カナムグラは雑草の多いところでよく見る野草。
蔓性で、田んぼ近くのポンプ小屋などを覆うように茂っているのを見かける。
この草、衣服にザラザラと絡みつく。 カナムグラのある中を歩くと、いちいち
ズボンに引っかかって歩きにくい。 子どもの頃、カンシャクを起こしながら、
原っぱの中をけっ飛ばすようにして歩いていたのを思い出す。
これは茎や葉柄に、下向きの小さなトゲがたくさん出ているためだ。
カナムグラはこのトゲを引っかけながら、よじ登るように伸びていく。
家の裏に、毎夏、同じところにカナムグラが出て、近くにある小さな木を
小山のように覆う。 (1年草なので、冬には姿を消す)。
そのそばに、いつも鉢の古土を捨てているところがある。 春先、ここの
まだ何も出ていない土に、縦に2、30本の小さな何かの芽が出ていた。
刺すぞ刺すぞという感じの、なにか憎々しいような姿をしている芽だった。
植物の芽で憎々しいなどと思ったことがなく、なんだろう、古土の中にこぼれた
花の種の芽かとしばらく様子をみていた。 だがだんだん育つにしたがい、
葉の形からカナムグラとわかった。 カナムグラの葉は成長すると、
八つ手のような葉をしているが、それとは全然違っていた。
アサ科の植物。 蔓が絡み合うと強靭で、その様子から「鉄」、
葎(ムグラ)は、蔓が絡み合い生い茂る様子をいう。
葎草(リツソウ)という名の生薬として、健胃、解熱、利尿に用いられる。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/