産田神社を後にし、同じく熊野市の池川にある「まないたさん」へ。
まないたとは、キッチン用品のまな板のことではなく、古くから水神が祀られてきた社殿のない古式神社で、真名井戸(マナイト)が転じたマナイタという古語から来ているそうです。
余談ですが、真名井とは神聖な水のことで、日本神話で「天の真名井戸」はアマテラスとスサノオが誓約をした場所として登場します。
これだけ前フリをしておきながら、まないたさんまでの道中が通行止めのため敢えなく退却。気を取り直し、熊野市を奈良方面に北上。
だんだん山も深くなっていきます。
熊出没注意も。
大丹倉に向かう途中に大アメノウオ伝説が伝わる雨乞いの滝、雨滝があります。
道路沿いに目を引く看板があり、車2台ほどが停められる駐車場もあります。手すりのついた木の階段を登っていくと展望所があり、落差20mの直瀑、雨滝を見おろすことができます。
駐車場にある説明板。
「雨滝」
熊野市は峻険な山地が多く、豊富な雨量も手伝ってか有名無名の滝が点在している。この奥にある雨滝は、様々な樹木に覆われ滝つぼに清らかな水をたたえている。ここはまた、雨乞の地でもあり、日照りが続くと村人が寺の鐘を滝つぼにつけて祈祷したという。
「アメノウオ伝説」
その昔、雨滝の滝つぼに棲むという大アメノウオを、鵜を使って捕ろうとした2人の男がいた。いざ鵜を放とうとすると、どこからともなく僧が現れ、鵜を放つことは止めて欲しいと嘆願した。2人は承諾し、お腹が空いたので持参した粟飯の弁当を開け、その僧にもごちそうした。いつの間にか僧の姿が消えたので2人はこれ幸いと思い、約束を破って鵜を放った。すると、滝つぼの底から濁り水が大渦を巻き、ものすごい雷雨となったので2人は怖くなって逃げ帰った。翌日行ってみると、滝つぼに鵜と1mもの大アメノウオが死んで浮いていた。岸に上げ腹を裂いたところ、なんと粟飯が入っていたという。
紀伊半島あたりではアマゴのことをアメノウオとも呼ぶそうなので、1m級のアマゴとなると、こりゃもう怪物クラス。絶対滝の主だな。
ガードレール下に滝壺へ下りる道があります。数分で滝壺へ。ブッシュがひどいので注意が必要です。
自分は展望所からで満喫しました。
雨滝から少し走ると大丹倉の絶景。
川奥に見える柱状節理。蝶の羽根岩。