もう、13年ほど前になるが…
一時期、妙に面白くてハマッたパチスロに、サハラ(NET、4号機)というのがあった。
(「サハラ」…NET、1998年登場)
(ボーナス確率)
BIG REG
設定1 1/273 1/862
設定2 1/260 1/862
設定3 1/248 1/862
設定4 1/240 1/819
設定5 1/240 1/606
設定6 1/240 1/481
文字通り、アフリカのサハラ砂漠をイメージしたこの台。
絵柄も、スフィンクス、クレオパトラ、ラクダなど、ちょっと風変わりなものばかりだった。
なぜ、こんな「超マイナー台」に入れ込んだのか、自分でも正直良く判らない。
しかし、連日のように、残業そっちのけで職場からサハラ設置店へ直行する時期があった。
確か、東京・四ッ谷の新宿通り沿いにある「エース」というパチスロ専門店だったな。
もう閉店したが、掘立小屋のような小店で、すぐ近くに「コメット」というパチ屋もあった。
さて、この「サハラ」であるが、ボーナスが成立すると、全リール停止後に、リール窓上部にある2箇所の「CHANCE」ランプが点滅する。
そう、リーチ目不要の「完全告知台」である。
NETの25パイ仕様で、最初に告知機能を搭載したのがコイツだった。
まぁ、この単純明快なゲーム性が、深くハマッた原因の一つかも知れない。
とにかく、「CHANCE」ランプを光らせることに、命を懸けていた(…というのはオーバーか)。
さらに、ビッグボーナス中は、非常に簡単なリプレイ外しで、獲得枚数を増やすことができた。
この台には、ビッグ中のジャックイン絵柄が「ラクダ」と「スフィンクス」の2種類存在する。
で、順押し時には、「スフィンクス」絵柄を優先的にテンパイさせる制御になっていた。一方、変則押しではラクダが優先テンパイする。
スフィンクスは、右リールで簡単に外せる配列だった。テンパイ時には、右リールに「BAR」絵柄の付近を狙う事で、リプレイは外せる。しかも、「BAR」は赤く光っていたので、目押しもかなり楽だった記憶がある。光るBARを、枠下辺りアバウトに狙えばOKである。ハズシコマ数に12コマの余裕があったので、まず失敗する事はなかった。
当時の4号機は、アルゼ系など手順が複雑で難易度も高めのハズシが多かった。そんな中、サハラの簡単ハズシは、仕事で疲れた目に大変優しかった事を覚えている。
因みに、ビッグボーナス中に「2種類のJACIN絵柄」を初めて採用したのは、同じNETの「トリップデビル」である。比較的名の通った台なので、打った方も多いのではないか。
その後、ラインズセブン(NET)、ビンビンカミサマ(サミー)、メキシカンCT(北電子)など、多くの機種が、このダブルJACIN絵柄を採用している。
さて、このサハラ、時系列データ上は「新基準4号機・大量獲得タイプ第一弾」となっている。
一応、「ビーマックス」「大花火」などと同じカテゴリーに属する訳だが、スペック上、それ程大量のコインは獲得できなかった。
正直いって、ハズシ効果の高いA400の旧基準機に、毛の生えたような程度の獲得枚数である。メーカーは「A-450」という表現を使っていた。
しかし、「大量獲得」という新システムを切り開いた意味では、画期的な台であったといえる。
実際、本機と同時期にサミーから発売された新基準機のビンビンカミサマの方は、本格的な大量獲得機としてヒットしている。
サハラも、ビッグボーナス中にガッツリ枚数を稼げるタイプだったら、少しは名を残す事も出来た筈だ。
でも、あのビッグ中の妖艶なBGMなど、他機種には無い味があって、ホント好きだったな…。
そんな訳で、ハッキリ言ってドマイナーな「サハラ」を打ちに、当時の職場である二重橋前から四ッ谷まで、仕事終わりにタクシーで直行する「異常行動」を取っていた自分。
そこまでアツくのめり込んだのは、仕事のストレスの反動だったのだろうか?
まぁ、今となっては、良く覚えていないが…。
こうして、四ッ谷でサハラを堪能した後は、勝っても負けても、店の裏通りの「熊っ子」という小さなラーメン店で、「味噌バターコーン大盛」を食べて帰るのが決まりだった。
あのラーメン屋、暫く振りに行ってみたら、もう潰れていたな…。
サハラを設置していた四ッ谷「エース」だが、ある日、訪れるとシャッターが下ろされていて、「閉店」の貼り紙が貼ってあった。
その後、跡地には「OASIS」(オアシス)という新規のパチスロ店がオープンした。「高設定多数」をウリに、若者達の人気を掴む事に成功する。しかし、私の好きだったサハラは、外されていた。
新しい「OASIS」でも遊んだが、やはり、お気に入りのサハラがない四ッ谷は、魅力のないエリアになってしまった。
因みに、「OASIS」も暫くして閉店し、跡地では怪しい沖スロ専門店が営業を開始。
「沖すろ屋」という、なんとも如何わしい雰囲気のスロ屋だった。
実際、30φの裏〇ノばかりを入れる香ばしい店で、一時期は「裏沖の聖地」として人気を博した。
しかし、経営者がK察にしょっ引かれるという、衝撃的なニュースと共に閉店となった。
「エース」「オアシス」「沖すろ屋」…かつての四ツ谷のスロ屋を語る上で、決して外す事の出来ない「名店」達である。