食器の柄のモチーフである木賊(とくさ)と書かれる植物のことを、実用和食器の業界では十草と書くことが多い。
焼き物の製造にかかわる業者の庭先には、この植物を植えているところが過去の名残りとしても多い。
今日、長崎県窯業技術センターに行ったときに、中庭に植えてあるのを見つけて、やきものづくりに関係した植物だと聞いているが、具体的にはなんに使うのですかと聞いてみたところ、乾かすとサンドペーパーのようになるので、石膏型の仕上げに「もうひと削り」という時に便利で、実際にセンターの技師も使っているとのことで、トクサと焼き物の縁について納得がいった。
食器の柄名としての十草の柄は、似たような縦ストライプの「千筋」や「麦わら手」と混同されて命名されているが多い。
上のトクサの写真をよく見てもらうと、竹のようにフシがあるのがわかると思う。
したがって、この写真のように、線を連続して描かずに、結節を表現したように図案化して描かれたものが「十草」の柄なのである。
よく混同されるもので、このようなものは「麦わら手」であり、
このようなものは「千筋」と呼ぶのが正しいのだが、現在ではかなり混同されている。
なまえには由来があり、それを知ることが正しい表現につながっていきます。