とても寒い。

　今日もカッパを着て、あんと散歩をした。

　あんはカッパを着ない。もう嫌がることはしないようにした。濡れ汚れたら洗えば良いこだけである。

　雨の日は三沢川に行く。

　昨日よりもあんは遠くに歩いてくれた。

　あんは新しい道では警戒心から良く振り返る。「この道で良いの？大丈夫？怖くない？ちゃんと一緒に居てくれるの？」そんな表情である。

　時折、止まってはあんに「大丈夫だよ。山がきれいだね。良いね」と語りかけては楽しく接した。

　とても寒かったが雨も小雨の時に散歩したので気持ちが良かった。

　山のなかではウグイスも鳴いていた。若葉の緑がきれいだった。

　穴澤天神社の階段も嬉しそうにあんは登る。

　お参りしてから、昨日とは違う道で帰ってきた。

　毎日の何気ない散歩ではあるが、その日その日が愛しい瞬間の連続である。

　かけがえのない瞬間の連続を与えられている。