私たちの心の中には、知恵と
感情の二つが混在しています。
知恵が光だとすると、感情は
雲です。どれだけ知恵の光が
あっても、感情という雲が出
てきたらおしまいです。
時々「まさか、あの人が・・
・」と言われるような事件が
起きるのも、感情の雲が邪魔
をして知恵の光を曇らせてし
まうからです。
「そもそも感情の世界という
のは、自我への執着から始ま
っていますから、執着から離
れることによって、感情の束
縛からも離れることができま
す」
執着から離れるには、布施
(ふせ)の心を持てと言い
ます。
布施というのは「これを
あげたら惜しいなあ。でも、
困っているのだからあげよう」
と、自分の大切にしているも
のを、執着を断って差し上げる
ことです。
そのとき、「・・・してやった
から」と、見返りや感謝を期待
しては布施と言えません。
私たち凡人には難しいことです
が、せめて「大したことはでき
ませんが、これくらいならさせ
てもらいます」という精神で助
け合って、感情の雲を少しでも
払いたいものです。