猫山三里

日記。というか自分の記録にもなれば。

化猫

2014-06-09 17:48:55 | 
鳥取県に移動し、県中部の琴浦町別宮にある転法輪寺へ。この寺の山門には一匹の猫の彫刻が刻まれています。名を「おふじ」といい、恩返し猫として語り継がれています。



『昔、転法輪寺では一匹の飼い猫がいました。猫は「おふじ」と名付けられ和尚にとてもかわいがられていた。

ある暑い夏の日、法事が終わり寺に帰ってきた和尚が着替えようとした法衣の裾が濡れていることに気づいた。その数日後もまた同じことがあり、和尚が不思議に思っていると、ある夜裏庭からおふじを呼ぶ声が聞こえてきた。

和尚がこっそりと外をうかがってみると、おふじは別の猫に一向ヶ原という場所での踊りに誘われ、後日出かける約束をしているところだった。

約束の日の夜、和尚は法事先から寺へ帰らず、そのまま一向ヶ平に行き、何が起こるのかと身を潜めて待っていると、あちこちの谷から、たくさんの猫が出てきて、「おふじがおらにゃ踊りもはずまず。おふじが歌わにゃ踊りがはずまず」と猫たちが歌いながら何百と輪になって踊り始めた。

おふじも手拭いを姉さん被りにして、和尚の法衣を着て踊っている。法衣が濡れていた理由は夜露が原因だったのである。

かわいがっていたおふじが化け猫だと知った和尚は、翌朝、いつもと同じように餌を食べているおふじに寺を出て行くようにと告げた。おふじは餌を食べ終わると寺からでていき、それっきり帰ってこなかった。

それから10年以上後、因幡の国(現在の鳥取市あたり)の長者の家で葬式があり、和尚はそこへ呼ばれることになった。

あまりに遠くからの迎えだったことに和尚が事情をたずねると、「葬式を出そうとした時に急に嵐になった。次の日も、その次の日も嵐になって困っていた。そこでよく当たるという易者に占なってもらうと、伯耆の国の別宮にある転法輪寺の和尚を呼んで、お経をあげてもらえばよいと教えられた」ということだった。
      
気の毒に思った和尚は、迎えの籠に乗り込み、長者の家についてお経をあげ始めると、嵐はたちどころにやみ、何事もなく出棺でき、無事に葬儀を終えることができた。

昔世話になったお礼をするためにおふじが大嵐を起こしていたのである。

この話があちこちで評判になり、転法輪寺に参詣する人が多くなり栄えた。檀家の人々はこの事を語り伝え、寺の山門におふじの姿を彫りつけた』というもの。



丸くなって眠るおふじと8年ぶりの再会。また会えることができてうれしかったです。



そしてもう1つ、猫の伝説を求めて鳥取市方面へ。その道中にあったポイ捨て禁止の看板。



ポイ捨てすなよ~!


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2 コメント

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Unknown (のん)
2014-06-11 20:25:10
いくら化け猫だったからって、それまで可愛がっていた猫を何故追い出した和尚(←寺だから?)。 
そして何故、嵐をおふじの恩返しとするのだ(←嵐とおふじ、何の繋がりもないようにしか思えない)。
実はそこに、広く伝わっていない深い逸話があるのかもしれないと勝手に妄想してたら、感動的なドラマが出来上がって萌えました。ありがとう。←?
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Unknown (赤猫)
2014-06-12 20:03:18
いや実はね、のんさん。俺も全く同じこと思った。
今まで一緒に暮らして散々かわいがっていたのに、ちょいと夜中に踊ってただけで出ていけというのはどうなの?って感じです。しかも追い出されたのに恩返しだなんて、猫が良すぎる。

奈良にも同じような話があって、葬式の度に嵐になって葬式ができない。その原因をつきとめると化け猫が嵐を起こしていたので退治したという話。

昔は猫と嵐が何か関係あると思われてたのかもしれません。

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