ブラック企業の代表格「ワタミ」の業績が急速に悪化している。
「ワタミ」は先週25日、2014年3月期の業績予想を公表。連結純利益が前期比68%減の12億円になると下方修正した。
「ワタミ」は「外食事業の客数が回復せず、既存店売上高が計画を下回ったことが原因」と分析。特に9月の既存店売上高が前期比89.5%と大きく落ち込んだのが原因だ。
「日本フードサービス協会がまとめた市場調査では、9月は台風の影響などで外食は全体的に客足は伸び悩んだものの、それでも『パブ/居酒屋』は前期比93%。『ワタミ』の不振の度合いは平均を上回っています」(経済誌記者)
日銀の異次元緩和で株式市場は全体的に好調だが、「ワタミ」は逆行。28日には年初来安値の1502円を付けた。客足だけでなく、投資家も離れ始めているようだ。「ワタミ」に感想を聞こうと問い合わせたが「担当者は不在です」とケンもホロロ。「ワタミ」の独り負けは何が原因なのか。
「結局、『ワタミ』ブランドが通用しなくなったということ。メニューは代わり映えしないし、特徴もない。お客さんが飽きたのです。最近は、わざわざ『ワタミ』の店舗近くを狙って出店する激安の焼き鳥チェーンもある。『ワタミ』はライバル店にどんどん客を奪われている。トドメを刺したのが『ブラック企業』問題です。これでブランド力を完全に失った。今夏の参院選で創業者の渡辺美樹氏の得票数が少なかったのがその証しです。業績はこの先もどんどん落ちる可能性がありますよ」(経済ジャーナリスト)
一度失ったブランド力を回復するのは大変だ。
こちらの企業も・・・
デフレ下で最高益更新を続けてきた「餃子の王将」で知られる王将フードサービスは2013年9月中間連結決算で最終利益が前年同期比26・1%減の19億円となった。
売上高は新規出店の効果で1・6%増の374億円だったが、円安で豚肉や鶏肉、コメなど原材料の仕入れ価格が値上がりし、利益を圧迫した。
記者会見した高橋義弘常務は、「景気回復に伴い、(低価格志向で)王将に来店していた顧客が他店に流れた側面もある」と話した。
「餃子の王将」金沢片町店で客が裸の写真を撮ってネットに公開した事件については、「売上高に目立った変動が見られず、大きな影響はなかった」と説明した。
デフレの勝ち組だった外食企業では、吉野家ホールディングスが中間決算で減益となったほか、日本マクドナルドホールディングスも業績予想を下方修正するなど苦戦が続いている。