こんにちは。
カズオ イシグロさんの【わたしを離さないで】を読みました。
2017年にノーベル文学賞を受賞されたことで、私はそのお名前を知ったしだいです。
これまで、カズオ イシグロさんの本を一度も読んだことがありませんでした。
たまたま何か読みたいなと思っていた矢先、新聞に紹介されていたので早速、電子書籍に取り込んで読みました。
主人公の丁寧な語りで、主人公が育った施設ヘールシャムの話から始まるのですが、読み進むにつれ謎めいたミステリーみたいになっていきます。
介護人や提供者という言葉が出てくるのですが、私にはそれがどういうことか分からないまま物語が進んでいきます。
主人公たちが大人になるにつれ、彼らが臓器を提供するために創られたクローンであることが分かり絶句しました。
臓器を何回か提供したあとは死が待っています。
その運命を受け入れながら使命を全うする主人公たち。
クローンと言えども幼い頃から教育をきちんと受け教養もあり、感情も繊細です。
そうして育った子供たちの運命が重すぎました。
読み終えたあとは、得たいの知れない黒い闇と寂寥感が胸に広がっていました。
こんな感情が湧き上がって、体にいつまでも残る本作品は素晴らしいと思いました。