徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

『グリーン・マーダー・ケース』再び!

2018年02月26日 | 舞台
2/25(日)

下北沢の「演劇三昧」さんでmonophonic orchestraさんのイベントに参加してきました。
18時半からの回は『グリーン・マーダー・ケース』を振り返る、と銘打って半分を越えるキャストの皆さんが再集結!さながら同窓会の趣です。
新幹線の終電には間に合う時間で良かった~!



≪トークショー参加者≫ 
鍛治本大樹さん(刑事サイモン・ブレイ役)
齊藤洋介さん(探偵ファイロ・ロシュアール・ヴァンス役) 
須貝英さん(検事ジョン・フランシス・ゼイビア・マーカム役)
ヨシケン改さん(チェスター・グリーン/長男役)
大石憲さん(レックス・グリーン/次男役)
伊与勢我無さん(医師アーサー・フォン・ブロン役)
小林春世さん(メイド マリア・ヘミング役)
ザンヨウコさん(家政婦ゲルトルーデ・マンハイム役)



探偵ファイロ・ヴァンス役の齊藤陽介さん(ホチキス)にまたお会いできて嬉しかったです❤️
再演(須貝さんが「いつになるか分からないけど全員同じキャストで再演」と明言!演劇における男気だそうです!カッコイイ!) でまた、風のように軽やかで知的なヴァンスに会えますように。

以下、トークショーの内容メモです。
もっとも、稽古のネタや飲み会の話が2/3、作品の話は1/3あったかな?!そんなほほえましくも仲の良い座組につかの間お邪魔させていただいたような、濃密で楽しい時間でした。



《サイモンとエマ(エミリア)の後日譚》
鍛治本さん「これ話していいのかなあ?稽古の時に、僕と(エマ役の)毛利さんにだけ教えてくれた、二人があの後どうなったのかって話」
須貝さん「サイモンとエマの後日譚?」
鍛治本さん「そう。あれ皆聞きたいんじゃないかと思うんだけど(須貝さんが)それは話してほしくないとか、もしそういうのだったら悪いかなって」
須貝さん「いいじゃん、その話しようよ」
鍛治本さん「だったら僕からじゃなくて(笑)あなたからの方がいいかなあと思うんだけど!」(会場爆笑)

須貝さんが語った、その後の二人の話。



グリーン家の事件の後、彼らが二度と会うことはなかった。
そして月日は流れ、いつしか老境に入ったサイモンは、肺を患い、死期の迫る苦しみに耐えていた。
ある晩のこと。(老人ホームか病院か、定かではないが)サイモンが末期の病身を養う部屋に、エマが訪ねてくる。
「今度会った時は、二人でミモザを飲みましょう」
その言葉通り、彼女はミモザのカクテルを用意してサイモンに会いに来たのだった。
乾杯する二人。しかし、何十年ぶりかの再会で飲み干したそのミモザには毒が入っていた… 病魔に蝕まれる肉体から、彼の魂をエマは解放したのだった。安楽死、という形で。



一部表現を脚色してますが(笑)、まとめるとこんなシナリオでした。

その後、客席からの質問。
質問者「後日譚のことも考えながら本編のシナリオを書いて/演じていたんですか?」
須貝さん「あると言えばあるし…むしろあのお芝居観て『やっぱりそういう後日譚が匂った!』と思うんだったら、それはもうそっち(観客)じゃなくて、こっち側(脚本家)の世界の人だから、自分で書いた方がいい!」
えええ、断言!?(笑)

続いての質問。
質問者「毒入りミモザで乾杯した時、エマはサイモンと一緒に死んであげたのか、それとも『楽になって良かったね』と一人立ち去ってしまうのか、どちらの行動を取ったのでしょうか?エマは心中するようなキャラクターには思えませんが」
須貝さん「ああ、それは多分一人で立ち去ったと思います、何というか、エマは自分が死ぬところを誰にも見せないような人間に思えます」
質問者「猫のような?」
須貝さん「そうそう。自分の中でエマは神の視点を持っているような、超越したところがあって。運命の女神というか、ほら人ってこんなに簡単に死んじゃうの、って台詞もあったけれど、そういう『スッと手を下す』ような存在で」
質問者「私には、エマは出会ったことでサイモンの運命を狂わせたファム・ファタール的なイメージがあったのですが、そういう視線で書かれていたんですね~」

これが聞けたことはグリマダファン、サイモン&エマ好きとしてはとてもとても!嬉しかったです!!



他にはこんなトピックがありました。
備忘録がわりに書き出しておきます。

《大石さん家で飲んだら…》
《かじもん芝居の無駄遣い》
《原作と脚本の違い》
《降霊師エマ》
《芝居は欲張るとダメ》
《脚本家からのアドリブ依頼》
《煙草、マッチ、メモ…》
《ローズ様だから》
《ブレンダン・ケストナーの死体》
《釈迦のネックレス》
《恐るべしスプルート》
《チェスターの早弁》
《リタの直球》
《再演について》

参加者の皆様、monophonic orchestraのお二方、観劇三昧のスタッフの方々、
とても楽しい時間をありがとうございました!(^^ゞ