1992年(平成4年)にマルホンから登場した新要件デジパチ「セーフティセブン」
★賞球…7&15
★大当り確率…1/245
★デジタル停止順…左→右→中
★大当り図柄…0~9、J、A、U、H、L、Pの各3つ揃い(計16通り)
★最高16ラウンド継続
★平均出玉…約2400個
★小デジタルの確変機能搭載…「7」で当るとプラス5回、「3」で当るとプラス2回の確変に突入
★連チャン性…表向きは「なし」といわれた。なお、確変中はメイン確率アップの可能性有(調査中)
★兄弟機…「サイドワインダー」(1992年)
⇒図柄不問の2回ワンセットデジパチ(大当り確率1/247。賞球「6&10」の為、出玉は少なめ)
★当時の実戦店…新宿・歌舞伎町「日拓4号店(日拓IV)」
(現「スロットエスパス日拓歌舞伎町店」)
(90年代初頭の「日拓IV」)…路地の四つ角に面した店で、当時は1Fがパチンコ、地下がパチスロだった。本機と同時期、この店のパチはアレパチや一般電役も充実しており、アメリカンドリームP1(豊丸)、フルーツパンチ(大一)、エキサイト(藤商事)、アレパッチンDX(太陽電子)などが1Fに並んだ。一方、地下スロットコーナーには、コンチI、コンチIII、アラジンII、スーバニといった定番機種の他に、同チェーンお馴染みの「アポロン」(5〇Ver)も設置。また、少し古めの2号機「スーパーセブン」(パイオニア)も、同時期ここでよく打った事を思い出す。ちなみに、画像の左端には、小さいながらもコンチIのポスターが見える(外国女性がアラブ風の黒装束を着たもので、横に書かれたキャッチフレーズは「誰も観た事のない新大陸へ」)。
マルホンの新要件機というと、ソルジャー(’93年、権利物)やびっくりマン(’93年、権利物)といった「ドットデジタル」を思い浮かべる人が多いかもしれないが、’91~’92年には、このテのカラー7セグ(LED)を使ったデジパチも多く出ていた(旧要件機「パールセブン」⇒「ロータリーセブン」の流れか)。
同社の新要件デジパチは、「ウルトラセブン」(’91年)のドラムに始まり、「スーパーダイヤ」(’91年)でお馴染みのデカデジ(7セグLED)、「スーパーゴールド」(1992年)等にみられる変則デカデジ(7セグLED)、「スーパービジョン」(’92年)に代表されるカラー液晶、そして本機のような分離型7セグ(LED)と、ドットが定番となるまでに多くの「試行錯誤」を重ねてきた。これを「迷走」と揶揄する向きもあったが、個人的には、むしろ「積極的な挑戦」だったと考えたい。
なお、’92年の段階でマルホンの新要件ドットが皆無という訳ではなく、「ミステリーワールド」「スーパーワールド」といったドットデジパチが、本機と同時期に登場。その他、’92年のマルホンは権利モノでもドット物を多く発売。フォーミュラー、ウィンダムZ、ミラクルショット、レビュー、スーパーライナー、マジカルなど多彩だが、やはりマイナー機で終わったモノが多い。
本機は、左・中・右の各デジタルが、それぞれ透明のケースに入って、分離したような感じだった。これは、マルホンでは先行機の「スーパーズーム」「ハッピーズーム」「アクションズーム」(’92年のデジパチ「ズーム」シリーズ)で初採用※されたものだ(その後、「ピンクレディ」でも採用)。
※個人的な見解では、1991年に出た平和の確変デジパチ「ダイナミック7」が、このタイプの「原型」のような気がする。さらにいえば、同社の旧要件機「グリース」的な要素も感じる(外観的な意味で)。
本機のリーチは、左右デジタルがグルグルうねるように半回転しつつ、中デジタルが前後にピョコピョコと動く、独特のアクションが面白かった。また、大当り中も、V入賞すると中デジが奥に引っ込み、左右デジが扉のように中央に寄ってくる、特徴的な動きを見せた。さらに、マルホンお馴染みの「けたたましいリーチサウンド」も健在だった。
ちなみに、デジタル上部には「SIDE WInDER」の英字ロゴがある。一見すると、兄弟機「サイドワインダー」のものと勘違いしそうだが、これは機種名の表記ではなく、「左右両サイド(SIDE)のデジタルが、うねるようにクルクル動く(WIND、ワインド)」という、本機のデジタルアクションを示唆したものであろう。
(※後に確認したところ、兄弟機「サイドワインダー」のデジタル上部にも同じロゴがあった。)
さて、本機は「6回ワンセット」の確変機能を搭載したことでも知られる。「確変」とはいっても、メインデジタル確率がアップするという意味ではなく、小デジタル確率が上がって、始動チャッカー用の電チューが開き易くなるという事だ。
6回ワンセットデジパチの元祖は、京楽の「フルーツパラダイス2」(1992年)である。「7で当るとプラス5回の一撃14000発」の謳い文句で話題となり、一躍人気機種となった(釘もシブくなりがちだったが)。このフルパラ人気にあやかって、他メーカーも同タイプの6回ワンセット機を、続々と登場させた。西陣は「プリプリショットP-2」(1992年)、ニューギンは「エキサイトカップ3」(1992年)、そしてマルホンは本機で対抗した訳だ。
この状況に対し、京楽も本家の「意地」を見せて、「宝島」(1992年、京楽)及び「ペットショップ」(1992年、まさむら…当時、京楽とOEM関係)をすかさず送り込んだ。この2機種は、6回目(確変最後)の大当り図柄が「7」の場合、さらにプラス5回の確変が始まる「超爆裂スペック」に改良されており、フルパラ2に追随した他メーカーとの「差別化」を図ったともいえる。
一方の本機は、「7で当るとプラス5回」(14000発、ループなし)というフルパラ2の特徴に加えて、「3で当るとプラス2回」(7000発、ループなし)という特典も付いていた。幾ら大量獲得タイプでも、肝心の「7」が引けないと、その恩恵にあずかる事は出来ない。だが、本機は全16図柄中、3、7の2通りで当れば確変に突入する(1/8)。弱い方の「3」で当っても「3回権利物」並みの大量出玉があった訳だ。しかも、確変突入の期待値が他の6回ワンセット機より高かったので、やはり大きな魅力があった。
なお、確変中は、小デジタル確率が1/16から1/1.6に10倍アップする(止打ちで節玉も可能)。一方、メインデジタル確率は通常時と「不変」との建前だったが、実際に確変に入ると、次回大当りが早め(100回以内)にポンポンと来た印象も残る。即ち、確変中は小デジのみならず、メイン確率もアップさせる「カラクリ」※が、内部的に仕掛けられていたかもしれないのだ。ただ、本機で確変に入った経験が、「3」「7」合わせても計5、6回しかないので、単なる「確率の偏り」だった可能性もある。この辺りは、今後も調査を続けたい。
※同社の確変デジパチ「サイドセブン」(1993年、確率1/515、「3、7」以外は3回セット、「3、7」だと単発)では、確変中にメイン確率もアップする事が、当時の解析によって裏付けられている。サイドセブンでは、確変中「連続回し」をすると、保留1個目が絶えず上書きされて、「1/64」という高確率で抽選を受けられる仕組みだった。一方、節玉の為に確変中「止打ち」すると、「連続回し=保1上書き」の機会が減って、1/515の通常確率で抽選され易くなっていた(⇒確変ハマリの原因)。
もし、本機がこれと同じシステムなら、確変中の止打ちは危険となるが、実戦上、止め打ちして大ハマリした記憶はない。まぁ、元の確率がサイドセブンより遥かに高い「1/245」なので当然かもしれないが、ひょっとすると、止打ちせずに確変時ブン回すと、高確率で抽選された可能性もある(要・継続調査)。
当時はこんな確立だったとは知りませんでした。