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仕事場のある小石川で、昼休みに散歩しているとクサノオウが咲いていた。
白山通りという大きな道路の植え込みに、いろいろな野草を寄せ植えにして
いるところがある。 花ではなく野草の植え込みとは珍しいが、秋には
ミズヒキが咲き、なかなか風情がある。 その中にクサノオウが混じっていた。
明るい薄緑の葉に4弁の黄色い花をつけ、かろやかに咲いている様子は涼しげである。
このクサノオウ、毒草だが同時に薬草でもある。 これは他の毒草でも
よくあることだ。 たとえばジギタリスは、不整脈を起こす心臓毒を持つが、
おもしろいことに不整脈やうっ血性心不全に使われる薬草でもある。
また体内に入れば心停止をおこす、猛毒で有名なトリカブトは
処理されることで、附子(ブシ)という生薬になる。
クサノオウの名前は、"草の王"(薬草の王)、"草の黄"(茎を折ると
黄色い液が出る)、"瘡の王"(瘡・クサ、またはカサというのは、皮膚の
できもので、これに薬草として使われた)と、いろいろな説があるようだ。
ただしこの毒成分はアルカロイドのかなり強い毒で、素人判断で使うのは
たいへん危険である。 茎を折ると濃いオレンジ色の毒液が出る。
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(タケニグサ)
少し標高の高いところでよく見る、タケニグサ(竹似草)とどこか感じが
似ていると思っていたら、同じケシ科の植物だった。 こちらも毒草。
クサノオウはせいぜい6、70センチほどの大きさだが、タケニグサは
2メートルを越す大型植物だ。 タケニグサは真っ直ぐに伸びる太い茎を
持ち、その先に白い房のような花を咲かせる。 ここはクサノオウと違う。
だが菊の葉に似た葉や、茎や葉裏が白いところはよく似ている。
クサノオウは白いうぶ毛だが、タケニグサはまるで白い粉をふいたような
独特の白さがある。
からだの形は、生命の器
形之医学・しんそう療方 東京小石川
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