ビタミンDの補充も考慮できる」と説明。「いずれの製剤も患者の病態、病状、年齢、性別などに応じて適切な薬剤を主治医が選択することになる」とした。
 このうち天然型ビタミンDの補充については「緊急事態のためやむを得ず出した対応。エルデカルシトールには『薬理作用による骨代謝改善効果』と『ビタミンDの充足』の2つの役割がある。天然型ビタミンDではそのうちの片方しか補えず、効果は十分とは言えないが、現在の状況を考えるとこの対応策で乗り切るしかない」とした。
 エルデカルシトールについては、日医工は「通常出荷再開時期は出荷計画が整い次第あらためて案内する」、沢井は「10月上旬からこれまでに供給していたカプセル数を順次供給できると考えている」としている。竹内氏は「エルデカルシトールは2社のみが2020年8月に後発品を発売し、後発品市場が拡大する途上で供給制限がかかった。両社が計画通り供給を再開し、問題発生前の供給量に戻ったとしても、後発品の置き換え需要も加わるため医療現場の需要を満たすだけの供給量を確保できるのかどうか。慎重に見守りたい」とした。
●長引けば今秋の学会で緊急シンポも

 竹内氏は今年10月に開催される第23回日本骨粗鬆症学会の会長を務めることにも触れ、「仮にこの問題がその頃まで続いているようなら緊急シンポジウムのような形で各ステークホルダーを集めて議論したい」と述べた。



コメントを投稿