
恋をすると誰もが詩人になり、
とめどもなく言葉が溢れて
くる。
恋愛の初期段階はこれが書
き手の純粋な思いをデフォ
ルメして、時にはいらぬ不
安を相手に抱かせるきっか
けになる。
あえて言葉にしない深い思
い。読む側に余韻を残すよ
うに書けと専門家は説く。
下手な手紙ほど長く、感情
も盛りだくさんで想像の余
地などない。
恋は段取りではない。
再び会うための引きの言葉
は、連載小説と同じく次回
へと興味をわかせるもので
なければならないのだ。
しかもそれは作為的であって
はいけない。作り話ほど意外
にも簡単に見破られてしまう。
恋愛初期は互いに心がピュア
になっているから、お互い直
観力が増しているのも忘れて
はいけない点だ。