2日目の午後、シアルダーに行った。
まず、Stジョンの教会に行き、アグネスたちのお墓参りをし、そのあと、ディスペンサリーや駅周辺を歩いて回る予定だった。
シアルダーでバスを降りると雲行きが怪しくなった。
とりあえず、みんなには教会のなかで少し間、祈ってもらうことにし、自分は一人で墓に手向ける花を買いに行った。
このStジョンには良く行った。身体的にも精神的にも疲れたときに街の騒音から逃げるように静かに祈る場所を求めてきた。
ここで眠っているアグネスやプレムダンでお世話になったディミアンたちに花を買って暫く祈り、呼吸と心を整えた癒しの場だった。
シアルダーは時間帯により、その様相を変える。気が付けば、花の市は午前しかなかったことを思い出した。花の変わりにお香を買って教会に戻った。
自分も暫く祈った。
Stジョンはとても落ち着く教会である。緑も多く鳥の声が聞こえ、チャペルのなかへ陽の光りは良く入り、風も静かに祈るものたちの間を通り抜ける。
時間の流れもそのなかとそとでは違うようにすら感じられる。そこで心と身体で感じているものを丁寧に感じ、その具合を観て行く。穏やかに落ち着くものをまた少し時間を掛けて、ゆっくりと観て行く。
目で合図をし、お墓に向かった。
空は今にも雨が降り出しそうな気配、風が強く吹いてきた。
お墓に眠っている人たちの紹介をしながら、お香を立てて行った。
ゆっくりと祈る時間もなく、その強い風に運ばれ雨がついて来た。
みんなに教会に戻るように言い、自分は手を合わせ祈った。
皆が無事に旅を終えられるように。
そのまま駅の構内に向かった。
雨が止むまで何か冷たいものを飲むことにした。
そこはいつも駅の仕事が終わったあと話し合いをするために使っていたチケット売り場の二階にあるレストラン。
あまりきれいな場所ではないが、隔離された室内にいると、そこだけが守られているような感覚になり、落ち着いたものだった。仕事と離れられる場所としてあり、心を緩めることが出来た場所だった。
禁煙の波はここカルカッタにも来ていて、構内でタバコを吸う場所はない。皆、駅の入る入り口あたり吸っている。
自分はよく駅のホームの端の誰もいないベンチに座り、風を受けながらタバコをふかした。その煙が消えるまで追いながら、それは何に交わり、どこへ行くのか、それは無くなったのか、あり続けているのか、命の儚さと命のあり方、それを取り巻き包み込んでいるものを重ねて思い描くように眺めていた。
もちろん、そのレストランも禁煙だった。
雨が止むまでの暫くの間、冷たいものを飲んで待った。
体調の変化はないか、みんなに聞いた。
まだまだ初めてきたカルカッタ、目に映るもののいろいろに皆高揚していた。
それは自分とは違ったもの、いや、忘れてしまったものなのかどうか、彼らが感じていることを自分もまた感じ直そうと試みていた。
ただ目に映るものすべてに愛しき思い出のあるシアルダーのなかにいて、自分の心のなかの高揚があり過ぎるがために、彼らのそれを丁寧に感じれないことのないように心を落ち着かせようとし、雨の止むのを待っていた。
{つづく}
まず、Stジョンの教会に行き、アグネスたちのお墓参りをし、そのあと、ディスペンサリーや駅周辺を歩いて回る予定だった。
シアルダーでバスを降りると雲行きが怪しくなった。
とりあえず、みんなには教会のなかで少し間、祈ってもらうことにし、自分は一人で墓に手向ける花を買いに行った。
このStジョンには良く行った。身体的にも精神的にも疲れたときに街の騒音から逃げるように静かに祈る場所を求めてきた。
ここで眠っているアグネスやプレムダンでお世話になったディミアンたちに花を買って暫く祈り、呼吸と心を整えた癒しの場だった。
シアルダーは時間帯により、その様相を変える。気が付けば、花の市は午前しかなかったことを思い出した。花の変わりにお香を買って教会に戻った。
自分も暫く祈った。
Stジョンはとても落ち着く教会である。緑も多く鳥の声が聞こえ、チャペルのなかへ陽の光りは良く入り、風も静かに祈るものたちの間を通り抜ける。
時間の流れもそのなかとそとでは違うようにすら感じられる。そこで心と身体で感じているものを丁寧に感じ、その具合を観て行く。穏やかに落ち着くものをまた少し時間を掛けて、ゆっくりと観て行く。
目で合図をし、お墓に向かった。
空は今にも雨が降り出しそうな気配、風が強く吹いてきた。
お墓に眠っている人たちの紹介をしながら、お香を立てて行った。
ゆっくりと祈る時間もなく、その強い風に運ばれ雨がついて来た。
みんなに教会に戻るように言い、自分は手を合わせ祈った。
皆が無事に旅を終えられるように。
そのまま駅の構内に向かった。
雨が止むまで何か冷たいものを飲むことにした。
そこはいつも駅の仕事が終わったあと話し合いをするために使っていたチケット売り場の二階にあるレストラン。
あまりきれいな場所ではないが、隔離された室内にいると、そこだけが守られているような感覚になり、落ち着いたものだった。仕事と離れられる場所としてあり、心を緩めることが出来た場所だった。
禁煙の波はここカルカッタにも来ていて、構内でタバコを吸う場所はない。皆、駅の入る入り口あたり吸っている。
自分はよく駅のホームの端の誰もいないベンチに座り、風を受けながらタバコをふかした。その煙が消えるまで追いながら、それは何に交わり、どこへ行くのか、それは無くなったのか、あり続けているのか、命の儚さと命のあり方、それを取り巻き包み込んでいるものを重ねて思い描くように眺めていた。
もちろん、そのレストランも禁煙だった。
雨が止むまでの暫くの間、冷たいものを飲んで待った。
体調の変化はないか、みんなに聞いた。
まだまだ初めてきたカルカッタ、目に映るもののいろいろに皆高揚していた。
それは自分とは違ったもの、いや、忘れてしまったものなのかどうか、彼らが感じていることを自分もまた感じ直そうと試みていた。
ただ目に映るものすべてに愛しき思い出のあるシアルダーのなかにいて、自分の心のなかの高揚があり過ぎるがために、彼らのそれを丁寧に感じれないことのないように心を落ち着かせようとし、雨の止むのを待っていた。
{つづく}