追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

脳に付いてのShort-Short

2018年05月11日 | 癒し
Funny short-short

⁂…脳…… (ref;脳神経外科医・板倉 徹氏の「ラジオは脳に効く」)

天才棋士藤井6段育ての親
脳学者板倉氏によれば脳には「可塑性」と言う特性がある。即ち成長期に脳は神経細胞がどんどん繋がって脳の機能が出来上がると後戻りできなくなると言うものである。
脳の神経回路は柔軟だが特定条件下では一部の回路が繋ぎ変えのできない固定化したものになってしまう。

物もらいが出来た幼児に一か月眼帯をかけさせたまま放置すると、眼帯を外し光が網膜を通っても後頭葉の視覚野迄達せず頭の中で像を結ぶことが出来なくなるらしいがこれが可塑性である。例えば縦縞しか目に入らない部屋で可塑性の期間が過ぎる直前迄育てられた猫は縦縞しか判別できない。立てた棒は避けることが出来るが横に障害物としておくと避けることが出来なくなると言う実験結果もあると言う。
従って脳が可塑性のある期間に習熟した能力は消えることが無い。日本語を聞き覚えた幼児が虫の鳴き声を「雑音」ではなく「声」として受け止めると言うのも可塑性によるものだろう。
それではその可塑性の臨界期とは何才ぐらいなのだろう。
「絶対音感」と言う特殊能力がある。耳に入ってくる音を正確なド・レ・ミ…の音程で聞き分けることが出来る能力で、これが身に付いていると常に正確な音で演奏したり歌ったりできる。
この絶対音感の育成は耳の発達との関係が深いと言われている。子供はお母さんのお腹のなかにいるときから、音が聞こえており、お腹にいるうちから話しかけたり、いい音楽を聴かせたりという胎教が大切だと言う話もあるが、 人間の耳は3歳~7歳までに急速に発達し完成してしまう。 その後耳の成長は横ばいで、加齢とともに徐々に衰えていく。従って大人になってから「絶対音感がほしい」と思っても、残念ながらもうすでに耳の機能が完成してしまっているため難しいという事になる。このことから絶対音感は なるべく早い段階、7歳までに音感教育が必要という事になる。
又語学は10歳ぐらいまでに本格的に習熟させればネイテイブのように話せるようになると言われている。
何れにしても可塑性の臨界期は能力によって差が有るらしいが大雑把に言って5歳ぐらいが極めて重要、天才をを作るには五歳位迄の教育が勝負ということのようだ。脳細胞の数は生まれた時が一番多くそれ以後は増えないが5歳ぐらいまでは脳そのもののボリュームは増える。この間、脳細胞の樹状突起が増えて神経細胞同士の結びつきが盛んに行われ重要なネットワークが形成されていく為に脳のボリュームが増えると言うのが板倉氏の考えである。脳を鍛える英才教育は5歳迄である。

天才棋士藤井6段に当てはめるとどうだろうか。この天才棋士は5歳であった2007年の夏、祖父母から将棋の手ほどきを受け、同年の12月に瀬戸市内の将棋教室に入会し、入会時に師範から渡された、500ページ近い厚さの『駒落ち定跡』(日本将棋連盟)を、まだ読み書きができないのに符号を頼りに読み進め、1年後には完全に理解・記憶したと報じられている。
このことからこの天才の直接の生みの親は意識していたかどうかは別にして5歳で将棋を教えた祖父母、本人の才能を生かすべく将棋教室に入れた両親、適切な教育を施した師匠という事になろうか。本人の集中力・やる気・負けず嫌い・研究熱心等5歳までに培われた性格形成も大きく寄与したことは間違いない。
コメント (2)
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