時事ニュースからの随想である。
昨年暮れから、波佐見図書館さんにいろいろと調べてもらって、読んでみたかった談志の「現代落語論」(65年初版)、を当初の出版物と全集収録のものと二回も読んでしまった。
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ませたガキだということになるのだろうが、中学生くらいから談志が好きだった。
母が洋服の仕立ての店を経営していたことから、毎月、モード雑誌が何種類か届いていた。
「マダム」とか「ミセス」、「家庭画報」、「装苑」、と言う名前の雑誌だったような気がする。
もっと若い人向けのもあったが、上質の記事は若い人向けにはなかったようで、もっぱら年配者向けの文化記事の方に興味は向かっていたのを、この談志の記事を読んで思い出した。
私は、そのなかの文学や文化記事。史跡や寺社のグラフィック記事。その時代の人気作家や芸能人が思いを述べる記事が面白くて、閉店後の、シンと静かなで母の仕事場でちょくちょく記事に読みふけっていた。
今この時、そのころのことを思い出して、ソウダッタノカ!と思ってしまった。
自分というものが、心魅かれるものをもつようになったきっかけのひとつが、あのころに読んだいろいろな記事にあったことを。
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趣味志向の形成というものには、育った環境の影響は大きいのだろう。
漱石に「趣味の遺伝」という短編があったような気がするが、私が生まれた時にはすでに居なかった明治の前半の生まれの爺様たちが好んだものごとの聞き伝えを思い出すにつれ、確かに趣味の遺伝はあると思う。
もっとも、漱石の描くところは、好む女性の趣味の遺伝の話だったような気がするが・・・
母方の祖父が、休暇にやっていたことを何度も聞かされていたので、私のアタマの中では、映画の一コマのようにそのことが映像化している。
私も、その環境にあったら同じようなことをやるんじゃないかと思ってしまう。
父方の祖父の「趣味の遺伝」もワカルのだ。
その爺様が集めていたものは、私も好きでいくら眺めても未だに飽きないし楽しい。
おっと、話が脱線しまくり・・・
母の仕事場で読んだ雑誌に談志のインタビュー記事が載っていて、今でも覚えている言葉がある。
内容は、王や長島や大鵬と一緒の時代を生きているという喜び、好きな芸人と一緒の時代を生きている喜びというものはいいもんじゃないか、というようなことだった。
心魅かれる自分のアイドルがいる。また、その人の時々の活動や活躍から目が離せないという、ときめいた新鮮な気持ちをもてるのはいいものだ。
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