「人の心は生まれながらにして
善悪はない。善悪は緑に出会っ
て起きるものだ。
たとえば、仏道修行の心を起こ
して山に修行に入るときは、山
の中は静かでいいが、俗世間は
煩わしいことがいっぱいでよく
ない、と思う。
ところが最初の気持ちがどこか
へ飛んでしまって、退屈になっ
て山を出るときは、山の中は駄
目だと思う。
これは取りも直さず、心には、
一定の形があるわけではなく、
緑というものにめぐり会って、
どのようにも変わっていくもの
である、ということだ。
そういうわけだから、善い縁に
会えば心は自然とよくなるし、
悪い縁に近づけば自然に悪くな
る。
自分の心が最初から悪いと思っ
てはいけない。ただただ、善い
縁から善い縁へと、そちらの緑
に従っていくべきである」
子どもの非行などがよく問題に
なりますが、これも「縁」が原
因でしょう。
最初から悪い子がいるわけでは
ありません。
まず最初の交わりとなる親がど
ういう人格か、付き合う子がど
ういう子かが問題なのです。
日頃の身近なことにも気をつけ
てやることが大切です。
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