トリーアにて、とんでもなく素敵なお店を見つけました。
っていうか、「待望のお店」でした。
上の写真、何も考えなければ、普通のこっちの風景、、、
ですよね。
…なんですけど、、、
看板に、Chibi-ya、と書いてあります。
Chibi-ya。
しかも、「日本のキッチン」と書いてあります。
HPもあります。
なんだ、このかわいいゆるキャラは・・汗
そうです。
結論から言えば、ドイツで生まれた日本のサブカル的レストランなんです。
Chibi-ya、と申しますが、、、
ドイツ人向けには、「Chibi-ya」。
日本人向けには、「チビの屋」。
語感から、二つの名前を付けたんだそうです。
しかも、お店の入り口には、「カレー どんぶり」と書かれた暖簾までもが…
これはいったい…
ちなみに、創業は今年2013年4月だそうです。完璧に新店ですね。
詳しくは…
http://uki2bnny.exblog.jp/18727589
***
店内に入りますが、日本人らしき人はいない。
さらに、なんとアジア系の人が働いていないんです。
ええ?!?!って感じです。
いったい誰が?!?!
このあと、衝撃の事実が、、、!!!!
その前に、メニューを。
こちらがメニューです。
なんともまぁ、超日本的な、というか、庶民的なというか、サブカル的というか…
裏に日本人がいるな、、、と思いました、、、
こんなメニュー、絶対に日本人しか思い浮かばないはず…
なんですけど…
実は、、、(もったいぶる)
とにかく気になったのが、、、
牛丼!!
牛丼っすよ!!!
ドイツに牛丼!?!
しかも、SMLと三種ある!!
げげげ…
まじっすか?!?!
小、並、大、ですよ、、、汗
なんすか?!?!これ…
さらに、カレーに、親子丼?!?!
ジャパニーズなポップカルチャーすぎるだろ?!?!っていう。。。
残念ながら、ラーメンはありませんでした。
でも、いいんです。牛丼があるのなら…
(しかも、この牛丼、すごい人気で、わざわざ遠方から食べに来る人もいるんだとか…)
ジャーン!!
見てください!!!
これが、ドイツの牛丼です!!!
おおおー。すげー。本当だわ。。。
しかも、お肉がきちんと超薄切りになっていて、やわらかいお肉になっています。
なかなか本格的です。どう考えても、他国の人がやっているお店じゃない。
また、アメリカ経由のSUSHI系のなんちゃって日本食堂でもない。
全然、ベクトルが違う。(こっちには、アジア諸国系の日本料理をミクスチャーしたお店が本当に多い!)
日本ならではの「アウラ」がある。日本を知らなきゃできない味、というか。
間違いなく、ここの経営者は日本人だ!、とこの時、強く思いました。
甘み、旨み、程よいしょっぱさ、間違いない日本の牛丼ですよ。。
玉ねぎもいっぱい入ってます。
ゴマがふりかかっているのは、ここの特徴でしょうか。
心なしか、日本の牛丼よりは脂身が少ないかなぁ。
日本人は、こっちの人に比べて、ファットなものを好まないので。。。
さらに!!!
ここは「吉野家か!」って叫びたくなる生姜まで。
吉野家のような真っ赤な紅ショウガじゃないですけど。
こっちで入手できるよい生姜だと思います。
牛丼と生姜の組み合わせは神レベルですからねー。
いやー。。。
それに、ご飯も限りなく日本のお米っぽい感じでした。
箸が異様に細くて、ちょっと食べずらかったかなぁー。。。
(日本人のお客さんもみんなスプーンを使うって言っていました)
そして、こちらが親子丼。(一人で二つ食べる客というのもそうそういないでしょうね♪)
手作りっすよー。
いやー。こりゃ、もう、間違いなく、日本人の親子丼ですよ。
定食屋、あるいは町の食堂、大衆食堂の味わい。
で、ヴィジュアルは、原宿とか渋谷とかにありそうなオシャレな盛り付け。
こちらも、「旨味」がしっかりあって、甘さもあって、なかなかの一杯でした。
若干、旨みが足りなかったかなぁ。親子丼は難しいですからね。。。
誤解なく言えば、「家庭で作る素朴な親子丼」という感じです。
でも、そんな親子丼をドイツで提供しているっていったい?!?!
ご飯はこんな感じですね。
日本人が食べても、何の違和感もないお米。そして、味わい。
うーん、、、
***
これはいったい、、、
誰が作っているんでしょうね。
上にも書きましたが、日本人の姿はない。かといって、他のアジアの人が働いているわけでもない。
頑固そうな職人がいるわけでもなければ、チェーン店っぽいわけでもない。
いったい誰が?!
その「誰」が、まさにイマドキ、さらにはこれからのドイツの日本レストランのキーパーソンになると思います。
そう断言します。
これから、ドイツは変わっていくのです。
ジャーン!!!!
見てください。この若い知的そうな女性を。
この人、このお店で一生懸命動いていました。
どう考えても、「バイト」にしか見えなかったのですが、この方が店主さんなんです。
ひょへー・・・・
この方、エファ・ライボヴィッツ(英:リーボヴィッツ)さんと申します。
Eva Leibovitzさん。
このライボヴィッツさんこそが、この「チビの屋」の仕掛け人、否、店主さんなんです。
もう、僕はピーンときました。
「あなたは、大学でヤパノロギー(日本学)を学び、そして日本に留学していましたね?」
そうしたら、その通りでした。
「私は、日本のTG大学に一年間留学し、日本語と日本の文化・文学を勉強しました。日本史が好きでした。沖縄、広島、京都、奈良を含め、色んな所にいきました。ヴィジュアル系はおかしいと思います(苦笑by kei)。私は、日本の漫画が好きで、日本語に興味をもちました。セーラームーンが私たちの世代です。セーラームーンが好きだったんです」
セーラームーン…
そうかー。その時代かー、、、
いつ頃かなー。それこそ10年以上前くらいに、一時期、こっちで日本のアニメがバンバンやってた時期があったなぁ。ピカチューとかも、大人気だった。その頃なのかな。もっと前かな?
そして、彼女はドイツのトリーア大学に戻り、色々と考えた末に、「日本のご飯をおいしく食べられるお店を作ろう」と決意したそうです。店内はそれほど広くなく、それこそ日本のラーメン屋さんくらいの大きさです。なので、あまり色んなことはできない。そこで、メインコンセプトに「日本のお米」を据えて、その日本のご飯を美味しく、かつこちらの人に知ってもらえるように、とこのお店を始めたんだそうです。
素晴らしい!
おそらく2000年以降かな。日本にあこがれたり、日本に興味をもつドイツ人(あるいはスウェーデン人や他の国の若い子たち)は増えました。日本のポップカルチャーに憧れ、それを学びたいとおもう学生が増えました。
その学生たち(ポップカルチャー第一代)も、いよいよ社会に飛び出す時期にきている、というわけです。
とすれば、そのポップカルチャー~サブカルチャーが、ドイツで「商売」になるのも当然なわけです。
彼女が選んだのが、「牛丼」「カレー」「親子丼」でした。
どれも、日本が誇るスーパーB級グルメです。
これは、かなり「先見の目」がありました。
たしかに、ラーメン以外にも世界的にユニークなB級グルメは日本各地にいっぱいあります。
それを、誰がどこでどう紹介していくか。
それが、今後の日本経済にもしかしたら大きな影響を与えるかもしれません。
「Ramen」だけじゃない。「Gyudon」も、「Oyakodon」も世界のB級グルメになるかもしれません。
そして、それを実現するのは、日本人か、それともこっちの人たちか。
彼女は、もしかしたら、ドイツの牛丼文化のパイオニアになるかもしれません。
もしかしたら、ケバブ屋さん以上に、牛丼屋さんが増えるかもしれません。
彼女は言っていました。
「いずれは、チェーン展開していきたい」、と。
彼女の野心はどこまでも大きそうです。
女性店主さんらしく、厨房はとにかく綺麗で清潔でした。
親子丼を作っている最中のライボヴィッツさん。
奥にも寡黙で結構美男子の若いドイツ人の男性がいました。
学生っぽい感じだったかなぁ。
お茶。
なんとここでは、一杯目のお茶は無料。二杯目からもたった50セント。
安くて、サービスもよいとあって、営業途中に売り切れることも多いんだとか。
若いドイツ人たちにこれが大うけしていて。
ますます、トリーアは日本文化的な色合いを強めていきそうですね。
東京タワー。
彼女が大好きな一枚なのでしょうね。
東京タワーは、ドイツ人の心も打つ素敵なタワーなんですね。
僕も、もう一回くらい、東京タワーを見に行こうかなー。
それに、今やっているバンドのある曲の大きなコンセプトですからね。
かわいいキャラです。
これ、なんていう名前だろう???
トリーア大学の日本学科には、なんと300~400人くらいの学生がいるそうです。
全ての学生が日本学専攻で卒業するわけではないといいますが、、、
それに、トリーア大学は、早稲田、東京学芸、大東文化等、数々の日本の大学と提携していて、たくさんのここの学生が日本にやってきています。
きっとね。こっちでは、「日本を学びたければ、トリーアへ行け」という感じなのでしょうね。
いやはや、、、
凄いお店を見つけてしまいました。
トリーアに行く日本の皆さんも、是非一度このお店に行って、応援してあげてください!
もちろんライボヴィッツさんは日本語がペラペラです。
そうそう、親子丼の時に、「ふわふわがいい?」って聞かれました。
ふわふわって、、、汗
それくらい日本の語感にも長けています。
ふわふわには驚いた…
とにもかくにも、
トーリアには、めちゃめちゃ日本のポップカルチャーが好きな若いドイツ人女性が営む牛丼・カレー・親子丼専門店がある!!、ということです。これは、もっと日本国内でニュースにしなければならないと思います!
NHKも民放も、はたまた雑誌も新聞も、彼女に注目です!!!