新月のサソリ

空想・幻想・詩・たまにリアル。
孤独に沈みたい。光に癒やされたい。
ふと浮かぶ思い。そんな色々。

僕の苦手な絵画観賞

2024-07-17 03:55:30 | Short Short

僕は人物が描き込まれた絵が少し苦手だ。
肖像画の類なら、それは年代的に写真の代わりをしていたのだから、家族写真や個人の写真と同じで、残しておきたいのは描かれている人たちなのだな、と思える。

でも作者が描きたいと思って描いたに違いない人物画というのが、苦手なのだ。
苦手の根っこは「わからないことばかり」だからだ。
僕にはその絵のなにが優れていて、何が特別なのかわからない。

絵の中で人々は時に苦し気にうごめき、作者がなぜその人を、なぜそのように描こうとしたのかと考えた時に、僕は、描かれた人々のそれぞれの思いの中に潜ませた作者の意図に疲れる。思いがひしめき合っている。多すぎる。たとえそれが絵の中でたった一人を描いていたのだとしても、僕には、多すぎてしんどくなる。
風景や花や静物画の方が、僕の心には率直にやさしい。

もともとそんなに絵を観るのが好きというわけじゃないんだ。
でもお母さんが、「英才教育の一環」と言って、僕を展覧会に連れて行くんだもの。心の負担になるものを、果たして英才教育の名のもとに強制的に子供に課していいものだろうかと、僕は常々思っているものの、口に出してお母さんに言ったりはしない。論じたところで、子どもの僕が勝利を手にすることはないと知っているからだ。

そんな僕はまだ小学5年生になったばかりだ。
お母さんは僕のことをとても大切にしてくれる。まだまだ子どもなのだから、いろいろなものを与えなければいけないと考えてくれている。おおむねそれはとても有難い。絵画鑑賞を除けば。

そして僕はお母さんが思っているほどには子供ではない。だけど子どもの内はやっぱり子供でいることの方が都合のいいことがたくさんあるので、僕はつまり、子どもを演じているのだ。

このことは絶対に内緒だよ。




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たまゆらに

2024-07-16 04:10:40 | Short Short

白檀の残り香が鼻腔を微かにくすぐる。
私は眼を閉じいつものように夢を見にいく。
異空のカーテンをそっとめくると、ぽかんとひらけた白く澄んだ空間が現れる。その世界には、様々な光で幾重にも重なり合う過去と、今という瞬間の一点と、そして無数に広がる未来とが同時に混在している。

私はそこで叔母を待つ。
自分の過去の層の光をひとつ引き寄せ、アルバムのように見たいページを繰っていく。まだとても小さな自分が叔母にまとわりつく姿がいくつもあった。

どうしても消えない不安や、どうしても拭えない不満は、いつでも叔母がふんわりと柔らかくくるみ取ってくれた。
私のやり切れなさを、いつでも叔母が洗い流してくれた。

そんなことを懐かしく思い返しながら光を手繰っていたら、いつの間にかにこにこと元気そうな丸い笑顔の叔母がそこに立っていた。
もうすっかりこの世の縛りからは解放され、穏やかにやさしい永遠の春に、昔見た丸い笑顔で私を包む。

叔母に触れることはもうできないけれど、時空を超えた彼女の息遣いがそこにはある。私が忘れなければ、いつでも叔母はそこにいて、丸くやさしい笑顔で私を見ていてくれる。

そう思うのはまやかしだろうか。
それでもかまわない。

私はまた白檀の残り香を連れて叔母に会いにゆく。
カーテンが淡く揺れている。



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夜の結び目

2024-07-15 01:45:00 | Short Short

五月。
俺はいろんなことでモヤモヤとしていた。不完全燃焼のような物足りない気持ち悪さ。なのにやりようもなく、何かが詰まっている。
どうにもつき抜けない自分の中の何かが、コツコツと内側から催促をする。
「どうなんだ?」と。

スカッとしたかった。
昔の悪友に誘われ久しぶりに都心へ出た。
随分明るくなった夕方の繁華街を歩く。いくつか店を出入りするうち、そろそろと夜がやって来た。向かったのはマニアックな狭い「小屋」。爆音と閃光の現実逃避。

ステージに立つ彼らを幾度となく見てきた。かつては俺もそこにいた。
相変わらず、と思いかけ、今までとは違う気配の音色に気づく。発信する彼らの変化か、それとも俺か。無性に話したくなる。同時に何かが急激にしぼんでいく。

内側から巨大な壁がめりめりとそそり立ち、四方を囲んで世界を拒む。自分の中のコツコツという催促が大きくなる。
矛盾の渦に溺れそうになる。

楽屋には寄らず、心寒い夜の繁華街をそろそろとひとり戻る。
駅前の大きな橋にさしかかり、人ごみを分けて欄干越しに川を眺めると、ビル街の賑やかなネオンが川面を彩り、それはとても綺麗だけれど、なんだか妙に冷たい気がした。

終電に乗り地元の駅に降り立つ。静かな暗闇が俺の壁と混じり合う。
すっぽりと包まれた穏やかな夜の結び目で、満月に近い月が輝いていた。



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京橋の夜

2024-07-14 20:38:00 | 

京橋の夜。明るい夜。ざわめく夜。顔のない群れ。星がない街。
俯く視線のその先に何を思い何を見ている。
片手に握った文明に、誰かの叫びは届いているのか。
電光帯が夜を行く。窓に映る無数の影には、ひとつの心が宿っているのか。

鳥が朝を迎えにいく頃、私は夜の切れ端にしがみつく。
白い夜は浅い夢をとりとめなく運ぶ。
翻るカーテンが夢のページを繰っていく。

京橋の夜はどこへ消える。人々の囁きは風に乗り、昨日と明日の狭間を渡る。
京橋の夜。
ざわめきが、静かに夜を奏でるように。



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空を見る

2024-07-13 16:22:40 | Short Short

昼休み、ぼくはジャングルジムの上から空を見ていた。
友達はみんな、かけっこをしたりボール遊びをしているけど、ぼくはこうして空を見ている方が好きだ。だって空は文句も意地悪も言わないし、ぼくの話を黙って聞いてくれる。それに何よりとってもきれいだ。

今日の空は青くて青くて、ずっと向こうまで全部が青い。
眩しくて吸い込まれそうな青を見ていると、不思議な感じになる。ふわっと体が浮くような、でも体じゃなくてぼくの気持ちだけが持っていかれるような。

明るく光る空に星は見えない。それってつまり、地球が光って見えているのかな。
太陽みたいに燃えてないから、太陽に照らされているだけだから、その光は宇宙じゃぼくみたいに弱々しくて、一瞬で暗黒に吸い取られちゃって、何光年、何万光年、なんて話じゃないんだろうけど。
はじめてエンタープライズで旅立った時、カーク船長はどうやって地球に戻ってきたんだっけ。すごいなぁ。まぁぼくはピカード艦長が好きなんだけどね。

でもさ、遠くて遠くて想像もつかないくらい遠くはなれた場所で、今ぼくが見ているこの瞬間の光を見つけてくれる誰かがずっとずっと遠い未来にいてくれればいいのになって思うんだ。
そんなことを思うとき、ぼくはとってもうれしくなるんだ。

きみはどうかな。



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煙の中の祝福

2024-07-12 18:10:00 | weblog

早朝、埼玉の広い道路を歩いていた。
たぶん埼玉だったと思う。
もう何十年も前のことで、その頃の私は煙の中を歩いているように何も見えていなかったし、外からも本当には私は見えていないような存在だったように思う。だからいつも「ここにいる」と知らせるにはどうすればいいのかと、悲鳴をあげるように暮らしていた。暮らしていたのだろうか。ただ悲鳴をあげてなんとかその場を過ぎていっただけかもしれない。それは「生きている」とも、少し違ったような気がする。

私は友人の友人がバイトする居酒屋の二階にひと月住まわせてもらっていた。
美術学校の夏季特別講習に申し込んで、遠方だったのでそういう運びになった。
その仮の住まいから最寄り駅まではかなりの道のりがあり遠かったが、お金がなかったのでバス代も惜しんだ。五時や五時半に目覚めると、誰もいないバス通りをひたすら歩いた。2~3kmはあったと思う。3kmは言い過ぎかな。
がらんと広い道路に朝の光が広がって、空はこれから始まる一日の一番最初の希望のようなものを私だけに示しているようで、嬉しかった。
授業が終わると夕刻のその道をひとりまた歩く。朝とは逆の方角の空が、朝と同じように薄く光る。一日の一番最後の贈り物を見届けながら、暮れて行く道をひたすら歩いた。
煙の中にいるようだったけれど、それでもあの時間は何かに祝福されているように心強かった。

今日は朝から雨が降っている。
雨の音を聞くのが好きだ。部屋にいて、雨が軒や屋根や草木や道路で、いろんな音を奏でる。周波数のことはよく知らないし外出時の雨は面倒だが、屋内で聞く雨の音はどこに居ても心地いい。
ずっと続いているような気持になって安心する。続いて、繋がっている。幼い頃やそのもっと前や、それからまだ見ぬ未来の景色と。ひとりきりでずっといても、雨の音が救ってくれる。ずっと繋がっているのだよと。

欲を言えば、晴れていればいいなと思う。晴れていて、雨が降っている。それが素晴らしく理想だ。物理的に雨雲が空を覆うのだから雨の日は雲って薄暗い。でもたまに雲の切れ間から光が地上に投げかけられる時、昔の人はそれを「狐の嫁入り」と呼んだ。
化かされているような、でも喜ばしい、不思議な現象という意味合いだと思われるが、私は化かされているのではなく、その瞬間は天の慈愛を特別に受けているのだと感じる。
そういうものも、たぶん、あの祝福と同じなのではないだろうか。

ずっと同じものが私の中にある。
煙はもう消えたのか、それはもっと後にならなければ分からない。でも煙にまとわれていても、外からは見えない私であっても、内側から沸き起こるものは変わらないのではないだろうか。だってそれは、私の核なのだから。
そして私の中には喜ばしき景色がずっとある。それはとても幸せなことなのだと思う。


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アンモナイト

2024-07-11 19:20:10 | Short Short

息を潜めて王は待つ。
暗く冷たい石の中、解放されるその時を。

記憶の海で彼らは自由に優雅に舞っていた。風にさざなむ波の揺らぎに、悠久の時を友と過ごした。
ところがなにかに激しく弾かれて、突然すべてが変わってしまった。

気づけば此処で微動だに出来ず、真っ暗で音もなく、迷うことさえ許されぬ身の上に自分が何者なのかを忘れていった。
そのうち彼は眠ってしまった。その冷たさに眠ってしまった。
四億年の夢のあと、固く閉ざされた闇に時間はなく、やがてまた地中に鼓動が生まれたことを彼は知らない。

   ※ ❉ ※

遠くでコツンと躰に響き、だんだんにそれは近づいた。
それからは早かった。
いきなり恍惚の光に包まれてなお、私は自分が目を開けていたことにすら気づけなかった。
今ではたくさんの奇妙な生物が代わるがわる私に会いに来る。
彼らは私を讃え、鎮座する私に顔を寄せては驚いたり喜んだりするけれど・・・

あるとき彼は考えた。

この虚空にひろがるざわめきと、時を超える暗闇と、一体なにが違うのだろう。私はなにを待っていたのか。

そして王は眼を閉じる。
栄華は遥か遠のいて、彼方の果てに友と行く。
ゆらゆらと静かの海に落ちてゆく。
何億年も過ぎゆく波に、漂う夢を今もまだ。


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ガラス玉の中に

2024-07-10 14:20:00 | Short Short

空には白い月が薄くまるく、とてもよそよそしく浮かんでいた。
ビー玉のような眼を空に向け、何思う猫がその月を見ていた。
私はその小さなガラス玉に映り込んだ、さらに小さく歪んだ月を見るのが好きだった。
猫の目に映ったその月を見るたび、スノードームを思い出すのだ。

幼いころ、母がいつも使っていた古い小さな座り机があって、その上にいつもそっと置かれていた丸いガラスの置物。ひっくり返すと雪がワッと舞い散って落ちる、あのスノードームだ。

母はそのガラスの置物をとても大切にしていて、心の機微があると必ずそれを手に取り、光に当てたりひっくり返したりして、しばらくぼんやりと眺めるのが常だった。

私の育った地域では雪はあまり降らなかったが、ごくまれに寒い冬があって珍しく雪がはらはらと降るのを見たとき、どこかの誰かが、なにか心が揺れることがあったのを静めるために世界をひっくり返したのかな、と幼心に思うのだった。
その誰かの哀しみを、閉ざされた世界の中で私たちが知らず慰めているのだと。

季節を問わず母の机に置かれたスノードーム。
移ろいゆく景色を映す猫の眼の中に、幼き日々の褪せた匂いがよみがえる。
小さなガラス玉の中の、特別な世界。



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雨上がり

2024-07-09 14:35:07 | Short Short
きれいな街だな。
立ち止まって夜の通りに目を走らせる。
オレンジに並ぶ街灯の列と店舗の電飾、その先を抜けると明るいビルの照明が道の向こうに煌めいている。
街の光がすっと吹く風のように雨上がりの湿気をさらいながら通りを行くようだ。
頭の中の雑音がしんと鳴りやんだ。
角を曲がる車のライトが路傍に寄せた自転車を照らす。その金属光がいかにも繊細に車輪の骨の輪郭を描く。切りたてのグレープフルーツみたいにみずみずしい光が夜の街に浮かんで、そして消えた。
濡れた車道が街灯を鈍く映している。
ぼくはまたゆっくりと歩き出した。



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祈り

2024-07-09 00:54:06 | 

この時計の針を もう少し長くしたなら  
時間はゆっくり流れるのでしょうか
 
あのとんがった山の向こうに行けたなら 
夜明けは早く来るのでしょうか
 
あのオリーブの木で小舟を作ったなら 
あなたを迎えに行けるでしょうか

あの石垣をもう少し高く積んだなら 
今日の終わりを見届けられるでしょうか
 
この風に花の秘密を囁いたなら 
愛しい薫りを運んでくれるでしょうか
 
この空にあなたの名前を書いたなら 
夜空はあなたを癒すでしょうか


もしとても大きなほら穴を見つけたなら、その暗闇に小さな灯を灯し 
もしとても激しい雨が降ったとしても、その灯は消えることなく 
どんなに深い闇が世界に沈黙を与えたとしても、
ずっとあなたのすぐ傍で 
いつでもあなたのすぐ傍に どうか




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2024-07-08 07:48:00 | Short Short
背中に猫が乗った。その重みで目が覚めた。
目が覚める前、そろりとなにかが腰に触れるのを感じていた。
はじめての予感に、体を動かさないようにと緊張した。
少しばかり爪を立て背中に登りきると、ぐっと力を込めた四肢でバランスをとり、よさ気な足場を決めるとすぐにそれは背中一面の重みとなった。
ぐるぐると小さく喉を鳴らすのを背骨で聞いた。
いくぶん重いがうれしくて動けなかった。

季節が巡りある夏の午後、彼女は珍しく物言いたげにしばらくぼくをじっと見つめたあと、いつもの窓から出かけて行き、それきり戻らなかった。

ねえ、あのときの温もりが今でも時々ぼくをなぐさめてくれているのを、君は知っているのかなぁ。


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夜光虫

2024-07-07 22:45:02 | Short Short
「夜光虫ってきれいなんだよ」
あの夜、呆れた顔で彼女はそう言った。

私はその頃とてもふさいでいて、閉じこもった生活をしていた。
様子を見に来てくれた彼女に吐露するように私は訴えた。
「全然出かけたくない。誰にも会いたくない。だけどそればっかりだと自分が本当にこの世界にいるのか分かんなくなって、夜中にふらふら歩くことがあって、まるで私、夜行性の虫みたい。誰にも気づかれないところでただ息だけしてるの。むしろ虫の方が何万倍も健全だよ。だって彼らは彼らの法則で活動して子孫をちゃんと残してるんだもの」
そう言うと彼女は気遣うふうでもなく、いつもの調子で「夜の虫ねぇ」と私をじっと見つめて「夜光虫って知ってる? 光るヤツ」と言った。

「海の夜光虫ってとってもきれいなんだよ。私は別に彼らが子孫を残してることなんて考えないし、彼らも人間が自分たちをきれいだと思ってることなんて知らないし、そんなこと彼らにはどうでもいいことだよ。でもね、夜光虫を空から見たときに感じる気持ちは、どうでもいいことなんかじゃない。あんたが夜に徘徊しようが部屋にこもろうが、私はあんたの顔見て、当たり前みたいな気持ちになる。それは私にとって、すごく大切なことなんだよ」

空から海の夜光虫を見たことなんてない。
でも彼女の呆れたこの顔があれば、それでいいような気がした。


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木彫りの羊

2024-07-06 23:59:52 | 
動けないけど笑ってる。
くるんと巻いたしっぽ。くるんと巻いた角。くるんと笑う。
散らかった部屋の隅で埃をかぶってくるんと笑う。
誰にも気づかれずに  ひとりでにっこり壁を見る。

てのひらに乗せて明るい窓辺に大移動。一匹だけで大移動。モンゴルでは砂嵐。ぼくの羊は一匹目。蝶がひらひら窓の外。
駆け出して行くのかな、と見守った。
行っちゃうのかな、仕方ないけど。

だけど羊は窓辺でくるんと輝いた。
ぼくの羊はここにいる。


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