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ただ長く歩けばいいわけではない。ウオーキングは「量」より「質」が重要だ。正しい歩き方さえ身に付ければ、普段の移動が筋トレに変身。それも、背骨と脚の付け根を結ぶ重要な部位である大腰筋や内ももの内転筋といった鍛えにくい筋肉を、歩くだけで強化できる。さらに、この2つの筋肉を適切に使うことで歩行姿勢も改善。全身の筋肉を効果的に使えるようになる。
腕は大きく動かし過ぎない
意識するのは大きく3つ。まずは、「みぞおちに股があるようなイメージ」で歩くことだ。
特に意識をせずに歩くと股下だけを動かしがちだが、正しい歩き方は違う。動きの基点をみぞおち辺りまで高く上げ、そこから脚が伸びているイメージを持つのがコツだ。こうすることで、「脚上げや股関節の屈曲といった高負荷のトレーニングを行わずに、大腰筋を動かすことができる」(ウオーキングプロデューサーの園原健弘氏)。大腰筋は弱ると脚が上がらなくなったり、つまずきやすくなったりする、まさに歩くための肝心要の筋肉だ。
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大腰筋を意識して歩くには、「腕を大きく動かし過ぎない」ことがカギ。ウオーキングでは「腕を大きく振って」と指導されることも多いが、腕や手といった末端部分をぶんぶん動かしてその反動で歩くと、大腰筋などのコアの筋肉は使えない。体の中心部から動作を始め、末端へ力を流していく意識を持つのが重要だ。
2点目は、太ももの内側をぶつけ合うくらいの意識で歩くこと。振り出した足が外側に広がらないように動かすことで、内転筋や臀(でん)筋を鍛えられて効率的な歩き方になる。この筋肉が適切に使えないと、膝や股関節が曲がったまま歩くことになり、O脚やがに股の原因にもなりやすい。
3点目は、かかとからしっかり着地することだ。爪先をすねのほうに立てるのがポイント。かかと着地を意識することで自然に膝が伸び、歩くたびにふくらはぎの筋肉が伸びたり縮んだりを繰り返す。すねやふくらはぎの筋肉が弱まるとつまずきの原因にもなるので、トレーニングをしておきたいポイントだ。また、ふくらはぎの筋肉を使うと、足から心臓への血液循環が促進されるのもメリット。「足のむくみの解消などにも有効」(園原氏)という。
気になるトレーニングに必要な歩数だが、園原氏は「1日に1000歩程度でも筋トレ効果が十分期待できる」と言う。ウオーキングの目安として「1日1万歩」とよくいわれるが、ハードルが高く挫折する人も少なくないはず。1000歩なら普段の歩行を「置き換える」だけで済むので続けやすい。試してみると、数日でコツがつかめ、姿勢の改善に加えて歩行速度も自然とアップ。内転筋が締まるのが体感できた。
慣れると、地面からの反動を効率的に利用でき、長距離の歩行がむしろラクに感じられるようになる。筋肉を鍛えながら歩きやすくなる一石二鳥のウオーキングといえる。
園原健弘さん
「ラバ・チューブ」代表、ウオーキングプロデューサー。
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