以前、住んでいる所からそう遠くない、あまり人の入らない
雑木林を歩いていた。 そのとき地面にボケの花が落ちていた。
だがその近くを見まわしてもボケらしい木はなかった。
拾おうとしたら、落ちているのではなく咲いているのに気づいた。
そこで見たのはごく小さな幼木だったが、それでも1つ2つの
立派な花をつけていた。
地面からいきなり花が出ていると何か妙な感じがする。
私たちはたいてい、枝や茎につながるかたちで花を見慣れている。
茎の先に花がついていたり、枝に沿って花が咲いていたりと。
記憶に刻まれたものとは違う、別のかたちと出会うと不思議な感じ
がする。
秋にできるその実は、草ボケとは知らなかったが、低い山で
見た記憶がある。 3、4センチほどの、丸く淡い黄色の実が、
草むらの中にいくつもまとまって実っていた。
普通、木の果実は高い枝に実る。 草むらの中に大きな実が
成っているというのも、やはり奇妙な感じがした。
何の植物かわからないまま、面白いなと印象に残っていた。
なるほど、草ボケの別名は、地梨である。
バラ科の植物で、日本の固有種。 花期は4~5月。
果実はよい香りがあり、果実酒に好んで用いられるそうだ。
同じ仲間の庭に植えられるボケは、1、2メートルほどになるが、
草ボケは50センチぐらいにしか成長しないという。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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