形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

匂いガラス

2012-10-16 16:24:10 | Weblog

匂いガラスが流行ったのは小学校の頃。
透明で鋭い角のない、ただの厚い板ガラスのような破片だった。
どこかで売っていたのか、誰かからもらったのか覚えがない。

木にこのガラスをゴシゴシ擦りつけて匂いをかぐと、
香水のような、かすかないい匂いがした。
私たちは匂いガラスと呼んでいた。

休み時間になると、教室のあっちこっちで、机にこのガラスを擦り
つけていた。 そしてサッと机やガラスの匂いをかぐのだ。 
今考えると、なぜこれぐらいのことを面白がっていたのだろうと思う。 
その頃、日本はまだ貧しく物が不自由な時代だった。 
子どもたちは、ささやかなことに楽しみをみつけていた。

やってみたことがあるが、普通のガラスではまったく匂わない。
何に使われて、なぜ匂うのか不思議なガラスだった。

その後、このガラスの正体を知った。
なんと戦闘機の風防ガラスで、ガラスではなくプラスチックだそうだ。 
私の小学生の頃はとっくに戦争は終わっていたが、どこかに墜落した
飛行機がまき散らしたものでもあったのだろうか。 それにしても、
どうして擦るといい匂いがするなんてわかったのかな。 


からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


[ 警告 ]当ブログ内に掲載されているすべての文章の無断転載、転用を禁止します。すべての文章は日本の著作権及び国際条約によって保護を受けています。Copyright shinso koisikawa. All rights reserved. Never reproduce or replicate without written permission.



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする