大相撲秋場所千秋楽(27日、東京・両国国技館)、横綱鶴竜(30=井筒)が大関照ノ富士(23=伊勢ヶ浜)との優勝決定戦を制し、横綱初Vを果たした。これまでは地味ながらも優等生キャラで親しまれてきたが、14日目に2度の変化で観客から大ブーイングを浴びるなど一気に「ヒール化」。賜杯と引き換えに支払った“代償”は小さくなかったようだ。
鶴竜が横綱9場所目で初優勝を果たした。本割は1差で追う照ノ富士に一気に寄り切られて完敗。決定戦は鮮やかに上手出し投げを決めて賜杯をつかんだ。表彰式の優勝力士のインタビューでは「ホッとしました。横綱になってからなかなか優勝できなくて苦しかったけど、腐らずに頑張ってきてよかった」と安堵の表情を浮かべた。ただ、鶴竜はあまりに大きな“賜杯の代償”も支払うことにもなった。
今場所は白鵬(30=宮城野)と日馬富士(31=伊勢ヶ浜)の2横綱が不在。またとない優勝のチャンスを前に、なりふり構わず勝負に徹した。14日目は優勝の行方が決まる大一番で、大関稀勢の里(29=田子ノ浦)に2度の変化の末に白星。館内から大ブーイングが起こったが、鶴竜は「勝負に勝とうという気持ちでいった」と少しも悪びれることなく言い放った。
もちろん、鶴竜は「反則」を犯したわけではない。勝利への執念と言えばそれまでだが、大関昇進時の「お客さまに喜んでもらえる相撲が取れるように努力します」と述べた口上とは、あまりにもかけ離れた相撲内容だった。
今の3横綱の中で、これまで鶴竜は「優等生キャラ」で通っていた。稽古熱心で、ファンへの対応も常に紳士的。その容姿から「かわいい」「癒やし系」と言われたこともあるほどだ。だが、14日目を境にファンの評価は急変した。この日は横綱土俵入りや取組前に観客席から「帰れ!」「変わるなよ!」「今のままじゃ大関だ。横綱の相撲を取れ!!」などと痛烈なヤジが飛んだのだ。
あくまで超満員の観客の一部とはいえ、このようなヤジが優等生横綱に飛ぶこと自体が今までになかったこと。優勝決定戦でも館内は「照ノ富士」コール一色。その照ノ富士を真っ向勝負で下し優勝を決めても、表彰式が始まる前に席を立つ観客も少なくなかった。
優勝インタビューで鶴竜は「ファンの皆さんがあってこそ自分たちがある。15日間、ありがとうございました」とあいさつしたが、今回の優勝までの過程を見ればむなしく響く。審判部副部長の藤島親方(43=元大関武双山)は横綱の注文相撲に「汚い手段」と断罪。別の親方も「あれ(変化)じゃないと鶴竜は勝てない。どうせ、またやるよ」とまで予告した。
念願の賜杯を手にする一方で、横綱としての評価が急落した鶴竜。今後はその資質が厳しく問われることになりそうだ。
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