形之医学・しんそう療方 小石川院長 エッセー

昭和の頃、自然と野遊び、健康と医療のことなど。

落とし穴

2012-06-08 16:07:49 | Weblog

小学校の頃、砂場に落とし穴を作るのが、男の子たちのあいだで流行った。
悪ガキのイタズラで、小さな穴を掘り、その上に落ちている小枝を組んで
新聞紙をのせ、砂をかけてわからなくする。 それから友だちを呼ぶ。 

呼ばれたほうは、笑いをこらえているような友達が、
どうも怪しく思われ、砂場に目を配り、用心しいしい近づいていく。
それでも落っこちると、ワーイ!ワーイ!とはやしたてて面白がった。

こういうのはたいていエスカレートする。 しまいには、犬のフンを
穴の底に入れるヤツが出る。 (私もその一人です。

その当時、東京の家々で飼っている犬は、たいてい放し飼いだった。
朝、エサをやると放し、犬はそこらじゅうをほっつき歩き、夕方もどると
また鎖につながれた。 だから犬のフンは町のどこにでも落ちていた。

落とし穴に入れておくのは、カラカラに干からびたやつである。 
それを鼻をつまんで、ひろった木の枝を箸のように使って穴の
底に仕掛けるのだ。 

穴に落っことしたほうは、サッと両手の親指と人指し指で輪っかを
作って鎖のように組み、「エンガチョ、鍵閉めた!」 と宣言する。
こうすると、犬のフンを踏んだほうから触られても、その汚いのが
乗り移らないのだ。 鍵を閉めそこなって触られると移される。 
考えるとおかしいが、悪ガキたちは慌てて鍵をかけていた。
中にはフン穴に落とされて、頭に血がのぼるやつがいた。 
仕返しにフンを棒で挟んで、投げつけようと振りかぶったら、
ちぎれたフンが頭に落ち、家に飛んで帰って頭を洗うのがいた。
 

形之医学・しんそう療方 東京小石川
http://www.shinso-tokyo-koisikawa.com/


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