やきものというのは、神秘的でロマンチックなものであります。
身の回りにたくさんありますが、多くの方は磁器と陶器の原料の違いを知る機会はまれであろうと思います。
陶器が「土」が原料で、多くの場所でとれる「土」がなにがしかの「やきもの」に変化するのに対し、波佐見焼や有田焼の磁器は、ごく限られた場所でしか産出しない「陶石」という岩石が原料になっています。
磁器については、おおざっぱに言えば白かったり青みがかっていたり、鮮やかな色絵がついていたりするものが多いです。
そうした意味合いで、遠くない将来枯渇も考えられる陶石はレア鉱石と呼べる貴重なものです。
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この写真は、磁石を砕いて粉にしたものです。
機械力にない時代には、川に水車を設け、長い時間をかけて砕いていきました。
こうした材料を水につけて沈殿させ、上澄みの細かい粒子を選んで練り上げ、石の粉の粘土をつくったものを食器などに形づくっていきます。
現在、ほとんどの波佐見焼や有田焼は、熊本県の天草で産出する陶石から作られています。