『 私たちとドイツ軍とのあいだには、約2キロ半にわたって森が
広がっていた。 部隊から部隊に進軍ラッパが伝わり、私たちは
攻撃にかかった。 先頭集団にいて落馬した騎兵たちは、二度と立ち
上がらず、馬たちはいななきながら倒れ込み、後続の騎兵たちが
それを飛び越えていった。・・・
騎兵隊の攻撃が憑かれたような気配を帯びてきた。 それが騎兵にも
軍馬にも同じように伝染した。 その狂躁、その重圧、その打撃力は
すさまじく、恐怖を誘うほどの激しい集中砲火を浴びせねば止まらぬ
勢いだった。 』
『 脱出記 』 (スラグォミール・ラウィッツ著)から。
著者は元ポーランド陸軍、騎兵隊中尉。
この本の副題は、『 シベリヤからインドまで歩いた男たち 』。
かつて、ソビエト連邦ではシベリヤの強制収容所で使う労働力を
確保するために、多くの無実の人々を不当な裁判で有罪にし、
シベリヤに送り込んだ。
ポーランド人、ラウィッツもその中の一人だった。
仲間7人で収容所を脱走し、その途中、別の収容所から脱出してきた
少女1人と合流、8人でのサバイバル行が始まった。 シベリヤから
ゴビ砂漠を抜け、ヒマラヤを越えインドまでなんと約6500キロを歩いた。
ゴビ砂漠で始めに少女が死に、最終的に残ったのは4人だった。
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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