続いて、元は土佐藩家老桐間家の御用を勤めた狩野派の絵師、金蔵。略して絵金。その絵金作品が見れる絵金蔵へ。
「花衣いろは演技」
ヒッチコックの映画「鳥」ではないけれど、この絵のように実際に大型の鳥や怪鳥に赤子を拐われたという話があったといわれます。
もちろんそれは日本に限ったことでなく、レンブラント「ガニュメデスの誘拐」にも描かれているように鳥が赤ちゃんを拐う事件は世界的にも頻発していたことでしょう。
以前、人が蛇を恐れる理由として、人類がまだ猿で樹上生活していた頃に蛇や大型爬虫類に襲われた記憶をDNAに組み込まれているのが原因だという説もあると書きましたが、同時に空からの脅威も当然考えられるわけです。
その脅威が両翼を持つ鳥のような生物、或いは空から飛来する何かを産んだ可能性がなきにしもあらず。
日本で最たる者としては天狗だろうか。江戸時代には子供などが拐われる事件は神隠しではなく、天狗隠しなどといわれていたそうです。
天狗といえば高い鼻に赤い顔。外国人がその正体とする説もあります。もしも外国へ拐われたとするならば、まさに天狗隠しともいえますが、そもそも初めて天狗という名がでてきたのは日本書記だそうで、流星を指して天狗(あまきつね)と呼んだとのこと。また、今昔物語では仏に化けた天狗が見破られ、打ち殺されたが正体は鳶だった話もある。
天狗には鴉天狗なる種もいて、この鴉天狗には高い鼻もなければ赤顔でもない。鳥のような生物とするなら断然こちらだし、天狗といえば鴉天狗を指してしまう。個人的には。だってビジュアルも名前もカッコいいし(笑)。
古代、翼竜の生き残りがいたか、はたまた意思を持った宇宙からの使者がこの地球へと訪れていたのか…
こんな考えもアリっちゃアリですかね。