5月21日午前七時ごろ「源氏物語・雲隠の帖」にて、准太上天皇 光源氏様がお
隠れになりられたことを、読書中ののほほん氏が確認いたしました。。
享年52歳。
死因は詳しくは語られていませんが、最愛の妻「紫の上」を亡くされてから、たい
へん気落ちされていらっしゃったということです。
・・・・・3月から読み始めた、十巻に及ぶ長い長い物語も、主人公の死を迎え、
大きな山場を越えた。
この、光源氏の死を暗示する「雲隠」の章には、本文がまったくない。
次の「匂宮」の章の冒頭に、さらりと描かれているので読者にはそれとわかる仕掛
けになっている。よくよく練り上げられた、心憎い構成に、時を経て伝わってきた名作の名作たる所以を感じる。
さて、「雲隠」の本文だが、本来あったものが伝えられなかったのかどうかはわからない。
しかし、作者としては、スーパーヒーローの臨終のさまを描くに忍びなかったのだろう、もしくはあまりにもロマンを損なうことを恐れたのだろうか。
だが、この、章のタイトルだけがあって本文がないことによる、読者に想像力を喚起させる効果は、盛り上がるだけ盛り上がったドラマの大きな区切りとして余りあるものがある。しかも心憎い仕掛けである。
残る三巻はそのあとの時代の物語となる。
光源氏の死後の、いわゆる「宇治十帖」について、私はほとんど予備知識がない。
ここまで来たので、全てを読んでみようと思う。
読み終えるのが楽しみである。
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