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古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

映画「マルサの女」(1987年)、パチンコロケ続報

2014-12-06 17:36:00 | その他パチ・スロ関連

今から約3年前、当ブログで昭和末期の日本映画「マルサの女」(伊丹十三監督作品。1987年公開。「脱税」がテーマ。)の「パチンコ店ロケ」について取り上げた事がある。


コチラの記事
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/548d9a23aa069d43633e179a2ed2176e



私は学生時代から、本作はじめ「伊丹作品」(お葬式、タンポポ、マルサの女2、ミンボーの女、スーパーの女、あげまん、マルタイの女…etc)のファンであった。

社会の「闇」に鋭く突っ込む追及姿勢、先見の明を感じる斬新なテーマ、事前の綿密な取材活動、ミリ単位の構図にも拘ったという妥協なき撮影姿勢、絶妙なキャスティング、そして「正義と悪」という分かりやすい構図で「カタルシス」を感じる内容…私にとっては、まさに「病み付き」になる作品の連続であった。それだけに、1997年に伊丹監督が亡くなった時のショックはあまりに大きかった。

その伊丹作品の中で、「パチンコ」絡みのロケシーンがあるのは、本作(マルサの女)のみだった。
(なお、続編「マルサの女2」では、主人公の板倉亮子(宮本信子)が、エリート新米査察官の三島(益岡徹)を現地調査に連れていき、「このラブホテル、このナイトクラブ、このソープランドとあちらのパチンコ屋、みんな鬼沢(三國連太郎、宗教法人理事長)が影のオーナーだ」と伝える場面がある)

そこで、3年前の記事では、レトロパチンコ的な観点から、本作で登場したパチンコ店での撮影シーンを、出来る限り詳細に「分析」した(背後に映る台の機種名、店内で聞こえる機種サウンドの正体、亮子が大当りしたデジパチの機種名など。詳細は過去記事参照)。

しかし、ただ一点、「ロケ地となったパチ屋が、どこの何という店か」に関しては、全く分からずじまいだった(エンドロールの「撮影協力」クレジットでも確認できず)。

私が一番知りたいのが、まさに、その部分だったのだが…。

その時は、映像の様子や本作ロケ地の「傾向」から、小田急線・経堂駅南口商店街の「ミナミ」が怪しいと睨んだのだが、その後の「追跡調査」で、かなり有力と思われる情報を掴んだので、報告したい。


先日、たまたま同作の「メイキング」映像を見る機会があった。このメイキング作品は、本作公開と同年にリリースされたもので、私自身、’90年代に地元のレンタルビデオ屋で、2,3回ほど借りた記憶があるが、その時は、特にパチ屋の「正体」に注目することなく、ごく普通に視聴したのみだった。

だが今回は、パチ屋絡みの情報はどんな細かな物も見逃すまいと、かなり綿密にチェックした。

その結果、メイキング映像の中に、以下のような場面があるのを確認する事が出来た。



ロケ地となったパチンコ店の入口で、主役の宮本信子(税務調査官、板倉亮子)が、共演者(故・小沢栄太郎、パチ屋の顧問税理士)と撮影前に談笑するメイキングの場面だが、入口前に置かれた花輪に、「シルクロード」と書いてあるのを偶然見つけたのだ。

メイキングでこのシーンが映るのは一瞬で、しかも本編では映らない為、今まで全く気づかなかった。

もちろん、「花輪」といっても、撮影用に作られた「架空」のものである可能性は否定できない。

しかし、「シルクロード」というパチ屋は当時現存しており、本作のロケ地を突き止める上で、大きなヒントとなる事は間違いない。


次に、当時「シルクロード」という名のパチ屋があった、首都圏の各エリア(淵野辺、鴨居、千歳烏山、etc)と、映画本編のシーンを結びつける「手がかり」はないかと、本編映像を繰り返し確認した。

すると、伊東四朗演ずるパチ屋(大幸商事)の社長(大嶋幸蔵、赤ジャージ姿)が、脱税を疑う調査官・亮子(宮本)の厳しい追及を受けて、ついに「逆ギレ」して店を飛び出した後、電柱にしがみついて泣きわめくシーンの中で、その「手がかり」らしきものを見つけた。



赤い矢印で示した、画像奥・上部に注目して欲しい(人物は、右から伊東、小沢、宮本)。

残念ながら、手前の人物側に照準が合っている為に、奥は「ピンボケ」状態で確認しづらい。

だが、よく見ると、矢印の部分は小さな「看板」で、青地に白で「6〇〇」と思しき文字が書いてある。

そこで、「シルクロード」があった各エリアの画像をストリートビューで調べたところ、これまた偶然にも、京王線・千歳烏山駅の商店街の一角に、こんな看板があるのを発見した。


(C)Google

「6番街」と書かれた、小さなブルーの看板。

これは、京王・千歳烏山駅北口(西口)「6番街商店街」という、昔ながらの商店街の路地にある。

そして、実はこの「6番街」沿いで、かつて「シルクロード」という名のパチ屋が営業していたのだ。
(既に閉店。現在はマンション)。すぐ近くには「サンシャイン」というホールもあった(現「Mr.D」)。

(参考)京王線・千歳烏山駅周辺のパチンコ店マップ(1990年)
http://blog.goo.ne.jp/selfconfide777mc/e/4e6e11fa71beb0703224c2e81c3c6db1


元の映像がハッキリしないので「断言」は出来ないが、看板の色が青で、数字の「6」の字体も似ている。その後ろに続く「〇〇」の不鮮明な文字も、こうなると「番街」に見えてくるから面白い。

この事から、本編でボンヤリ映っていた青い看板は、恐らくこれと同じタイプ(看板の設置場所は違うかもしれない)と思われる。


これらの情報を勘案した結果、本作のパチンコ店ロケは、千歳烏山駅北口「シルクロード」で撮影された可能性が高い、との結論に達した。


長らく不明だったロケ地が判明して、やっとスッキリした気分だ(少々「見切り発車」的な感じもするが…)。

今後も、情報の精度をより高めるべく、引き続き調査を行い、新たな情報を掴み次第報告したい。


まぁ、「こんな古い情報を発掘して、今さら何の意味があるのか」というツッコミもあろうが、ご存知の通りの完全な「自己満足ブログ」なので、聞く耳は持たない。この記事も、一部の「少数派」に届けばOKである。



4 コメント

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Unknown (じょい)
2014-12-06 21:31:32
このブログはホントスゴイ。
タイムマシーンみたい。
毎日更新をチェックしてます。

今回のネタも細かいですねw
マルサの女のパチンコ屋は私も印象深かったので、豆知識が増えました。w

あと、いつも載っている当時のお店の風景写真はブログ主さんの撮影ですか?

よくこんな写真を撮って残ってるな~といつも思ってます。
昔の写真なんて、今じゃ絶対、それこそタイムマシーンが無いと撮れませんよね。

地方在住ですが、当時のお店の写真なんか絶対手に入らないですね。

あの雑多な感じの当時の町の雰囲気がパチンコ屋のたたずまいと共に感じられてすっごい好きです。
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Unknown (たろへい)
2014-12-07 02:26:05
出て来た地名全てに行った事あり、マルサの女は観た、1986~7年に千歳烏山なら行った事ある。
と、今回の記事はとても身近に感じ懐かしい気分に浸ってます。

記事のまにあっく具合は感動レベル、ラストの自己満ブログを謳う件は斬れ味バツグン、読んでいて豊かな気持ちになりました(^_^)
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Unknown (折口)
2014-12-07 09:57:28
脱帽です
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Unknown (um@)
2014-12-08 01:35:54
ぷぷぷ(笑、失礼しました)書き手のセンスでしょうか?古い写真、映像からの推理に笑ってしまいました。最近少なくなった祝花輪を見て忘れていた記憶が繋がり むさいコメントお許し下さい。昔開店花輪を持ち帰る人にびっくりして声かけた事があります。"縁起物、祝いは生きていてなかなかないよ"、うわー本当かい!なんてありました。開店ではお馴染みのチンドン屋も記憶に繋がり、、はぁ年なのかなぁ。
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