偏屈で申し訳ありません。

退職金の運用の件で、銀行に呼ばれてきました。
「申し訳ありません。私どもの方からお訪ねするべきなんですが」
「いえ、部屋がゴミ屋敷状態ですので」
「暑いですね。お車でいらっしゃったんですか？」
「歩いてきました。７０２２歩ですね」
「連休はどこかへ行かれましたか？」
「今年は３２０連休、来年は３６６連休なので１０連休の意識がありませんでした」
「ん、えー、今日はラップ口座のご案内です」
「投資信託はお断りしてるんです」
「住宅ローンは完済されてますか？」
「あと９年残っています」
「え？まずそれを繰り上げ返済しましょう」
「はい」
「今お仕事は？」
「定年になってからは毎朝の１２０００歩の散歩が仕事です」
「ハローワークへは行かれましたか？」
「全然」
「まずハローワークヘ行きましょう。働きましょう」
「ほぉ」
「ご家族の方は？」
「ひとりもんで子供もいませんので、全部使い切ってくたばろうと考えてます」
「クレジットカードはお使いですか？」
「持っているんですけど、使い方がわからないので使ってません」
「ポイント貯めましょう」
「７個ポイントでたいへん満足しているので」
「キャッシュカードがデビットカード機能を持っているのはご存じですよね」
「デビットカードとクレジットカードの違いがよくわからないんです」
「スマホにアプリ入れましょう」
「スマホを持ってないんです」
「年金保険にはお入りですか？」
「貯金で満足してます」
「今貯金は利息が付かないでしょう」
「タンスだと思ってます」
「人生百年の時代ですから変額ドル建て個人年金保険の積立しましょう」
「うちの家系は８０そこそこで寿命が尽きますので百まで生きる心配は無用です」
「倒れたりしたらとたんに困りますよ」
「見つからないように家で倒れるつもりです」