続・笑う蜘蛛の糸

1969年生まれの私、
潮風太子が第2団塊世代特有の視点で書く
コッソリ系ブログです。

多忙の言い訳?

2016-10-21 22:22:13 | インポート
このところ「多忙」「多忙」というキーワードが多くなった当ブログ。
本当に多忙でして、
なかなか自宅のパソコンの前に座る時間もナイ有様。
休日はすべて愚息のサッカーに食われる。
その合間に愚息のサッカーのビデオ動画の編集作業・・・

そもそも、ここのところ本業そのものが忙しい。
休暇規制の連続で休むことが出来ない状況のため、
有給休暇がなかなか取りたいときに取れない。
もちろん月3回程度の休日出勤は当たり前となり、
以前のような自分のペースでやることができなくなってしまった。
異常事態かつ緊急事態の連続。

私、潮風太子の働いている業界、
本当に人が年々不足していく状況で、
そのうえ定年退職者の数に対して、
入社してくる人数がまったく追いつかない・・・
入ってきても早々に辞めてしまう有様。

なんていうこの話を、
他の異業種の人たちと、
最近話をする機会があったので、
してみたところ、
これまた何処も同じ、
驚くほど他業界でも人材が不足している「惨状」とのこと。

「オタクもですか?」「ハイ、オタクもでしたか・・・」ってな調子。

ここで書く業種というのは主に現場系の業種。
製造業、建設業、サービス業、運輸業といった業界。

「未曾有の大不況」なハズなのに、
とにかく人材が著しく不足している。
仕事は山ほどあるというのに・・・

この先10年後の、この国のことを考ると、
深刻な問題とするべき事案ではないかと思い、
改めて今回一筆。

上記の「現場系」の職業に共通していることは、
今日明日に始めて出来る仕事じゃナイという点。
あまり向き不向きというコトバは使いたくないが、
やはりキャリアと「適正能力」がモノ言う職種。

ところが「失われた10年」を含め、
不況による淘汰があったことに加え、
経営者側のおごりともいえる、
「代わりはいくらでもいる」程度の軽い認識が、
現在のこういう深刻な事態を招いていることを、
「多忙な日々」を送っている人以外、
ほとんど知られていないのが実情。

次世代の「育成」を怠った結果、
代わりそのものが、いなくなってしまったり、
無節操な「規制緩和」が逆効果となってしまったり・・・・
ざっとこれが主な原因だ。

つまりは失政の結果。

そんな中、こんなニュースも。

東大出身のエリートだった電通社員、
高橋まつりさんという女性社員が、
過労を苦に自殺したことが労災認定されたと。

そして武蔵野大学「長谷川秀夫」教授が、
残業100時間で自殺とは情けないと発言して「大炎上」という、
両方ともに言えることだが、
まずヨーロッパではありえないニュース。

その一方で残業100時間どころか、
貧乏人はもっと働け!というお上の動き。


もう国も学者も「現場」も滅茶苦茶な状況ナリと。


お上もノリノリで、
ご丁寧にホームページまで設けたりして・・・

要するに小泉純一郎の名ゼリフ、
「これからは自己責任の時代です」そのもの。
政府はとうとう労働基準法すらブン投げてしまうらしい。
労働時短推進は今や死語。
いや時短+時短=長時間=◎(正解)ということか?

でもって過労死はプロ意識が足りないからだそうである。
学者曰く。

だから人がいないから働かざるを得ない状況なんだって~の!
ということは額に汗することもナイ学者にはわからない。

少々いや多分に説明が必要だろう。

高品質な部品を作るためには、
長年の経験値が必要である。
コンピュータに入力してホイっとできるというのは、
完全なる誤解。
入力する人間の数学センスと手先の器用さの両方がなければならない。
数学力と手先の器用さは小学校時代までに形成される。
オトナになってからの「教育」ではどうにもならない。
数学センスと手先の器用さは生まれ持ったものではナイが、
感覚的なセンスは小学生のときに磨かれる。
ソロバンや球技、ピアノ演奏をオトナになって学習しようとすると、
相当に難儀することからも判る。
さて現在の日本の数学教育のレベルはいかがなものか・・・

建築業も同様。
空間認識能力、運動神経、体力、集中力、記憶力、
手先の器用さ、要領のよさ、スピード感覚、
これが絶対的不可欠な能力。

昔はバカがやる仕事などと揶揄されていたが、
実は能力がある者しか最終的に残れない厳しい業界だったことが、
最近になってわかってきた。
先に書いた「才能」がひとつでも抜けている輩がいると、
現場で「大事故」を起こす。

誰でもいいやってな感じで数集めだけして作業をするから、
工事現場で「稚拙」な大事故が発生する。
キャリアと実績のある人間を一人でも多く集めたい現場。
しかしキャリアと実力のある人たちは今や高齢で現場を離れたり、
潮風太子世代だと例の不況で淘汰され「廃業」した者も多い。
つまりまともな「指導者」が必要数育っていないので極端に少ない。
これでは、まともな人材も育つワケがナイ。

サービス業もセンスとキャリアのある人間でないと務まらない。
しかし残念ながらセンスとキャリアが年収に、
多大に反映されることもなければクレーマー天国の、
この国にあっては極めて割に合わない職業。
特にチップの習慣すらないこの国では・・・・
とりあえずバイトを集めればなんとかなる・・・
ってな時代も終焉を迎えているらしい。

運輸・運送業はもっと深刻で、
年々高齢化するドライバーと運転免許を取得しない若い世代。
そのくせ「当日配達」だとかスピード勝負にはやる企業。
配達する人間が、どんどんいなくなっていく・・・・
それでも、顧客は「早く!急げ!スグに持ってこい!」である。

とにかく自動車運転免許をもっている若い世代が少なくなった。
町の自動車教習所を見に行けば一目瞭然。
我々の世代の頃とは全然違う光景。
あのキャンセル待ちで人が溢れかえっていた光景は、
今では伝説の一コマ。
まぁ車の運転に興味のある若い世代が、
潮風太子の若いころと比べると本当に減った。
車のディーラーの人も同様のことを言う。

またSNSでの情報による影響も多大だ。
運輸・運送業界とてブラック企業だらけ。

名だたる大企業とて労基違反はもはや常識。
ハッキリすべてです!と言って間違いナイ。
そもそも以前「バスに乗る前に知っておくべきこと」
でも書いたように運輸事業法そのものが「異常な法律」なのだから。
そんなカンジ「薄給にて自転車操業」で事故では、
大型免許を取るメリットそのものがナイ。
そう考える若い世代は、ある意味賢明かな。

「欧米」では当たり前の「ストライキ」という闘争手段も、
今のこの国では、
まったく無意味な「闘争方法」である。
効果が上がらないどころかデメリットの方が多いためだ。
だから誰もやらない。

ということで賃上げは「微々」として、
労働時間だけが長くなっていく、
最近ではサブロク協定も本来の趣旨とは、
完全に変節してしまった。

なら辞めればいいじゃん!というものの、
現実にはそうはいかない。
家族がいると尚更。
辞めたところでキャリアアップも望めないのが、
この国である。

それ即ち、経営者たちにとっては都合のイイこと。

そのうえ、大企業はタックスヘイブンと・・・
実は「不況」であり続けることこそが儲けを生みだす、
こんな構図かと。

実は仕事はたらふくアル。
だけど「やる人」がいない。
デキる人が少ない。
でもデキる人たちは、やらなきゃならない。
日本人の国民性として「投げる」ということが出来ない。
だから頑張ってしまう。
働けど働けど我が暮らし楽にならず・・・である。

その一方では「生活保護」もらって、
のんびり生きた方が利口。
なんて人が年々増え続ける。
こうなってしまう。

駅前のホームレスも以前に比べてかなり減った。
ホームレスは不況のバロメータ。
つまり今の日本は不況というより、
貧富の格差が激しくなった・・・
だけのハナシだったりする。

かのカールマルクスのいうトコロの、
資本主義の終焉を迎えているのかもしれない。

いや、むしろすでに共産社会主義的な国に、
なってしまっているのかもしれない。
低所得者は、どんなに一生懸命働いても、
一生低所得者のまま。
みたいな・・・・

民進党の蓮舫代表は国会質問で、
「早急に不況対策を!」と声高に叫んでいたが、
「そうじゃナイのよ蓮舫チャン!」
地べたを這いつくばって必死に生きている、
潮風太子のような陳腐な労働者階級の人間たちからみた感覚。
あれをみて民進党ダメじゃん!と思った人は、
潮風太子だけじゃないハズ。

不景気じゃナイのよ貧富の極端な差なのよ・・・
富の分配がおかしなことになっちゃってるというコト!
でも、そういうハナシは、
政治家じゃ出来ないよな・・・・

ならば、せめてヨーロッパの国々でみられるような、
労働時間の徹底管理ができないものだろうかと。
子育て支援だなんだと言ってるんだから。
貧乏暇ナシでの子育てはホント辛い。

確かに金に困っている人は、もっと働きたいだろうケド、
このままでは我が国も欧米並みに・・・なんて言えない。

学者ってお気楽でイイよなぁ・・・・

と、このところの多忙のイイ訳なんぞ(笑)
また来週。


コメント (4)
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