1991年(平成3年)に三共から登場したデジパチ「フィーバークリスタルII」
★賞球:7&15 ★大当り確率:1/256 ★出玉:約2300個(16R)
★小デジタルの確変機能付き(但し、メインデジタル確率は不変)
・突入条件は(1)大当り終了後 (2)朝一からメインデジタルを150回転まわした後
・確変状態は、突入後メインデジタルが120回転するまで継続。但し、確変中の大当りで終了
最近紹介した三洋の権利物「ニューヨーク」(1991年)を打っていたM遊園駅「ニュ〇ギンザ」で、同時期に本機も追っていた事を思い出し、記事にした次第である。
もう21年も前の機種なので、細かいスペックをお忘れの方も多いだろう。あらためて、解説を加えたい。
ちなみに、同年には平和から「ブラボークリスタル」という新要件デジパチも出たが、本機とは全く関係がない。また、ニューギンからも、数年後に「エキサイトクリスタル」という時短デジパチが出ているが、本機の名称を参考にしたかは不明。
本機は、同時期に登場した「フィーバークリスタルI」(1/230、保1連チャン機、電チュー非搭載)の兄弟機である。液晶画面などは両機種共通だが、内部スペックは大きく異なる。なお、「クリスタルI」の詳細なスペック紹介は、別の機会に譲る。
3ケタのメインデジタルは、3色カラーの液晶デジタルを採用(三共初の液晶デジタル搭載機が、「Fクリスタル」シリーズである)。緑、黄色、赤(オレンジ)の3色が、ブラックに映えて美麗だった。また、縁取りなど、絵柄の立体的な形状も特徴だ。
通常時のデジタルは緑がベースだが、リーチ時は左&中デジが黄色に変わる。同時に、右デジタルのみ緑色で変動を開始し、停止した瞬間にパッと黄色へ戻る。また、大当り時には、香ばしいファンファーレと共に、メインデジタルが赤く点滅する。
メインデジタルの両脇には、「GO」と書かれたスルーチャッカーが存在。玉が通過すると、メインデジタル上の2ケタ小デジタル(7セグ)が回転する。
小デジには「0、3、5、7」の4つがあり、3、5、7のゾロ目が出ると、ヘソ下の電動チューリップ(7個戻し)が5.9秒又は5カウントまで開放。電チューはスタートチャッカーも兼ねており、メインデジタルの回転率アップが見込める。
但し、当時は盤面左のスルーを潰す店が多く、実際には通常時小デジが回りにくかった。普段から電チューがパカパカする店は、かなりの優良店だったといえるだろう。
さて、本機の大きな特徴が、小デジタルの確率変動機能を搭載した点である。大当り確率が「1/256」と、当時のデジパチにしては低いのはこの為である。
通常時、小デジタルの当選確率は1/30だが、確変に入ると10倍の1/3にアップする。これにより、持ち玉を減らさずにデジタルを回す事が可能(釘と止打ち次第で玉増加も見込める)。確変中は、盤面両サイドのランプが点滅して告知。
ただし、確変状態は、突入後メインデジタルを120回まわすと終了する。確変途中で大当りした場合も、その時点で確変は終了(ループなし)。
先述の通り、左のスルーを潰す店が多発した為、確変中は右打ちに切り替えて消化するケースが多かった。私が本機を打っていた「ニュ〇ギンザ」でも、店員が客に右打ちをアドバイスするシーンを良く見かけた。
確変突入の条件であるが、冒頭に書いた通り(1)大当り終了後(全ての絵柄で突入)、(2)朝一からメインデジタルを150回まわした時、の二つ。前者については、大当りと確変が1セットの為、1回の当りで出玉3000個が期待出来た(但し、電チューの開放に合わせた止打ちが必須)。後者については後程説明する。
この時期、すでに奥村の「ドリームEX」も同様のスペック(コチラは大当り後&朝一127回転後)で人気となっていたが、当時の内規に反していた為に「販売自粛」となった(のちに後継機「ドリームZ」が登場)。
※(記事を一部差し替え)なお、本機もEX同様に販売自粛を余儀なくされ、以後は同様のスペックを持つデジパチが発売禁止となった。
さて、前述した確変突入条件(2)について。朝からパチ屋に通う熱心なファンにとって、電源オンからメインデジタル150回転で確変に入る本機の「モーニング機能」は、大きな魅力であった。
当時、朝一といえば何といってもパチスロの時代である(最初からボーナスが入っている「モーニング台」があった時期)。一方、パチンコの場合は、「午前中は無制限」「先着〇名は、ハネモノ打止個数アップ」など有利なタイムサービスはあったが、機種そのものにモーニング機能が付いた台は、それほど多くなかった(ex…ドリームXの朝一「000」狙い、ドンスペシャルBやF・レクサスIVDの朝一単発打法、ターンバックの朝一狙いなど)。
しばらくすると、デジパチのフィーバーフェスティバルI、春夏秋冬、綱取物語、スーパードーム、アレパチのアレジン、エキサイト、CRビッキーチャンス、ハネモノのビックリハウス2など、様々な「モーニング台」が登場(CR機の確変状態台や、たぬ吉の「V」仕込み台もあったな…)。そういう意味で、本機はいわば、モーニング機能搭載機の「ハシリ」ともいえる。
ちなみに、本機の朝一出目は「000」(7セグも「00」)で、朝イチ台を探す目安となった。但し、店によっては「カニ歩き対策」として、開店前に出目を崩す対応を取っていた。
(朝一状態)
確変時は、止打ちによって効率的に玉を増やす事も可能だった。小デジタルにもメモリーランプが付いており、メモリー満タン時は電チューに玉を5個拾わせた後、即・打ち出しをストップする方法が有効だ。
(当時の三共の台は、こんな感じでストップボタンを活用。懐かしいワンショット。)
この打ち方で、確変中の120回で当りが来なくても、純増で約700個の玉増えとなった。一方、確変中に大当りすると、その時点で確変終了となる(大当り後のループは無し)。但し、展開によっては、朝一150回転後に確変突入⇒確変中に大当り(確変終了)⇒保留玉で連チャン(初当り)⇒再度の確変突入⇒確変中に大当り(確変終了)、という黄金パターンで、短時間にドル箱をポンと積むこともあった。
保留玉での連チャン性について…兄弟機「クリスタルI」は、明確な保1での連チャンが仕込まれていたが(連チャン率10%)、本機(クリスタルII)の連チャン性については、当時メーカーからの明確な説明はなかった(ある意味、当然であるが…)。一応、「弱性の連チャンアリ」とする攻略誌も存在、個人的にも保留連チャンの経験アリ。現在、詳細な解析について資料調査中。
★追記…追跡調査により、フィーバークリスタルIIの大当り判定方法は、当時の三共デジパチお得意の「2段階判定方式」である事が判明。一次判定…1/16、二次判定…1/16となっている。但し、肝心の連チャン性については、いわゆる「保留玉1個目でのフリーパス」処理が行われているかが不明である。もし保留連チャン機であれば、連チャン率は1/16(6.25%)の「弱性連チャン機」となるが、現時点では詳細不明の為、さらに調査を続ける。