みなさん、こんにちは
ムコスタ点眼薬ってご存知ですかムコスタ錠は非常に有名なお薬で胃薬として古くからよく処方されているお薬ですね。
そのお薬の有効成分を点眼剤にしたところドライアイの症状に改善を認めたということで昨年新発売されました。
ムチンを補充する点眼薬として参天製薬のジクアス点眼薬と一緒にNHKの「ためしてガッテン」というテレビで視力が良くなると放送された点眼薬です。
でも近視や遠視や乱視が良くなるはずはありませんよね。乾燥しているときよりも潤っているときの方が見やすいですよってことですよね。
お薬を承認・発売される前には臨床治験が必要で当院では私は、治験責任医師として第II相・第III相手試験をプロトコールをかえて合計6回程度実施してきました。
ということで私の中では気になるい点眼薬の1つです。
ドライアイ治療をする場合にしばしば感じることを挙げてみます
ドライアイでの患者の自覚症状は「乾燥感」「異物感」「かすみ」「眼脂」などですよね。眼科医が診察時に確認することは「角結膜上皮障害の程度」「マイボーム氏腺周囲の状態」「涙液破壊時間」「自覚症状」等ですね。診察していて非常に目の状態が良くなっているにもかかわらずに自覚症状が改善しない例をしばしば経験することです
しかし、このムコスタ点眼液は、従来から使われている治療薬(人工涙液、ヒアルロン酸製剤)で角結膜上皮障害が改善しても自覚症状が改善しない方に処方すると眼科医が診察する所見は変化がなくても「自覚症状」が改善する例があるということです。理由づけもはっきりしていないのですが、この薬剤が有する抗炎症作用の効果のためかもしれません。
同じような見解を持つ眼科医が多くいて日本におけるドライアイ治療の第一人者のドクターが講演されました。
もしも抗炎症作用がドライアイ治療に有効であれば現在は適応のとれていない種々の疾患に対してこのムコスタ点眼液は有効である可能性が示唆されます。
具体的な疾患名を挙げると術後(LASIKを含む)ドライアイの症状翼状片上輪部角結膜炎結膜弛緩症などです。
上記疾患に対してムコスタ点眼液は適応がないのであくまくでも原疾患に対して処方するのではなく上記疾患に付随するドライアイ症状の改善目的で処方することになります。
さて、最後にこの点眼薬の問題点を書きます。写真を見てもおわかりのとおり懸濁液のため点眼後にかすんで見えにくくなってしまうことまた苦味があることです。
また、発売後1年が経過し長期投与が可能になったのですが大阪府では1回の診察で1か月分(112本)しか処方できませんので月に1回医療機関を受診して処方を受ける必要があることでしょうか?
また、相談ありましたらいつでも来院してください。
平成25年2月3日の東京は2月と思えない最高気温21度でした。ほんと花見の頃の陽気でしたね
翌日の朝はやはりいつも通り冷え込んでましたけどね
寒暖の差がある季節ですしインフルエンザも流行しているようです。みなさま、どうぞご自愛ください。
下の写真は今回の講演会が行われた東京赤坂のANAインターコンチネンタルホテルです。
先週の福岡での手術学会に引き続き出張が多いのですが多くのことを勉強できる機会があって毎日が楽しいですね
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