朝、踏み切りの近くで電車の通過を待っていた。
そのそばに会社があって、その建物を囲んでいる、
ヒイラギの垣根のところにいた。
そのうち、ほんのりいい香りがしてきた。
なんだろうと思ってまわりを見ても何もなかった。
下を見るとごく小さな白い花が散っていた。
よく見ると、葉に隠れるように小さな花が咲いていた。
いい香りの元はそこからだった。
そのときまで、ヒイラギに花が咲くことを知らなかった。
産経新聞「産経抄」にヒイラギのことが出ていた。
だいたい今頃が花期のようだ。
ヒイラギが葉の縁に、鋭いトゲを持つのはよく知られている。
記事にヒイラギを「柊」という字で書くいわれがあった。
葉のトゲが刺さると、疼(ひいら)ぐ、つまり、
ヒリヒリと痛むところから名前がついたという。
「疼」から、「柊」に転じたらしい。
痛みを「疼痛」(とうつう)ともいうが、
「冬」の字が、痛みを表す漢字の中に使われるのは面白い。
きっと、「春」や「夏」ではあわないだろう。
柊は老木になるとトゲがなくなって滑らかになるそうだ。
そのいい香りも、柊はキンモクセイ(金木犀)科だというので
なるほどと思った。 キンモクセイと同じ、雌雄異株。
(2009・10月記)
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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