企業さんと候補者さんの、いわゆる「面接」をアレンジさせて頂く時間帯にはいろいろあります。エージェントとしては、まずは双方の都合を確認することから始まるのですが、大体は、企業さんの方からご都合の良い日にちや曜日、それに時間帯を大枠でお知らせ頂き、それを基に候補者さんから特定の「日時」を選んで頂くケース、または事前にエージェントの方で候補者さんの希望を2、3、お聞きしておき、それを基に企業さんのご都合を確認させて頂くというケースの2つだと思います。どちらの場合も「大体の線」を示して、あとは双方の都合に合わせて調整するといった、言わば双方の思いやりを感じながらのアレンジメントになります。
ただ、ほとんどの候補者さんは現在働かれているということもありまして、外回りの営業など外出が比較的自由な方々以外、または、例えば有給休暇を取りにくい候補者さんの場合などは特に、「できれば就業時間後にお願いしたい」ということで、午後6時半以降、またはお昼休み時間を面接の時間として希望されるケースも多々あります。その際の企業さんのお返事は、ほとんどの場合は「OK」ということで、エージェントとしましても、とても有り難く思っています。たまに、先日のケースのように、ウィークデーはとても忙しくてお昼休みも夕方も面接に伺えない候補者さんのために、企業のご担当者2~3名の方々が、土曜日、面接のために出社して下さったケースもありましたが、これはまれなケースと思います。
双方の思いやりを感じながらの面接時間のアレンジですが、たまに企業さん側のご都合のみでお願いされるケースもあります。丁度2ヶ月まえくらいにセットさせて頂いた企業さんがそうでした。その場合は人事部の方々の都合というの強く感じられた一件だったのですが、企業さんから指定された時間帯は“12時30分から午後1時30分を除く就業時間内での時間”で、ということでした。もちろん、夕方就業時間後はダメです。お昼時間を自分達はしっかり取りたいというのがよく分りました(笑)。候補者さんが「では、1時30分に伺いたい」とお願いしたところ、「1時30分ではなく、1時45分にしてもらえないか」というお返事が返ってきました。1時30分に昼飯から帰ってくるのだから、直ぐに来てもらっては都合が悪い、帰ってきたら少しゆっくりする時間が欲しいのだ、という聞こえない声が聞こえて来ました(笑)。外資系のお客さんでしたが、とても官僚的な感じでしたね(笑)。
あと、一風変わった面接時間もあります。傾向としては、強烈な個性で組織を引っ張るオーナー系企業の経営者さんからのお引き合いでよくあります。オーナー経営者のお考えにより、「面接は、特に一次面接に関しては、通常の業務に差し障らないように、就業時間以外に行なう」という規定がバッチリありまして、面接の時間はいつも午後7時や8時なのです(笑)。オーナー経営者の方々はとてもパワフルです。いずれにしましても、面接時間のアレンジメントだけでも企業や経営者の考え方が垣間見られて面白いと同時に勉強になります。